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3位表彰台獲得でGT300ランキング2位のTANAX GAINER GT-Rは次戦大草と塩津のコンビに

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3位表彰台獲得でGT300ランキング2位のTANAX GAINER GT-Rは次戦大草と塩津のコンビに

 9月18日、宮城県のスポーツランドSUGOで決勝レースが行われたスーパーGT第6戦。GT300クラスでは終盤までチームメイトのGAINER TANAX GT-Rと争い、3位でフィニッシュした富田竜一郎/大草りき組TANAX GAINER GT-Rが今回の結果でシリーズランキングで僅差の2位につけた。この勢いのままタイトル争いに挑みたいところだが、10月1~2日にオートポリスで開催される第7戦では、大草りきと第3ドライバーの塩津佑介のコンビで挑む“正念場”となる。

 93kgと重いサクセスウエイト、そして厳しい参加条件と苦しいレースウイークを迎えていたTANAX GAINER GT-Rは、それでも今季開幕から取り組んでいる攻めたセットアップ、ダンロップタイヤのパフォーマンスとともに、ドライバーたちが予選から好走。12番手につけ決勝レースを迎えた。

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 スタート直後こそドライだったものの、10周を過ぎようかというところで雨が降り出した今回のSUGOだが、GAINERの2台はスリックタイヤのままコース上にステイ。大草の力走が功を奏しドライバー交代が可能なタイミングまで引っ張ると、その後も路面が乾きだしたタイミングでいち早くピットインし、スリックに交換。富田が担当した終盤はGAINER TANAX GT-Rとのチームメイト同士で2~3番手を争い、最後は3位でフィニッシュした。

 この結果、TANAX GAINER GT-Rは42ポイントまで伸ばし、4位となったリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rの46ポイントと僅差の2位につけている。次戦オートポリスはサクセスウエイトも半減し、最終戦を前に重要なレースとなるが、このレースでは大草と、シーズン開幕前から第3ドライバーとして登録されていた塩津のコンビで挑むという。塩津はすでにレースを戦った経験はあるものの、第2ドライバーとしては初のレースとなる。

 実は第7戦にチームの大黒柱でもある富田が出場しないことは、シーズン前から決まっていたことなのだという。この週末、富田は渡欧し、バルセロナでのGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第10戦に挑むことになる。

「シーズンを始める段階で、GAINERさんには『オートポリスと、もしかすると開幕の岡山も出られないかもしれません』という話をさせていただき、『それでも良ければ契約を受けます』と話をしたんです。僕がいないときがあるので、第3ドライバーを手配し、帯同させてくださいという条件で契約しているんです」というのは富田。

 富田はヨーロッパへの挑戦を続けてきたが、「(欧州で所属する)WRTがアウディから離れ、BMWに加わるということ、また自分の今のポジションや生活を鑑みたときに『今年で海外の挑戦はいったん止めようか』と思っているんです。その最後のシーズンくらいはしっかり走り切りたいですし、今のWRTの33号車としてやり残したことがあるんです」という。

「だからスーパーGTでチャンピオン争いに絡んでいるから日本で……となるのは違うと思いますし、最初から筋道を立ててやってきたことを、欲をかいて急に変えて、良いことはないと思います。チームとも話して決めたことですし、その判断はチームオーナー、藤井一三監督も全員が理解してくれています。今回3位に入れたからといってひっくり返す気はまったくありません」

 また、富田にとっては不在にすることで、もうひとつ意図があるという。「大草りきというドライバーの独り立ちに向けても、ここで一度キツいことを味わうことは必要だと思っています」と富田は語った。

「今年学んだことをフル動員して、チームの支えを得ながら、塩津を引っ張っていくことができるかどうか。それができなかったとしても良い経験になるはずですし、他のチームにいったとしても、自分ひとりの力でできるように成長して欲しいです」

「自分としては、“やりたいこと”をちゃんとやる。ここで行かなかったことの方が後悔すると思いますしね。自分の人生を長い目で見たとき、正直これからもスーパーGTは続けていけるとは思いますが、海外はよほどのチャンスがなければ続けていけない。では最後にどちらをとるかといえば、今年は海外にプライオリティを置くと決めてすべて契約しているので、それをひっくり返す気はないということです。それはWRTにもGAINERにも失礼になってしまうと思います」

 第1ドライバーとしてチームを引っ張る立場になる大草にとっても、第2ドライバーとなる塩津にとっても第7戦オートポリスはプレッシャーがかかるレースとなるはずだが、「ふたりにはまず無傷で完走すればそれで100点だし、変な欲はみせない方がいいと言っています。大草くんにも良いところをみせようというのではなく、チームを信頼し、自分が何ができるのか判断して欲しいし、最終戦でふたりで優勝し、その結果で判断しようと言っています」と、これまで一年間、第7戦に向けて大草にさまざまなことを経験させてきたと富田は信頼を置く。

 非常に若いコンビで第7戦に挑むことになるTANAX GAINER GT-R。ふたりが富田から得たものをどう活かし、どう戦うか。第7戦オートポリスの注目の一台になりそうだ。

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