■GRヤリスの価格で狙うイタリアン「スーパーカー」
かたや現代最強のラリーホモロゲカー、もう片方はフェラーリのエンジンを搭載する伝統のスーパーカー。同じ価格帯ならあなたはどちらを選びますか?
【画像】超カッコいい! これがトヨタ「GRヤリス」より安い “格安”「スーパーカー」です!(37枚)
WRC(世界ラリー選手権)を始め世界中のラリーシーンを席巻する、トヨタの最強コンパクト「GRヤリス」。1.6リッター直3ターボにハイテク4WDを搭載した最速ラリーウエポンは、性能だけではなく価格も破格です。
新車での販売価格は448.0万円~582.5万円。日本国内では、もはや高級車の部類に入ります。
その高性能ぶりは納得できるとしても、この金額なら他にも魅力的な車種があるのでは?
そう考える人も少なくないでしょう。そんなクルマ好きに、今回紹介するのはイタリアの高級ブランドであるマセラティの先代「グラントゥーリズモ」です。
グラントゥーリズモは、イタリアの高級車メーカーであるマセラティが製造する伝統のGT(グランツーリスモ)クーペ。2代目「ギブリ」の時代にノッチバック型だったボディ形状は、1998年に登場した「3200GT」から流麗なハッチバックスタイルへと変わります。
その後フェラーリ製ユニットを搭載した「クーペ/グランスポーツ」の時期を経て、2007年にグラントゥーリズモへと受け継がれています。
初代グラントゥーリズモの一番の特徴といえば、ロングノーズの下に収まるフェラーリ製のV8 NA(自然吸気)ユニット。
2代目となる現行モデルでは自社製のV6ターボへと変わってしまったため、当時の親会社だったフェラーリ製エンジンの咆哮が味わえるのは初代まで。その官能的なエキゾーストノートは、乗る者を虜にしてしまう魅力があります。
エンジンラインナップはノーマルグレードの4.2リッターと、スポーツモデルの4.7リッターの2種類が用意されました。それぞれ組み合わせられるトランスミッションの種類と、搭載位置までが変わる特徴的なラインナップでした。
4.2リッターは6速のトルコンATを通常のエンジン後方にマウント。対して4.7リッターは、シングルクラッチ式の6速セミATがリアの車軸側に置かれる、トランスアクスルを採用していました。なお4.7リッターには、のちに6速AT仕様も追加されています。
サイズは全長4885mm×全幅1915mm×全高1355mm、ホイールベースは2940mmと大柄なボディ。
しかし4.2リッターエンジンでも最高出力405ps/最大トルク460Nmを発揮するため、動力性能は十分以上です。スポーティな走りももちろん楽しめますが、真骨頂はロングツーリングで現れます。
乗り心地のいいセッティングは、その名の通り“GT”性能を堪能するためのもの。気持ちのいいエンジンサウンドを聴きながら、どこまでも走っていきたくなる感覚になるでしょう。
エンジンや走行性能だけではありません。マセラティらしい流麗なクーペスタイルと、ラグジュアリー感あふれるインテリアデザインも、グラントゥーリズモならではの魅力。ほかのクルマでは決して味わえない、官能的なイタリアンGTらしさが体験できます。
さて、今回グラントゥーリズモを紹介した一番の理由である中古車価格ですが、2025年12月現在での前・中・後期すべての世代の中古車平均相場は、およそ630万円ほど。
初期の新車販売価格が1500万円スタートとは思えないくらい下がっています。後期を除いた前期や中期のモデルであればさらに相場は下がり、比較的状態のいい個体でも400万円を下回る価格で販売されています。
もしこれからグラントゥーリズモを狙うのであれば、メンテナンス頻度の高いセミAT車ではなく普通のAT車のほうがトラブルは少なく済むでしょう。
エンジンは4.2リッターでも十分なパワー感を持っていますが、物足りなさを感じるならば中期以降の4.7リッター・AT車がオススメできます。個体数はそこまで多くはありませんので探す時間はかかるかもしれませんが、根気よく探すメリットは感じられるでしょう。
歴代最強のホモロゲマシンか、はたまた官能的なイタリアンGTか。同じ金額を払うとなると、じつに悩ましい選択です。もし後者を選ぶのであれば、なくならないうちに状態のいい個体をお求めください。(青山朋弘)
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修理や部品代が高過ぎて維持できないのが問題なのよ。