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独自のワイガヤ文化活用にホンダらしさ!AI研究論文を国際会議が採択【概要、本質、期待!自動車ニュースを読む】

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独自のワイガヤ文化活用にホンダらしさ!AI研究論文を国際会議が採択【概要、本質、期待!自動車ニュースを読む】

【概要】ホンダの『マルチエージェント型AIシステム』研究論文を国際会議が採択

先日、ホンダの研究論文が、機械学習や深層学習の分野におけるトップレベルの国際会議『ICLR 2025 Workshop Agentic AI』で採択された。

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自動車開発の現場では、多種多様な課題への回答や示唆を生成できるLLM(ラージ・ラングエッジ・モデルズ=大量テキストデータを学習して自然言語の理解と生成を行う生成AIの基礎技術モデル)活用に期待が寄せられるが、現状は各分野の専門家が議論して開発を進める。

これまで、単一のLLMによるAIエージェント(LLMに繰り返し入出力を行い、タスクに対して自律的に計画、実行、改善を行うAIソフトウェア)では、高度に専門性の異なる分野を横断する合意形成に限界があるとされてきた。

しかし、『マルチエージェント型AIシステム』は、実際の開発現場のプロセスを活かして各専門性を持つ複数のLLMを使い課題解決を行うため、従来の単一のAIエージェントに比べ、背景情報や解決手法に関する内容の生成精度や出力の安定性に優れる。

さらに、エージェント間の議論スタイルに『分散型』、『中央集約型』、『階層型』、『共有プール型』の4つを設定。比較検証の結果、自由闊達なホンダのワイガヤ文化を参考にした『分散型』に多様な意見が自然に統合される傾向が見られ、それを応用した技術手法が高く評価された。

【本質】AIの進化に向けた取り組みを強化する自動車産業

自動車産業は、自動運転や電動化、コネクティッドといった技術の進化が目まぐるしい変革期にあり、如何に個性や特徴を打ち出すか? が問われる『ブランドオリジナリティ』の時代である。

高度に複雑化したさまざまな最先端技術の進化にAIは欠かせない存在だが、そもそもAIとはソフトウェアの一種で『アーティフィシャル・インテリジェンス』(人工知能)の略称。製品の機能や研究開発他へ用いられることから、AIの進化は技術の進化とおよそシンクロする。

また、一般的に製品等に用いられるエッジAIよりも研究開発等に用いられるクラウドAIのほうがより高度な計算や判断を担う。

今日のAIは、従来のコンピューターに学習させて決められた計算や識別を行うAIから、さまざまな情報を組み合わせて新しいことも可能にする生成AIへ進化を遂げて普及を続けているが、何にでも対応できる汎用AIは未だ実現されていない。

伴い、自動車産業の各社においても独自開発や業務提携、株式取得などによるAI技術の囲い込みが行われ、投資力(資本力)勝負の様相を呈す。

ホンダの『マルチエージェント型AIシステム』は、生成AIとして複数のAIエージェントを用い、独自のワイガヤ文化を参考にしているところがいかにもホンダらしい。

【期待】ホンダは将来に向けて『Gen-AIエキスパート制度』を開始

ホンダは、ビジネス環境における生成AIの急速な普及に対応するため、AI活用のエキスパートを認定する社内制度『Gen-AIエキスパート制度』を開始。その始まりは2400人を超える社内ITコミュニティ『Borders』を創出したひとりの社員の提案であった。

Gen-AIエキスパート制度は、これまで社内に点在していた生成AIエンジニアを3段階のレベルで認定、専任もしくは現在の業務と兼任して会社指定の生成AIプロジェクトに従事する。

提案したのは、現在、先進AI戦略企画課をリードする佐野雄樹チーフエンジニア。社内に点在するAIエンジニアが部署の垣根を超えて活躍する仕組みを作ったリーダーの存在や制度を設けた、会社の柔軟性に将来性も垣間見える。

佐野チーフエンジニアは、「認定された社員たちがさまざまな部署で成果を出し、適切な評価を受けられる環境を作ること。そして、エキスパートたちの能力をホンダ全体で最大限に活用できるマネジメント体制を構築していくことが目標」と述べる。

ホンダのAIへの取り組みが『マグニフィセント・セブン(GAFAM=『グーグル』、『アップル』、『メタ・プラットフォーム/旧フェイスブック』、『アマゾン』、『マイクロソフト』+『テスラ』&『エヌビディア』)』に比類する日本の自動車産業の原動力となりうるか? に注目したい。

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