最新鋭機を手に飛ぶ鳥を落とす勢いの現役チャンピオンへ、型遅れのマシンで戦いを挑む元チャンピオン。1戦ごとにドラマがあった。
ウォルター・ウルフカラーのウエアをまとった"東海の暴れん坊"水谷 勝が最新のYZR500を駆る平 忠彦を果敢に追いかける。
スピードの違いは明らか。しかし絶対に諦めない姿勢が、見る者の心を熱く打った。そんな戦いが、1985年の全日本ロードレース選手権にはあったのだ。
好敵手の存在に沸いた全日本ロードレース 平vs水谷の大バトル!
進化が止まらなかった、’80~90年代2サイクルマシン変遷史
角川映画「汚れた英雄」(82年12月公開)の主人公、北野晶夫(草刈正雄)は虚像だが、そのスタントマンだった平 忠彦は、北野以上にカッコいい実像だった。
ハンサムで長身で、寡黙。そしてヤマハファクトリーのエース。全日本ロードレース選手権を83年、84年と連覇し、3連覇を目指した85年。平人気は最高潮だった。
一方のライバル水谷 勝は、真逆の存在だった。
強大な敵に、不利を承知で真っ向勝負を挑む一匹狼。82年の全日本ロードレース選手権国際A級500ccクラスで破竹の7戦全勝を達成したが、スズキのワークス活動は83年で終了。84年よりプライベーターとして参戦していたが、85年からスポンサーに石油王のブランド、ウォルター・ウルフが付いた。
ただ、水谷のチームはスズキファクトリーではなく、水谷と監督、水谷の個人契約メカニック1人の計3人だけだった。
マシンも平のYZR500・0W81は、世界GPを戦うエディ・ローソンと同じ最新鋭機。
対して水谷のRGΓ・XR70は、82年型XR45の改良型で、パワーも操縦性も劣っていた。
それでも彼は諦めない。そして対決構図を水谷はわざわざ演出した。
クールな平に対して、おどけたポーズとビッグマウス。勝てないと「待ってろタイラ!!」とやるのだ。
85年の全日本GP500は全9戦で、平は4連勝を含む5勝。文句なしの3連覇だった。
一方水谷は平が転んだ菅生で1勝しただけ(残り3戦はスポット参戦したGPライダーのワイン・ガードナーが優勝)。
だが、ちょっとでも水谷が平を抜けば大歓声(どちらのファンからもだ)。観客数は、その水谷が勝った菅生で3万人、最終戦の鈴鹿では6万人が集まった。
80年代全日本は、世界でも例を見ない高度で巨額な費用が投入された、特別な国内選手権だったのである。
そして現在、トップカテゴリーであるJSB1000もまた、依然高いレベルを誇るレースが展開されている。しかし、一般人に近いライダーをも巻き込んで夢中にさせるパワーまでは持ち得ていない。
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みんなのコメント
ウォルターウルフはスポンサーではありません。
スズキのイメージ戦略のライセンス契約でウォルターウルフ側にお金を払って
ロゴマークを使っていたのです。
当時の水谷さんをかたるならばこれは訂正するべきであります。