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トヨタ カローラ クロスが国内発表される。強力なコスパでライバル・ホンダ ヴェゼルに優勢の理由とは?

掲載 更新 263
トヨタ カローラ クロスが国内発表される。強力なコスパでライバル・ホンダ ヴェゼルに優勢の理由とは?

<カローラファミリーらしからぬワイドな全幅1825mm>

海外で先行してローンチされた「トヨタ カローラ クロス」の日本仕様がついに正式発表となりました。

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海外版では「アーバン・タフネス」を目指してワイルドなフロントマスクでしたが、日本仕様はユーザーニーズに合わせて「アーバン・アクティブ」をコンセプトとしたスタイリングに変身。フロントグリル中央には「C」をモチーフにしたカローラエンブレムが置かれるなど、カローラファミリーの一員であることをアピールしています。

とはいえ、ボディサイズは全長こそ4490mmと国内でも扱いやすそうですが、全幅は1825mmとカローラにしてはワイド。カローラセダン/ツーリング(1745mm)やカローラスポーツ(1790mm)と並べると、同じ名前のモデルとは思えないほどで、「カローラのアーキテクチャ(プラットフォームやパワートレイン)を利用して開発したクロスオーバーSUVに、便宜的にカローラの名前を与えた?」と推測する向きもありそうですが、それは違います。

<価格を押えたシャシーからカローラとして設計されたのは明らか>

その証拠が1.8LハイブリッドのFFで259万円~299万円という、カローラならではの価格帯。

クルマを開発するときには目標となる価格帯を設定しなければいけません。作ってみてからカローラの名を付けるのではなく、カローラにふさわしい価格帯を実現するために設計そのものが変わってくるからです。

カローラの名前を冠するには、カローラに期待される国民車としての価格に抑える必要があります。実際、カローラ クロスはリアサスペンションをシンプルでローコストなトーションビーム形式としていますが、それはクロスオーバーSUVとしての体躯と、カローラにふさわしい価格を両立するための工夫のひとつといえるのです。

<最強のライバル「ホンダ ヴェゼル」を価格・パワー・燃費で上回る>

そんなわけでカローラ クロスは、内容を考えるとお買い得です。おそらく最強のライバルは、現在日本のコンパクトSUVカテゴリーで人気ナンバーワンの「ホンダ ヴェゼル」でしょうが、スペック上ではあらゆる点でカローラ クロスが優勢です。

ハイブリッドパワートレインを比べてみると、ヴェゼルが1.5Lエンジン+2モーターに対して、カローラ クロスは1.8Lエンジン+2モーターと余裕がある上に、燃費性能でもヴェゼルの25.0km/Lに対して、カローラ クロスは26.2km/Lです(いずれもFFのWLTCモード値)。

また、ヴェゼル ハイブリッドの価格帯は265万8700円~329万8900円(FFの場合)。前述したようにカローラ クロス ハイブリッドの価格帯は259万円~299万円(FFの場合)と割安感があります。

<4WD狙いならヴェゼル ハイブリッドがリーズナブルだが…>

ただし、ハイブリッド×4WDの価格帯は逆転。カローラ クロスは後輪用モーターが追加される複雑な機構を採用していることもあって、279万9000円~319万9000円と価格が上昇。ヴェゼルはプロペラシャフトで後輪へ駆動を送るメカニカル4WDのため、287万8700円~311万8500円と若干安くなっています。

なお、カローラ クロスのハイブリッド4WDは高速域でリア駆動がキャンセルされてしまいますが、ヴェゼル ハイブリッドの4WDは高速巡行でも四輪駆動を維持することができます。そのため4WDらしい走りを常に味わいたいならばヴェゼルが優位でしょう。

とはいえ、4WDであってもボディもエンジン排気量も大きいカローラ クロスの燃費が24.2km/L(ヴェゼルは22.0km/L)と優れているため、全体にはカローラ クロスのほうがお買い得だと感じるユーザーが多いかもしれません。

文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)

※写真
1~6枚目:トヨタ カローラ クロス
7~9枚目:ホンダ ヴェゼル

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