現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > CX-60で盛り上がる「ロータリー」復活論。マツダファンの夢=RX後継モデル計画の現在地とは?

ここから本文です

CX-60で盛り上がる「ロータリー」復活論。マツダファンの夢=RX後継モデル計画の現在地とは?

掲載 143
CX-60で盛り上がる「ロータリー」復活論。マツダファンの夢=RX後継モデル計画の現在地とは?

「ロータリーエンジン」というのはマツダ独自の名称
ある自動車メーカーの独自のテクノロジーが、そのブランドシンボルとして認識されていることは少なくありません。なかでもマツダの「ロータリー」エンジンは代表格といえるのではないでしょうか。

日本の誇りともいえるロータリーエンジンですが、そもそも「ロータリー」というのはエンジン形式の名称ではないというのが業界の共通認識です。おむすび形状のローターを楕円運動させる内燃機関というのは、一般名詞としては「ヴァンケル」エンジンといいます。

>>マツダ CX-60のユーザーと専門家のレビューをチェックする

ロータリーという呼び名はあくまでもマツダ独自の呼び名で、それが一般名詞化しているほど認知されていることは、まさにマツダのシンボルとなっている証。そしてこの(マツダ製)ロータリーエンジンを「RE」と呼ぶのも、マツダファンの習わしなので、ここからは、REという表記を使いたいと思います。

REが作られなくなってはや10年が過ぎたが…
現在、マツダの新車ラインナップにRE搭載モデルはありません。最初は「コスモスポーツ」(1967年~1972年)に搭載されたREですが、「RX-8」(2003年~2012年)を最後に搭載車の新車販売は止まっています。

すでに10年が経っていますから、もはやREは失われた過去のテクノロジーと思いがちですが、REには時おり復活の噂が流れています。

>>マツダ RX-8(販売終了)の価格やスペック情報をチェックする

REはその特性から、横置きのFFプラットフォームで使われたケースは、マツダの量産車としてはありません。唯一の例外として「プレマシー ハイドロジェンREハイブリッド」という水素とガソリンの両方で動くREを発電用に搭載したハイブリッドモデルの実験車はありましたが、量産車としては基本的にFRモデルとなっています。

前述したコスモスポーツ、REスポーツカーの象徴といえるRX-7、そして最後のRE搭載車であるRX-8もすべてFRレイアウトでした。そのためRE復活にはFRプラットフォームが必須というのがファンの認識です。

>>マツダ プレマシー(販売終了)の価格やスペック情報をチェックする
>>マツダ RX-7(販売終了)の価格やスペック情報をチェックする

CX-60でロータリー復活論が再燃した理由とは?
もちろん、マツダは「ロードスター」というコンパクトなFRスポーツカー用のFRプラットフォームをもっているので、いつでもREを搭載したモデルを復活させる素地があるといえなくはありません。とはいえ、ここへ来てRE復活への期待が高まっているのは、マツダがラージ商品群と呼ぶ「CX-60」が登場したことが背景にあるのは間違いありません。

>>マツダCX-60の価格やスペック情報をチェックする

ご存知のように、CX-60をはじめとするラージ商品群は新設計のFRプラットフォームを採用しています。現時点ではSUVモデルだけの設定ですが、新開発FRアーキテクチャーと新世代REを組み合わせることで、新しいREスポーツカーを生み出すことができると期待する向きが多いのです。

その背景には、トヨタが中心に進める水素エンジンのトレンドもあります。

前述したプレマシー ハイドロジェンREハイブリッドは、水素を燃料に使うREを搭載していました。RE最大のウィークポイントは燃費性能の悪さです。カーボンニュートラルやCO2排出量削減が社会課題となっている時代に、かつてのようなREを甦らせることは非常に難しいといえますが、水素REであれば環境問題へ対応したエンジンとして受け入れられるという期待もあるわけです。

現実路線としてはMX-30 EVの発電用エンジンに期待
また、REはピストンの往復運動ではなく、ローターの楕円運動で作動する構造から振動が少ないという特性があります。マツダの量産EVである「MX-30 EVモデル」には、そのバリエーションとして発電用にREを積んだプラグインハイブリッド仕様を追加設定することが既定路線となっています。

発売時期については2022年度中が濃厚というのがもっぱらの噂です。RX-7やRX-8の後継モデルを求めているファンにとっては、発電用エンジンとしてのRE復活では肩透かしかもしれませんが、ともかくREはロストテクノロジーではありません。環境対応のエンジンとして、未来のあるテクノロジーとして期待されているのです。

>>マツダ MX-30 EVモデルの価格やスペック情報をチェックする

文:山本 晋也
写真:
1枚目:マツダ RX-8
2枚目:マツダ コスモスポーツ
3枚目:マツダ RX-7
4枚目:RX-8が搭載したREエンジン「レネシス」
5枚目:プレマシー ハイドロジェンREハイブリッド
6枚目:マツダ ロードスター
7枚目:マツダ CX-60
8枚目:マツダ MX-30 EVモデル
9枚目:東京モーターショー(2007)で展示された次世代レネシスエンジン
10枚目:レネシス水素ロータリーエンジン

こんな記事も読まれています

韓国勢が大健闘 合理的な「兄弟」モデル:ヒョンデ・コナ・エレクトリック キア・ニロ EV お手頃EV 12台比較(5)
韓国勢が大健闘 合理的な「兄弟」モデル:ヒョンデ・コナ・エレクトリック キア・ニロ EV お手頃EV 12台比較(5)
AUTOCAR JAPAN
安い? 高い? トヨタ新型「ランクル250」は520万円から!「無骨すぎて」カッコいい!? 原点回帰モデルに反響集まる
安い? 高い? トヨタ新型「ランクル250」は520万円から!「無骨すぎて」カッコいい!? 原点回帰モデルに反響集まる
乗りものニュース
【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第3回】温かい歓迎を受けた春の鈴鹿。悔やみきれないミスと、1ストップ戦略で得た自信
【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第3回】温かい歓迎を受けた春の鈴鹿。悔やみきれないミスと、1ストップ戦略で得た自信
AUTOSPORT web
レッドブルF1は2025年も現在のコンビを継続か。パフォーマンスを改善したペレスがシート争いをリード
レッドブルF1は2025年も現在のコンビを継続か。パフォーマンスを改善したペレスがシート争いをリード
AUTOSPORT web
初の中国GPに臨む角田裕毅。手強い週末を予想も「自信はある。Q3進出と入賞を狙いたい」/F1第5戦
初の中国GPに臨む角田裕毅。手強い週末を予想も「自信はある。Q3進出と入賞を狙いたい」/F1第5戦
AUTOSPORT web
ゴツすぎる新型「“軽”SUV」実車公開! ワイド化&オシャグレーがカッコイイ! まるで装甲車なスズキ「ハスラー」に反響も
ゴツすぎる新型「“軽”SUV」実車公開! ワイド化&オシャグレーがカッコイイ! まるで装甲車なスズキ「ハスラー」に反響も
くるまのニュース
日産 "武士の甲冑" デザインの新SUV公開 「キャシュカイ」改良新型、欧州で今夏発売へ
日産 "武士の甲冑" デザインの新SUV公開 「キャシュカイ」改良新型、欧州で今夏発売へ
AUTOCAR JAPAN
スズキ「カプチーノ」や「アルトワークス」が激走! 軽自動車だけで争う200分の戦い「東北660耐久レース」が開幕
スズキ「カプチーノ」や「アルトワークス」が激走! 軽自動車だけで争う200分の戦い「東北660耐久レース」が開幕
Auto Messe Web
「ガンディーニ追悼」に初の「アメリカンヘリテージ」の企画など大人が楽しむ「オートモビルカウンシル2024」閉幕。過去最高の3万9807人が来場しました
「ガンディーニ追悼」に初の「アメリカンヘリテージ」の企画など大人が楽しむ「オートモビルカウンシル2024」閉幕。過去最高の3万9807人が来場しました
Auto Messe Web
【殺人チャイルドシート】 違法チャイルドシート買った人に返金はある? アマゾンと楽天の対応は?
【殺人チャイルドシート】 違法チャイルドシート買った人に返金はある? アマゾンと楽天の対応は?
AUTOCAR JAPAN
高速SA・PAのNo.1「ハイウェイめし」決定! 「高級志向にしたくない」担当者の思い  1位のメニューは“ごはんノンストップ”!?
高速SA・PAのNo.1「ハイウェイめし」決定! 「高級志向にしたくない」担当者の思い 1位のメニューは“ごはんノンストップ”!?
乗りものニュース
海外ライターF1コラム:24戦の理不尽なカレンダーが招く問題。人材不足が深刻化、“根無し草感”で疲弊するドライバー
海外ライターF1コラム:24戦の理不尽なカレンダーが招く問題。人材不足が深刻化、“根無し草感”で疲弊するドライバー
AUTOSPORT web
スズキが「謎のクルマ」実車公開! めちゃゴツい“骨組み”に「Sマーク」装着! “強靭な構造”で未来を支える「新型ユニット」に期待!
スズキが「謎のクルマ」実車公開! めちゃゴツい“骨組み”に「Sマーク」装着! “強靭な構造”で未来を支える「新型ユニット」に期待!
くるまのニュース
マツダ、2024年スーパー耐久シリーズに3台で参戦
マツダ、2024年スーパー耐久シリーズに3台で参戦
レスポンス
マイチェンしたいすゞ・ギガが2024年問題の救世主に! 低床3軸でドライバーの負担も軽い
マイチェンしたいすゞ・ギガが2024年問題の救世主に! 低床3軸でドライバーの負担も軽い
WEB CARTOP
ポルシェ963最新ファクトリーの利点を語るロッテラー「ピット作業のスピードと精度が上がった」
ポルシェ963最新ファクトリーの利点を語るロッテラー「ピット作業のスピードと精度が上がった」
AUTOSPORT web
SPKがシミュレーター機材の研究施設「シミュレーターラボ」を開設 企業や行政、eスポーツイベントに場所提供も
SPKがシミュレーター機材の研究施設「シミュレーターラボ」を開設 企業や行政、eスポーツイベントに場所提供も
くるまのニュース
トヨタ ランドクルーザー250 をモデリスタがカスタム…都会派もアウトドア派も
トヨタ ランドクルーザー250 をモデリスタがカスタム…都会派もアウトドア派も
レスポンス

みんなのコメント

143件
  • マツダの過去中長期発表を見ても、ラージ群は直列エンジン+モーター用プラットフォームでロータリーの計画はない。ロータリーハイブリッドはスモール群の横置きプラットフォーム用だと何度も発表していると思うのだけれど。
  • ルーチェロータリーくーぺという横置きFFのクルマがありましたよ。
    記事にするなら、きちんと調べて欲しいし、コメント欄には悪意を感じるものも多いと思います。
    ちゃんとメンテナンスしていれば、10万キロくらいで壊れたりしませんよ。
    現在進行形でFDに乗っている者ですが。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

263.0325.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.8438.0万円

中古車を検索
RX-8の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

263.0325.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.8438.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村