SUBARU車の人気が高まりをうけて『トミカ』化されるモデル急増の真相とは
1970年に発売開始以降、老若男女問わず人気を集めている『トミカ』。幼少の頃に出会ってクルマ好きに目覚めたという人も多いだろう。そんな『トミカ』では2000年前後を境にSUBARU車のラインアップを増やしているという。その理由を聞いてみた。
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現在、4種類のSUBARU車がラインアップされている『トミカ』。どのモデルも人気が高く、安定して長く売れるモノばかりだという。初のSUBARU車は軽自動車のスバルR2。それ以降、サンバー、スバル360と続くが、2001年にBH型レガシィ・ツーリングワゴンの登場まで、SUBARU車は3車種しかなかった。「トミカのラインアップは実車の販売台数には比例せず、街で見かけて印象的なクルマや憧れの強いクルマが多いのが特徴です。残念ながら当時のSUBARU車はお子さんが読むような本にもあまり出て来ないことから認知度が低く、商品化されなかったようです」とは、トミカ企画部 企画開発課の遠藤勇希さん。
SUBARU車の第1弾は、『トミカ』ブランドがスタートした当時、現役モデルだったR2だが、その後サブロクも発売されることになるが、『トミカ』では原則、過去のモデルを発売することはないという。
写真はリポーターである山本シンヤさんの私物で、1983年発売時のオリジナルで、しかもメイド・イン・ジャパン。その後、復刻モデルも発売されている。
そんな中SUBARUは、1989年に初代レガシィを発売。そのイメージは大きく変わったようだ。「初代、2代目と人気モデルとなったことでツーリングワゴン=レガシィというように認知度が高まったので、弊社としてもこれがチャンスと、2001年に商品化を行ないました」と、遠藤さん。軽自動車以外のSUBARU車として初めて『トミカ』となった3代目レガシィ・ツーリングワゴンに続き、2代目インプレッサWRXも登場。この2台はヒット作となり、『トミカ/SUBARU』の転換期となった。それに連れて、メーカーとの密接な関係も築かれていったという。「BP型レガシィはSUBARUさんからのご依頼で、キャンペーンの企画として先行開発したものが、後に市販用として商品化されました。つまり、『トミカ』の価値をSUBARUさんが高めてくれたわけです。その後、軽自動車のR1は個性的な形ということで商品化。3代目インプレッサWRX STIはハッチバックとセダン両方を商品化しました。4代目レガシィはセダンのB4、3代目フォレスター、BRZ、レヴォーグなどは実車の登場に合わせてラインアップしています」。
一方でグループR4仕様のWRX STIやレガシィB4のパトカーなど、変わり種モデルも展開。遠藤さん曰く「レガシィB4のパトカーは『トミカ』ショップ横浜店のオープン記念として商品化しました。ノーマルはNAですが、パトカーはターボなのでボンネットをダクト付きのものに変更済みと細部も抜かりありません」。また、覆面パトカー仕様は昔から人気で、ベースモデルの売れ行きを上まわることもあるとか。WRX S4にも覆面パトカー仕様がラインアップされている。
【残念!! すでに発売終了のSUBARU車『トミカ』】2001年にSUBARUの小型車として初めて『トミカ』化されたBHレガシィ以降、SUBARU車のラインアップは急激に増加。注目は、2003年のBP型レガシィで、それまでにはなかったドアミラーにチャレンジしているのだ(玩具の安全基準への適合のため以降のモデルには付いていない)。また最近の『トミカ』は初回特別仕様として特別色などが設定されることが多いが、2017年8月に登場したインプレッサは、通常モデルが4ドアのG4、初回特別仕様が5ドアのスポーツという設定だった。
【『トミカ』ショップなら今でもB4のパトカーが買える!!】東京/横浜/大阪の店舗に加え、インターネット店も用意される『トミカ』ショップでは、オリジナルモデルとしてBM型レガシィB4のパトカーが販売されている(648円・税抜)。同じくB4のパトカーが入った『SUBARU COLLECTION』が警視庁仕様なのに対し、こちらは神奈川県警仕様だ。
【いま買えるSUBARU車『トミカ』】2018年5月現在で購入できるのは下の4点(価格は各450円)。それ以外に、レガシィB4パトカー/WRX STI Type S(赤)/インプレッサWRX STI(GRB型/グループR4仕様)/BRZ(ガンメタ・前期型)の4台をセットにした『SUBARU COLLECTION』(2000円・税抜)もラインアップされている。
【BRZはマイチェン前後で作り替え】BRZ(トヨタ86)は、マイナーチェンジ前も後ともに『トミカ』化。金型も新規で起こされており、シャークフィンアンテナの有無や、バンパー、リアスポイラー、フェンダーガーニッシュの形状、ボディ色などが異なっている。
【『トミカ』ができるまで】
『トミカ』が商品化されるまでの流れはこうだ。(1)設計図を元にした樹脂のモックアップ。以前は原型師が木型で作っていたが、現在は業務用の3Dプリンターを使うようになり、開発スピードが向上したという(2)モックアップをもとに、試作品を製作(3)金型を製作し、形状や構造の精度を高めていく(4)塗装を行ない、色が塗りにくい部分のラインの深さを浅くするなど調整(5)細部の塗り分けなど、ディテールを仕上げていく(6)完成
【1980~1990年代は“はたらくクルマ”サンバーが人気!】スポーツカーがブームだった1980~1990年代、レオーネやアルシオーネといったSUBARU車は、残念ながら『トミカ』化されず……。そんななか、多くのモデルがリリースされたのがサンバー。最初のモデルは4代目サンバーの赤帽仕様で、以降、パン屋、牛乳屋、郵便車と続々と登場。新規格化した5代目はなく、2007年に最後のSUBARUオリジナルモデルとなった6代目ベースのパン屋が登場している。
“はたらくクルマ”といえば、富士重工製の13型Gボディを使った『セミデッカー(部分高床式)型バス』も発売されていた。
箱まで大事にするなら“マニア開け”!!『トミカ』の箱を開けるとき、内側の折り込み部分が引っ掛かってキレイに開かない! と困っている人は多いはず。そこでオススメなのが一部のファンから“マニア開け”と呼ばれる開け方。写真のように、隙間に定規(細身かつ薄いもの)を差し込んで、ゆっくりと上に引っ張るのだ。定規ではなくバターナイフを使う人もいるそう。ぜひお試しを!!
株式会社タカラトミーベーシック事業部トミカ企画部・遠藤勇希さん
担当の遠藤さんは、かつてBE5型レガシィを10年以上愛用。STIやプローバのパーツを装着してカスタマイズの魅力を知ったという。そして現在はWRX STI Aライン(GVF)に乗り換え、STIパーツをメインにカスタマイズも楽しんでいるというスバリストだ。
タカラトミー TEL0570-041031http://www.takaratomy.co.jp/products/tomica/
(TEXT:山本シンヤ)(編集:スバルマガジン編集部)
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