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S耐のイベント広場には、アメリカの風が吹いていた ~アメリカパークの車両紹介~

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S耐のイベント広場には、アメリカの風が吹いていた ~アメリカパークの車両紹介~

2026年の6月6日に富士スピードウェイにて「ENEOSスーパー耐久シリーズ2026 Empowered by BRIDGESTONE第3戦NAPAC富士24時間レース」が開催された。今回の開催では、開催直前に季節外れの台風が上陸し、搬入日がずれ込むなどのちょっとしたハプニングに見舞われ、また予選が行われた5日と決勝の6&7日は、終盤に雨に見舞われたものの、中断することなくフィナーレを迎えた。予選を含む3日間の合計で昨年比121.3%となる6万4900人もの来場者が訪れ、会場となった富士スピードウェイは大盛況の様相となっていた。

トヨタの「社内抗争勃発」に決着か
レースの模様は別記事で紹介予定するとして、ここでは、その祭りのもうひとつの愉しみとして用意されたイベント広場での催しをかいつまんで紹介していこう。

ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

富士スピードウェイのホームストレート脇のグランドスタンド裏に設けられた「イベント広場」は、24時間の長丁場となるレースの合間に、この祭りを楽しんでもらおうと、数々の催しが行われていた。大屋根のあるメインステージでは、各時間帯ごとに、有名ドライバーによるトークショーやスーパー耐久公式イメージガールの紹介、そして数組のアーティストによる音楽ライブが行われ、多くの観衆を沸かせていた。

そして、会場の中程にできていた人混みの中心を覗いてみると、かなり派手にカスタムされた2台の「カムリ」が展示されていた。これは、「東京オートサロン2026」のGRブースで催されていたモリゾウの3番勝負の最後のラウンド、「GAZOO Racing」代表のモリゾウ氏と、「TOYOTA RACING」代表の、ジャイアーノこと中嶋裕樹副社長による「社内抗争勃発」が、ようやく発表されたカタチだ。

北米生産のセダン「カムリ」をベースにカスタムを施し、レースファンの前に公開することによって、評価をしてもらおうという趣向。

白い方はモリゾウ陣営のカスタム作で、GR所属ドライバーの佐々木雅弘氏が監修したもの。外観は、前後バンパーにワイドフェンダーを装着し、トランクに装着された大きなウイングと、ワイドホイール&タイヤが高い走行性能を想像させるが、オーソドックスなスポーツ指向の方向性のカスタムだ。

しかし中を覗いて驚かされた。リアシートがある位置にはエンジンが鎮座している。フロントの3気筒に加え、リアに4気筒というツインエンジン構成で、トータル700馬力を発生する仕様だという。

一方の黒い方はジャイアーノ陣営の作で、こちらは外観から異様な雰囲気を放っている。なにしろ、フロントにはロングノーズに加えて50cmはありそうなアンダースポイラーが、サイドに回るとビス留めのオーバーフェンダーとサイドスポイラーが、またリアにはこれまた長くて広いトランクスポイラーが装着され、さらに2mはありそうな排気管が装着されている。いわゆる「タケヤリデッパ」の公道レーサーズタイルという、とてもメーカーの重役が提案するクルマとは思えない仕上がりだ。

しかもご丁寧に、内装はシャンデリアやアクリル製シフトノブがあしらわれ、さらにエンジンは、現在開発中の2Lユニットが縦置きされ、マニュアルトランスミッションを介して後輪駆動化されているという徹底ぶり。

両車とも市販化をまったく考えずに楽しく思い思いのカスタムを施したという印象で、まわりに集まった観客も笑顔で興味津々にのぞき込んでいた。

このように、祭りを盛り上げる派手な演出を行う中、この対決を企画した豊田章男氏と中嶋裕樹副社長の口から、この催しの裏にある計画の表明が行われ、詰めかけた来場者やメディア陣へ熱い想いが語られた。

この「カムリ」は、現在世界戦略モデルとして、北米を中心に高い人気を誇るベストセラーモデルのひとつ。以前は日本国内でも生産・販売されていた人気モデルで、今でもファンがいる。その「カムリ」を、右ハンドル仕様に変更したうえで、2026年の秋頃に向けて日本国内での販売を目指しているという。

この背景にはアメリカとの関税問題があり、その緩和・改善にひと役買えたらという意図が込められている。この計画によって、すべてのステークホルダー(関係する企業や人々)がウイナーになってくれたらいいと、豊田章男氏は想いを語って締めくくった。

対決ステージのすぐ隣には、アメリカの最高峰レース「NASCAR」に参戦している古賀琢麻選手のマシン(2024年版カムリ)も展示されていて、アメリカでのトヨタの取り組みをアピールしていた。

そして、そのまた隣には、「アメリカパーク」と題した、日本の各メーカーの北米生産モデルの展示が行われていたので、そちらも紹介していこう。

まずはトヨタの「TUNDRA(タンドラ)」。2026年の4月に日本国内での正式販売が発表されたばかりのフルサイズピックアップトラック。全長5930mmという堂々たるボディに、394psを発生させる3.5LのV6ツインターボエンジンを搭載する。

そして同じくトヨタの「HIGHLAMDER(ハイランダー)」。こちらもタンドラと同じく4月に日本への導入が発表されたモデルで、3列シートの7人乗りミッドサイズSUV。パワートレーンには2.5LハイブリッドにE-Fourを組み合わせ、多様な路面状況において安定した走行性能を発揮する。

SUBARUからは「ACENT(アセント)」を展示。こちらはSUBARUが北米の生産拠点スバル・オブ・インディアナ・オートモーティブで生産され、2018年より販売しているモデルで、全長4999×全幅1930×全高1819mmという、SUBARUのラインナップで最大のサイズを誇る3列シートの7人乗りモデル。

SGP(スバルグローバルプラットフォーム)をベースに、「アイサイト」や、最高出力264ps、最大トルク38.3kgf-mを発生させる2.4Lの水平対向4気筒ターボエンジン、シンメトリカルAWDシステム、4輪駆動制御の「X-MODE」など、スバル独自のコアテクノロジーを採用している。

発売時期はまだ明らかにされていないが、日本導入に向けて鋭意検討中だという。このサイズのスバル車を望むユーザーには朗報だろう。

日産からは「MURANO(ムラーノ)」が展示されていた。2027年初頭に導入が予定されている、アメリカ・テネシー工場生産のミドルサイズSUV。トータルで4代目となる現行モデルは2025年から北米で生産。約12年ぶりに日本へ再導入されることになる。

初代から継承されたアイコニックな意匠はリファインによって洗練され、244psを発生させる2L直4のVC(可変圧縮)ターボエンジンがもたらす高い走行性能にも期待値は高い。

ホンダは「PASPORT(パスポート)」を展示。

こちらは2027年に日本発売予定となっているミドルクラスSUV。全長 4864✕全幅2017mmと、国内のホンダのSUVでは最大のCR-Vよりひとまわり大きいラージクラスに近いサイズ。

グレードは、244psを発生する3.5L V6エンジンを搭載し、アウトドアスタイルを強めた「TRAILSPORT ELITE」を導入予定。

また、ホンダではもう1台の注目モデルを展示。1990年代~2000年代にホンダのスポーツモデルの代表格として人気を博した「インテグラ」が、実に19年ぶりに日本市場に復活予定と発表されている。その実車がお披露目されていた。

日本に導入されるのは320hpを発生する2Lターボエンジン+6速MTの高性能グレード「タイプS」。これが販売されると、日本で初めて「ACURA(アキュラ)」バッジを付けた正規販売されるモデルとなる。

日本導入モデルではないが番外編として、SUBARUが2025年の「ジャパンモビリティショー」に展示していた「1983 Subaru GL Family Huckster(ファミリー ハックスター)」も展示されていた。

これは、「スバルオブアメリカ」のモータースポーツ部門がプロデュースした車両で、ラリーカー製作を得意とする「バーモント・スポーツカー」によって2023年に製作された。「GL」というのは、北米市場での「レオーネ」の愛称で、この車両は1983年型の「レオーネ ワゴン(北米仕様)」がベースとなっている。

とは言ってもフレームはパイプで再構成され、足回りはレーシングスペックの専用品を使用。外装はCFRP製となっているため、ベース車両の部分は数えるくらいしか残されていない。

ただし、走りの根幹となるエンジンと駆動系は、SUBARUの象徴である水平対向ユニットにシンメトリカルAWDという組み合わせ。エンジンは2.3Lに排気量拡大されたEJ20型で、862psという大パワーを発生。レースで本気で勝ちに行く姿勢がひしひしと感じられるスペックとなっている。

実際に2024年の「Goodwood Festival of Speed(グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード/GWFoS)」のヒルクライムに出場し、「マクラーレン・ソーラスGT」に僅差で敗れるという好成績を収めている。このハックスターは、SUBARUが打ち出している3本柱のコンセプト「ADVENTURE」「PERFORMANCE」「HERITAGE」のうち「PERFORMANCE」と「HERITAGE」を体現、訴求するモデルとして、イベントなどでこうしてお披露目されている。

近々、大胆なドリフトパフォーマンスで人気の「HOONIGAN」のジムカーナシリーズでデビューする予定だという。

ちなみにこのレースでは、アメリカ車の代表として「フォード・マスタング」がST-USAクラスに参戦。その250号車を応援するため、65台以上のマスタングオーナーが全国から富士に集結し、「マスタング・パレードラン」が開催され、祭りの盛り上げにひと役買っていた。

[ アルバム : スーパー耐久2026富士Rd イベント広場 ~アメリカパーク~ の展示車両 はオリジナルサイトでご覧ください ]

文:Webモーターマガジン 功刀和幸(MotorMagazine編集部)
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