現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 「最新モデル試乗」Sクラスの完成度を目指したフレッシュプレミアム、新型メルセデス・ベンツCクラス

ここから本文です

「最新モデル試乗」Sクラスの完成度を目指したフレッシュプレミアム、新型メルセデス・ベンツCクラス

掲載 18
「最新モデル試乗」Sクラスの完成度を目指したフレッシュプレミアム、新型メルセデス・ベンツCクラス

新型W206型は190E以来、最もSクラスに似たCクラス

 190Eをルーツに持つCクラスは、約40年間にわたってセグメントリーダーに君臨してきた。とくに従来モデルは好評を博し、日本でも販売台数10万台を達成した。SUV全盛の時代にあって憧れのセダン&ワゴンだったのだ。Cクラスとしては5世代目となる新型(W206型)は、高い人気を背景に従来イメージを継承。堅実かつ現代的なモデルチェンジを受けてデビューした。

まるで190クラスの再来! 「最善」を尽くした新型メルセデス・ベンツCクラスは乗って安心、満足感の高いクルマの代表である

 昨今の内燃機関を積んだロングセラーモデルが世代交代する際の要点は、電動化とデジタル化に集約される。新型Cクラスの場合、パワーユニットをマイルドハイブリッド(ISG)もしくはPHEVとすることで全グレードの電動化を達成。中でもPHEV(=C350e)は、EVとして最大100kmほど走る電動車。「これからの時代の最適解」となり得るモデルとして、発表直後から大いに話題をさらった。

 デジタル装備関連では、先行デビューしたフラッグシップのSクラスから多くを受け継いでいる。最新の運転支援システムはもちろん、片側130万画素のLEDヘッドライトやARナビゲーション、リアアクスルステアリングなどが、その代表例だ。
 内外装の基本デザインもSクラス譲り。最新メルセデス共通造形でまとめられた。新型は190E以来、最もSクラスに似たCクラスになった。デザインに加えて内容もSクラス譲りであるという点こそがW206型の凄みだ。

パワフルで力強い走り。さすがの完成度を誇る

 試乗車はC200アバンギャルドのAMGライン&リアアクスルステアリング装着車。パワーユニットは、新開発1.5リッター直4ターボ(M254型・204ps/300Nm)に15‌kW電気モーターを加えた48VのISGシステムを積む。ボディサイズは全長×全幅×全高4785×1820×1435mm。旧型と比べると全長は80mm長く、全幅は10mmワイド、全高は5mm高い。かつて「コンパクトメルセデス」と呼ばれたCクラスも立派になったものである。ただし、サイズは大きくなっても取り回し性が悪化していないのがメルセデス流。リアアクスルステアリング車の最小回転半径は5m。非装着車でも5.2mと旧型比で小回りが効く。車重こそやや増加しているが、より使い勝手がよくなったのは評価ポイントだ。

 走り出してすぐに力強さを実感した。旧型に比べて明らかに出足が鋭く、その後の常用域におけるトルクの厚みがはっきりと頼もしい。中間加速も鋭さが増しており、非常に扱いやすい。エンジンで20ps/20Nm、モーターで5kWパワフルになった効果は明白。比較のため旧型に乗り換えて、そのパフォーマンス差に驚いたほどだ。

 新型は、モーターをエンジンとミッションとの間に組み込んでいる。これにより一段と効率的にアシストできるようになった。しかもエンジン再始動時の振動は皆無。回生ブレーキやコースティングのスムーズさも見事だ。

高速時の安定性は兄貴分のEクラス同等。室内は全面刷新

 似合わないとは思いつつ、峠道を意識的に攻め込んでみた。スポーツ性が売り物のセダンでないにもかかわらず、ハンドリングは正確。足回りもよく動いており、安心して踏み込んでいける。懐が深く、簡単には破綻しない。高水準のシャシー性能は全域における安心感の源になっている。
 不満は常用域のブレーキフィール。軽く踏んで減速したい場合に思ったほど制動しないことがあった。制動能力自体は高いが、コツをつかむのがちょっと難しい。

 高速走行時の直進安定性は予想どおり素晴らしい。制御の細かいリアステアがよく効いている。安定感、安心感はほとんどEクラスレベル。ボディが少し大きくなった影響もあって、新型CクラスのライバルはひょっとしてEクラスではないか、と思ったほどだ。
 新型ではっきりと違うのはインテリアのデジタル化だ。デザインも機能もすべてがSクラスと同様のメルセデス最新技術でまとめられている。つまり世界トップクラスの新しさと機能が味わえる。

 新型C200の完成度は高い。だが、ドライブフィールそのものは熟成の進んだ旧型最後期モデルもなかなか優秀だった。それを思うと、「いまが乗り換えるタイミングで、車種はCクラスに決めている」というユーザーでない限り、あわててディーラーへ駆け込む必要はないかもしれない。トータルに判断して、新型Cクラスの本命は、PHEVのC350eだと思う。価格も納車時期も未定だが、待つだけの価値はある。C350eを見てから、どのCクラスにするかを決めるのも悪くない。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
AUTOSPORT web
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ベストカーWeb
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
AUTOSPORT web
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
ベストカーWeb
荒野にポツンと1軒のカフェ!?…25ドルでキャンプサイトを確保。オーストラリアはトレイルも何もかもナメてかかってはいけません!【豪州釣りキャンの旅_10】
荒野にポツンと1軒のカフェ!?…25ドルでキャンプサイトを確保。オーストラリアはトレイルも何もかもナメてかかってはいけません!【豪州釣りキャンの旅_10】
Auto Messe Web
ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
AUTOSPORT web
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
AUTOSPORT web
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
AUTOSPORT web
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
AUTOCAR JAPAN
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
Auto Messe Web
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
AUTOSPORT web
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
くるまのニュース
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
AUTOCAR JAPAN
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
Auto Messe Web
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
motorsport.com 日本版
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
motorsport.com 日本版
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
AUTOCAR JAPAN
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
AUTOSPORT web

みんなのコメント

18件
  • 高すぎて鼻血でるわ
    フルオプで650万にしようぜ
  • お決まりのベンツ・ベタ褒めだが、このタブレット貼り付けとキラキラ加飾の安手の内装、
    それでいて最安モデルの⒈5リッターのマイルドHVで乗り出し700万円超のナメきり価格設定、
    これらまったく批判すらしない日本の自動車メディアは終わってるな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2483.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

123.8963.8万円

中古車を検索
Sクラスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2483.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

123.8963.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村