「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、プジョー 3008だ。
プジョー 3008(2010年)
207や308など、中央に「0」がついた3ケタ数字のモデル名でラインアップを展開するのは、いま(編集部註:2010年)から80年以上も前の1929年から続くプジョーの定番モデルではお約束のことだった。
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こうした定番モデルとは別に、「0」をダブルにした4ケタ数字の車名を与えられたモデルは、いわば「特別なクルマ」としてラインアップされるようになった。2004年に発売(日本では2006年に発売)された、両側スライドドアのユニークなコンパクトモデル、「1007」から始まり、いまでは定番モデルの隙間を埋めるように続々と登場している。
今回、日本に上陸した「3008」も、そんな1台だ。Cセグメント ハッチバックの308をベースに、全長は75mm、全幅は15mm、そして全高は120mmそれぞれ拡大されている、プジョーとしては初めてのSUVテイストのクロスオーバー ビークルという位置づけになる。
日本仕様の3008に搭載されるエンジンは、BMWと共同開発した1.6Lの直列4気筒DOHCターボ。最高出力は156ps、最大トルクは240Nmを発生。トランスミッションは6速ATが組み合わされる。クロスオーバーだから駆動方式は4WDかと思われるだろうが、308と同じ2WD(FF)を採用している。
日本仕様はプレミアム(税込み車両価格は339万円)とグリフ(同385万円)の2グレードが設定されているが、違いは快適装備の差で、パワートレーンなどのスペックは変わらない。今回は上級グレードのグリフに試乗してみた。
ダイナミックロールコントロールの効果は大きい
まずはドアを開けて乗りこんでみると、アイポイントが308と比べて101mmも高いので、見下ろし感が強い運転席からの眺めはミニバン風のもの。だが、ステアリングシャフトの傾斜角度は24.8度と308ハッチバックと同じ数値。したがって、308から乗り換えても運転姿勢に違和感がないのは面白いところだ。
さほど大きくはないボディながら、車両重量が1.5トン以上もあるので、さすがに「軽やかで力強く加速していく」というわけにはいかないが、フレキシブルなエンジンと、滑らかにシフトアップしていく6速ATのマッチングは良く、よどみなく滑らかに加速感してくれるのは、なかなか好感の持てるポイントだ。
SUVテイストのクルマらしくサスペンションのストロークはたっぷりと取られているが、コーナリング時は背の高いモデルにありがちな大きなロール感はない。グッと踏ん張ったまま走り抜けることができ、高い安心感を与えてくれた。これは左右ダンパーを油圧で連結し、減衰力を高める「ダイナミックロールコントロール」を標準採用した効果だろう。電子制御でなく、自然体でフラットライドを実現しているところが気持ち良い。
本国仕様では、路面状況によってトラクションを切り替えられる「グリップコントロール」も備えているのだが、日本仕様には設定されていないのは少し残念なところだ。
このプジョー 3008、昨年(編集部註:2009年)7月の発売以来、欧州では人気絶好調で、1日の生産台数を350台から630台に引き上げたくらいだという。扱いやすいボディサイズと実用性の高さで、日本でも人気モデルとなるのだろうか。今後に注目したいところだ。
■プジョー 3008 グリフ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4365×1835×1635mm
●ホイールベース:2615mm
●車両重量:1560kg
●エンジン種類:直4 DOHCターボ
●排気量:1598cc
●最高出力:115kW<156ps>/6000rpm
●最大トルク:240Nm<24.5kgm>/1400-3500rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:10.6km/L
●タイヤ:225/45R18
●当時の価格(税込み):385万円
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