現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > SUGOで命運を握る“20秒差”の壁。ソフトで予選上位を目指すか、虎視眈々と決勝を狙うか【第5戦GT300プレビュー】

ここから本文です

SUGOで命運を握る“20秒差”の壁。ソフトで予選上位を目指すか、虎視眈々と決勝を狙うか【第5戦GT300プレビュー】

掲載
SUGOで命運を握る“20秒差”の壁。ソフトで予選上位を目指すか、虎視眈々と決勝を狙うか【第5戦GT300プレビュー】

 いよいよ後半戦を迎えるスーパーGT、第5戦の舞台は昨年開催のなかったスポーツランドSUGO。GT300では昨年より、第6戦までポイント×3kgのサクセスウエイト(SW)が搭載されることから、とくに今後2ラウンド、上位陣はヘビーなウエイトを背負うことになる。

 このため予選では軽量な車両、とくに過去SUGOを得意としてきたGT300(昨年までのJAF-GT300)規定勢が上位に進出することが予想される。

鍵を握る2基目のニューエンジンと、ウエイト差以上に気になるアナザー・ファクター【第5戦GT500プレビュー】

 前戦鈴鹿でも速さを見せたマッハ車検 GTNET MC86 マッハ号(SW:18kg)はその筆頭候補と言える。また、富士、鈴鹿でPPを獲得しているSUBARU BRZ R&D SPORTも、54kgのSWを積むものの、ポールポジション獲得は不可能ではないだろう。

 鈴鹿では決勝でのペースダウンに苦しんだBRZ。レース後、井口卓人はセットアップ面での課題を語っていたが、先週オートポリスで行われたタイヤメーカーテストでは、改善の兆しが見られたという。

 テストはあいにくの雨に見舞われたが、山内英輝によればその雨が課題を浮き彫りにしたという。

「ドライのときと同じような症状が、雨の中ではむしろ顕著に出ていました。でも、チームが足回りのセットなどをいろいろとやってくれたおかげで、それを抑えることができました」

 ちなみに山内は、直近の開催となる2019年にコースレコードとなるタイムでPPを奪ってもいる。ここ最近は“予選が良くても……”という戦いが続いているだけに、開発の成果を決勝で見せつけたいところだろう。

 一方、タイトル争いで上位につける“重量級”チームにとっても、ポイントを積み上げるための重要なラウンドとなる。

 なかでも、SW72kgで前戦鈴鹿に挑み、8位入賞で貴重なポイントを手にしたリアライズ日産自動車大学校 GT-Rは、周囲が恐れる存在だ。鈴鹿では序盤にピットレーンスイッチの誤操作により順位を下げたが、そこからの決勝レースペースは「驚異的に速かった」とライバル勢のある関係者は“積んでも速い”決勝ペースを注視している。

 今回81kgのSWを背負う藤波清斗は「走ってみないと分からないです。ただ、なるようになるかなと、あまり深くは考えていないですね」と飄々と語る。

「重くはなってきてますが、(いま使っているタイヤは)とてもいいタイヤですし、(レンジの)幅も広い。そこはまったく心配してないです」

「逆に今回、周囲はソフト(めのコンパウンド)で来ているようなので、日曜日が暑くなりそうなことを考えると、ドロップがすごくなりそう。その面では、僕らは安定感を持っているので」と自信も覗かせている。

 藤波のコメントにもあるように、ここSUGOではソフト系のタイヤを使い、予選で前に行くことを命題としているチームが多いようだ。

 グッドスマイル 初音ミク AMGもそのうちの1台だ。第4戦もてぎでは予選で上位につけるも、グリッド上でのセット変更が裏目に出てポジションアップはならず。鈴鹿でもピットタイミングを引っ張ったことで勝機を逃してしまったというが、いずれも「タラ・レバでいえば、勝てていたかも」(河野高男エンジニア)と、調子は上向いている。

 河野エンジニアによれば、今回のSUGOに向けては「(タイヤだけでなく)車両側でもいろいろとやってきている」といい、好調だったもてぎのパッケージも入っているという。ただし決勝では“トップから20秒以内”でレースを進めることが上位フィニッシュの条件となりそうだ。

 この“20秒以内”というのは、SUGO特有の条件である。

 1周の短いSUGOでは、決勝中のポジションによって、採れる作戦の幅が大きく変わってしまう。ピットアウト後、首位車両にラップダウンにされてしまうと、その後(上位勢がピットインする前に)セーフティカーが導入された場合に1ラップの遅れを取り戻すことができなくなってしまうからだ。

 河野エンジニアによれば、SUGOのピットロードでのタイムロスは約30秒、グッドスマイル 初音ミク AMGの作業時間はうまくいけば33~34秒ほどだという。決勝ラップペースを1分23秒程度と仮定すると、第1スティントでトップから20秒以上遅れた状態でピットに入ると、確実にラップダウンになってしまう。

 ミニマム周回数でピットインする、あるいは順位を争う車両に対して“アンダーカット”を仕掛けるなどの、幅のある戦略を少ないリスクで採れるのは、トップから20秒以内を走る車両に限られる。これが「Q1を通ることが一番の目標」(河野エンジニア)である理由だ。

 ソフトタイヤで予選上位に出て、戦略の幅を活かすのか。予選上位は難しいと読み、決勝での安定性を武器に挑むのか。搭載ウエイト量がバラつきつつある第5戦、各陣営はそれぞれに異なった思惑でSUGOのレースウイークを戦うことになる。

関連タグ

こんな記事も読まれています

スコイコのレディース用新アイテム「メッシュライディングジャケット/肘膝プロテクター」が Baico にて4月下旬発売!
スコイコのレディース用新アイテム「メッシュライディングジャケット/肘膝プロテクター」が Baico にて4月下旬発売!
バイクブロス
日産がフォーミュラEサウンドをモチーフにしたサウンドトラック「エレクトリック・レガシィ」を公開
日産がフォーミュラEサウンドをモチーフにしたサウンドトラック「エレクトリック・レガシィ」を公開
THE EV TIMES
都心環状線「地中化」計画が具体化へ!? 首都高の京橋~汐留が「巨大緑地」に大変貌!? 銀座の「半地下区間」丸ごとフタする巨大計画とは
都心環状線「地中化」計画が具体化へ!? 首都高の京橋~汐留が「巨大緑地」に大変貌!? 銀座の「半地下区間」丸ごとフタする巨大計画とは
くるまのニュース
クルマ好きのためのLINEサービス『クルマら部』、友だち登録数2万人突破記念のキャンペーン開催
クルマ好きのためのLINEサービス『クルマら部』、友だち登録数2万人突破記念のキャンペーン開催
レスポンス
メルセデス・ベンツ、新型『EQA』を導入。容量70.5kWhのバッテリーで一充電走行距離は591kmに
メルセデス・ベンツ、新型『EQA』を導入。容量70.5kWhのバッテリーで一充電走行距離は591kmに
AUTOSPORT web
ファミリーで楽しめるバイクのお祭り!「まるごとバイクフェスティバル2024」がファインモータースクール上尾校で4/29に開催
ファミリーで楽しめるバイクのお祭り!「まるごとバイクフェスティバル2024」がファインモータースクール上尾校で4/29に開催
バイクブロス
SMZ の特定小型原付「V-Lite」がビックカメラ・ヨドバシカメラで店頭販売を開始!
SMZ の特定小型原付「V-Lite」がビックカメラ・ヨドバシカメラで店頭販売を開始!
バイクブロス
12サイズから選べる「女性ライダー専用ブラックスキニー」4月下旬より一般販売を開始!
12サイズから選べる「女性ライダー専用ブラックスキニー」4月下旬より一般販売を開始!
バイクブロス
ヤマハ:クアルタラロが猛追の末にポイント獲得「ペースは良くはないが、グリップの低下はひどくなかった」/第3戦アメリカズGP決勝
ヤマハ:クアルタラロが猛追の末にポイント獲得「ペースは良くはないが、グリップの低下はひどくなかった」/第3戦アメリカズGP決勝
AUTOSPORT web
経験豊富なドライバー、それとも新進気鋭の若手? メルセデスF1の不調、ハミルトン後任獲得にも影響か
経験豊富なドライバー、それとも新進気鋭の若手? メルセデスF1の不調、ハミルトン後任獲得にも影響か
motorsport.com 日本版
「魔の空白区間」片方解決!「ずっと休憩できない」圏央道に新PAが誕生 将来さらに大きく成長
「魔の空白区間」片方解決!「ずっと休憩できない」圏央道に新PAが誕生 将来さらに大きく成長
乗りものニュース
TCR世界戦で3台体制を敷くヒョンデが『エラントラN TCR』を刷新。リンク&コーは4台体制を継続
TCR世界戦で3台体制を敷くヒョンデが『エラントラN TCR』を刷新。リンク&コーは4台体制を継続
AUTOSPORT web
中上貴晶、好スタート決めるも転倒リタイア「全体的に難しい週末だった」/第3戦アメリカズGP 決勝
中上貴晶、好スタート決めるも転倒リタイア「全体的に難しい週末だった」/第3戦アメリカズGP 決勝
AUTOSPORT web
ホンダが新型「RS」発売! 「MT×ターボ」の新型「シビックRS」“お手頃価格”で24年秋登場へ!? どんなモデル?
ホンダが新型「RS」発売! 「MT×ターボ」の新型「シビックRS」“お手頃価格”で24年秋登場へ!? どんなモデル?
くるまのニュース
【ミサノE-Prix】最終ラップのドラマ、ヴェーレインが勝利!…フォーミュラE 第7戦
【ミサノE-Prix】最終ラップのドラマ、ヴェーレインが勝利!…フォーミュラE 第7戦
レスポンス
1億7400万円で「カウンタックLP400」が売出中! 高値の理由は「ペリスコピオ」に加え、20年も空調管理で保管されていたから
1億7400万円で「カウンタックLP400」が売出中! 高値の理由は「ペリスコピオ」に加え、20年も空調管理で保管されていたから
Auto Messe Web
F1の名門チーム、ウィリアムズ・レーシングをスポンサードするスポーツ栄養ブランド「マイプロテイン」の正体
F1の名門チーム、ウィリアムズ・レーシングをスポンサードするスポーツ栄養ブランド「マイプロテイン」の正体
@DIME
マツダ MX-30 ロータリーEV【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
マツダ MX-30 ロータリーEV【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村