ISA=インテリジェント・スピード・アシスタンス
ボルボは2020年5月、今後のすべての新車に180km/hの最高速度制限と、最高速度をさらに低く設定できる「ケア・キー」を導入すると発表。欧州ブランドとしては異例の速度制限だ(ドイツ勢は250km/hが多い)。ここ日本では特別なスーパースポーツ(GT-RやNSX)を除いて180km/hでスピードリミッターが作動する。
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【画像】ボルボの「ケア・キー」を写真で見る
そうしたシステムはよく知られているが、日本ではあまりなじみがないのがISAと呼ばれる機能だ。これはインテリジェント・スピード・アシスタンスのことで、ドライバーが法定速度を守るよう支援するシステムであり、先進安全装置の一部。方法はさまざまだが、例えば車載のフロントカメラで標識を検知し、クルマ側がその規制速度に合わせてスピードを制御するというもの。すでに国産車もカメラによって標識を検知するモデルは多数存在するが、現在は速度規制に合わせてアイコンを表示するのみである。
2022年以降、欧州義務化。日本はどうなる?
じつはこのISA、2022年以降に欧州連合(EU)内で販売される新車への装着義務が、すでに決まっている。大手サプライヤーのコンチネンタルの関連会社で、ADAS用を含めたソフトなどを手がけるエレクトロビットによれば、かなり開発が進んでいるようだ。筆者はISAを実装したクルマに乗ったことはないが、その運転感覚はスカイランなどに搭載されている「インテリジェントペダル」に似ているらしい。スカイラインは前走車に追いついて車間が短くなるとアクセルペダルを押し戻すが、これと同様にISAでは制限速度を超えるとアクセルペダルが重くなる制御になる。ドライバーに速度制限を超えていることをモニターや警告音だけでなく、アクセルペダルからも情報伝達するわけだ。
でも実際の交通環境は複雑だ。危険回避などのために規制速度を超えてしまうこともあるだろう。日本では警察(建前上は公安委員会)の規制そのものが実情に合っていないという意見もあるが、ISAが導入されれば主要道路の平均スピードは大幅に低下する可能性もある。ただし、ISAを搭載するクルマは制限速度を超えるとアクセルペダルが重くなるが、さらに踏み込めばスピードを出すことが可能だという。つまりドライバーがオーバライドできるわけだ。
ISAは日本でも導入の検討が行われていて、現在もEUとの車両の相互認証を進めているから将来導入される可能性が高い。新東名高速道路などでは120km/hが最高制限速度だが、世界的に速度規制を強める傾向で140km/hがスタンダードになりつつある。ドイツのアウトバーンでも速度無制限区間は少なくなった。冒頭のボルボの例のように制限速度をクルマ側に設定すれば、クルマづくりも変わるし、ケア・キーのようなシステムを使えば、いわば強制的に速度が出なくなるよう設定できる。ISAの日本導入時には、ぜひケア・キーのような機能をセットで検討してほしい。
〈文=丸山 誠〉
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みんなのコメント
クソ面白くも無い車ばっかりになってしまうよ。
自動運転もトラックに装着すれば、高速でのドライバーへの疲労軽減にもなる