この記事をまとめると
■アルファロメオからCセグメントSUVとなる「トナーレ」が発表された
世界限定500台のスーパーカー! 「アルファロメオ・8Cコンペティツィオーネ」はフェラーリへの下克上か
■アルファロメオ初の電動かモデルでハイブリッドとプラグインハイブリッドの2本立て
■SUVらしからぬハンドリングによるアルファロメオらしい官能的な走りが期待できそうだ
スタイリングの各所にアルファロメオのヘリテイジを感じる
ようやくアルファロメオ・トナーレが正式に発表された。コンセプトモデルがお披露目されたのは2019年。アルファロメオのSUVに惹かれつつもステルヴィオのサイズで二の足を踏んでいた人やスタイリッシュかつインプレッシブなコンパクトSUVを待ち望んでいた人にとっては、これは嬉しい知らせであるに違いない。
ステルヴィオの妹版ともいうべきトナーレのサイズは、全長4.53m、全幅1.84m、全高1.6m。ステルヴィオの全長4.69m、全幅1.9m、全高1.68mと較べると、Dセグメントのステルビオよりも見事にひとまわり小さい寸法に収まったCセグメントのSUVだ。サイズ感でいうなら、長さや幅はスバル・フォレスターと同じくらいで、ホンダ・ヴェゼルより僅かに大きい、といったところか。
そのスタイリングは、コンセプト・モデルにほぼ忠実なデザイン。ヘッドランプからテールランプまで続くサイドのショルダー部あたりの絶妙なカーブに初代ジュリア・クーペの面影をしのばせるなど、アルファロメオのデザイナー陣はアルファロメオの歴史に輝く様々な名車のディテールを再解釈して、トナーレのフォルムに溶かし込んでいる。熱心なアルフィスタであれば、それらの車名をいくつも挙げられることだろう。
アルファのアイコンといえるスクデット(盾)と、その下側左右のインテークが合わさって構成されるトリロボ(三葉飾り)や、テレフォンダイヤル型のホイールあたりからは、見る者がアルファロメオの持つヘリテイジの深さに想いを馳せるよう積極的にモチーフを採用した感じさえ漂っている。
それでもいずれかのモデルを模したかのような印象を受けることなく、全く新しいアルファロメオのSUVにしか見えないあたり、チェントロ・スティーレ・アルファロメオ(アルファロメオ・デザイン・センター)の面々の実力を感じさせる。
アルファロメオとしては初となる電動化モデル
最大のトピックは、これがアルファ初の電動化モデルであるということだろう。トナーレは、基本的にハイブリッドとプラグイン・ハイブリッドの2本立て、とされている。
ハイブリッドモデルは前輪駆動で、ハイブリッド用に新たに開発された直列4気筒直噴1.5リッターターボが搭載されている。可変ジオメトリー・ターボでパワーを稼ぎ、遅閉じのミラーサイクルで燃料消費の効率化を図っている。ハイパワー版は160馬力、エントリー版は130馬力/240Nm。トランスミッションは7速DCTで、そこに20馬力と55Nmを発揮する独自開発の”P2″モーター、48Vベルト駆動式スタータージェネレーターが組み合わせられている。
ハイブリッドシステムはいかなるときも常に介入していて、加速時にはモーターがパワーとトルクを膨らませ、減速時には回生ブレーキでエネルギーを回収。と機構的には一般のマイルドハイブリッドとほぼ同じだが、こちらはエンジンを停止させてモーターのみで走行できるという点が特徴的だ。低速走行中やクルージング時などには距離は限られるだろうが、完全なEV状態で走ることができる、というわけだ。発売時までに130馬力と320Nmの1.6リッターディーゼルと6速DCTを組み合わせた仕様がラインアップされる予定であることも明らかにされている。
もう一方のプラグインハイブリッドモデルは、アルファロメオがいうところの”Q4″、つまり全輪駆動だ。こちらは1.3リッター4気筒のマルチエアターボでフロントを駆動し、電気モーターでリヤホイールを駆動する仕組み。エンジンでは180馬力、モーターでは120馬力を発揮し、システム全体では275馬力。ステルヴィオの280馬力にほぼ匹敵するパワーを得ているわけだ。
0-100km/hはステルヴィオに僅かに及ばない6.2秒。EVモードでの走行可能距離は市街地で最長80km、複合サイクルでは60km以上とされ、満充電まで7.4kWの急速充電器を使用した場合には2.5時間と発表されている。
プラットフォームは、旧FCA時代から開発を進めてきた横置きプラットフォームをベースにする新設計であるという。そこに組まれるサスペンションは、前後ともマクファーソンストラット。基本的にはステルヴィオなどでも実績のあるKONIと共同開発のFSDダンパーが備わっており、ドライブモードに合わせてハンドリングの特性を変える電子制御のアダプティブダンパーもオプションで用意されている。
ステルヴィオと同じく車両の前後重量配分の最適化にはこだわったとアナウンスされていて、ステアリング・ギア比はCセグメントのSUVとしてはかなりクイックな13.6対1。前輪駆動のモデルにはLSD代わりの電子制御式デフやトルクベクタリング機構が備わり、AWDモデルは電子制御とモーターのマッチングのよさを活かして4輪に適正な駆動力を送り続けるシステムが構築されていること、さらにはブレーキにブレンボ製のシステムが組み込まれていることなどを考えると、トナーレがステルヴィオ同様のSUVらしからぬハンドリングとパフォーマンスを見せるだろうことは簡単に想像できる。
また、トナーレのもうひとつの特徴として、コネクティビティをかなり重視したクルマになっていることが挙げられるだろう。4G接続とAndroid OS、アマゾン・アレクサのボイスサービスを内蔵していて、必要なときにはそれらを通じてインターネットにアクセスし、さまざまな情報をリアルタイムに引き出して、メーターナセルの中の12.3インチTFTスクリーンとダッシュボード中央の10.25インチのタッチスクリーンを合わせた22.5インチのディスプレイに表示させることができる。グーグルのホームアシスタントと連携して自宅から燃料の残りやタイヤの空気圧といったクルマの状態をチェックすることもできるし、リモートでドアの開閉も行える。ナビなどのアプリの更新も自動的に行われ、セキュア・デリバー・サービスを利用して荷物をトナーレの車内に配達してもらうこともできるという。
世界で初めて自動車としてNFT(非代替性トークン)テクノロジーを搭載したのもトピックのひとつ。生産段階からさまざまな情報を修正不可能な形で記録していける仕組みで、ユーザーが同意すれば、ディーラーでのメンテナンス記録などを蓄積し、証明書を発行することも可能。その記録があればクルマを売却するときの信頼性が高まって、残存価値も高くなることが予想できる。
4CやジュリアGTA / GTAmといった近年のアルファのハイパフォーマンスカーの開発に従事してきたエンジニア、ドメニコ・バニャスコは、「アルファロメオは官能的なクルマで、あなたの五感を刺激します。電動化されても、それは変わりません」と語った。
アルファロメオの熱心なファンは内燃機関へのこだわりが強い人が少なくなく、バッテリーとモーターで走るクルマをよろしく思っていない人もいる。が、バニャスコの言葉が真実であるなら、それはアルフィスタたちにとって何よりの説得力になるし、新たなアルファロメオのファン獲得にも繋がるに違いない。期待しながら発売を待つことにしよう。
なお、本国では発売記念エディションの受注が4月から専用サイトでスタートすることになっているが、基本的には発売開始は既報のとおり6月。そこから半年以内に世界の主要国でのローンチをスタートさせる計画と聞かされてるから、日本市場でのスタートは年末年始あたりになるんじゃないか? と予想している。
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