この記事をまとめると
■フェラーリにはかつて4ドアサルーンを生産する計画があった
「F1ドライバーでも雨では乗りたくない」「日本の公道で300km/h走行」! 伝説のフェラーリF40とは何モノだったのか?
■ピニンファリーナがデザインでかかわっていた
■当時フェラーリの親会社であったフィアットに生産計画を阻止されてしまった
幻の4ドアフェラーリがあった
現在のフェラーリのプロダクションモデルには、イタリア語で純血を意味する「プロサングエ」のネーミングが与えられた4ドアモデルが存在する。そのスタイルはいかにもSUVといった印象だが、それをSUVではなく4ドアスポーツカーを表現するのは、いかにもフェラーリらしい。
だがここで改めてフェラーリの歴史を振り返ってみると、それよりはるか以前に同社が4ドアモデルを誕生させようと計画した事実があることに気づく。ここで紹介するのはそのプロトタイプとして1980年にワンオフで生み出された、斬新なスタイルをもつモデルのストーリーだ。
そのプロトタイプをデザインしたのは、1930年にバッティスタ・”ピニン”・ファリーナによって創立されて以降、さまざまな自動車メーカーに、美しく高性能なボディーデザインを提案、実際にそれを製作することにも携わったピニンファリーナにほかならなかった。1951年にフェラーリが本社を構えるマラネロと、ピニンファリーナが拠点としていたトリノの中間に位置するトルトナという街で、バッティスタの息子であるセルジョ・ピニンファリーナからの提案によって行われた両社による会議で、エンツォ・フェラーリはその後のフェラーリ車のデザインを、ピニンファリーナへと委ねることに合意。
それはピニンファリーナがそれまでに残した実績と、彼らがもつさらなる可能性に期待した結果だった。ちなみにこの歴史的な会議をアレンジしたセルジョは、1961年には父バッティスタからその経営を受け継ぎ、ピニンファリーナの社長に就任する。
前で触れた1980年という年は、ピニンファリーナが創立50周年を迎えたアニバーサリー・イヤーだった。以前からそれを記念するモデルを製作することを考えていたピニンファリーナが計画したのが、フェラーリにとっては初の試みとなる4ドアサルーンをデザインすることで、そのプランには意外なことにエンツォ・フェラーリも好意的な反応を見せた。
当時のフェラーリは、すでにロードモデルに関してはフィアットの支配下にあり、エンツォには公用車として同社の最上級サルーンである「131」が与えられていた。それに大きな不満を抱いていたエンツォが、フェラーリから世界のライバルを超越する、より高級な4ドアサルーンを誕生させようとしたのは、まさに自然な成り行きでもあったのだ。
市販はされずも走行できる状態で現存
エンツォの承諾を得たピニンファリーナはさっそくそのデザインをスタートさせると、当初からの計画どおり1980年にその4ドアサルーンを披露する。それに掲げられていた車名は「ピニン」だった。
ピニンのデザインチームを率いることになったのは、かのレオナルド・フィオラバンティだった。彼が描いたボディーはきわめて斬新なシルエットで、AピラーとBピラーをブラックにペイントしてワイドなCピラーの存在を強調。クーペボディーのそれにも似たイメージを演出しているのが大きな特徴だ。
ボンネットラインは低くスムースに流れるが、それが実現された理由はエンジンルームのなかにあった。ピニンには上下方向にコンパクトなサイズをもつ、当時フェラーリが「512BB」に搭載していた180度V型12気筒エンジンのモックアップが収められていたのだ。キャビンもフィアット131とは比較にならないほどに高級な仕上がりで、エンツォはそれを生産化しようと考えるものの、結局その計画はフィアットによって拒否される。
1980年代中盤までピニンファリーナによって保管されていたピニンは、その後レーシングドライバー、あるいはチームオーナーとしても活躍したジャック・スワタースが経営する、ベルギーのガレージ・フランコルシャンへと売却される。さらに2008年にはオークションで新たなオーナーに落札されると、彼はそれを走行可能なモデルとすることを、かつてフェラーリのチーフエンジニアだったマウロ・フォルギエリが率いるオーラル・エンジニアリング社にリクエスト。約1年半の開発と製作の期間を経たあとに、ピニンは2010年に初走行する姿を披露したのだった。
搭載エンジンはもちろん512BBの180度V型12気筒。それに「400GT」用の5速MTとデファレンシャルを組み合わせるというのがパワートレインの概要となる。
はたして1980年代に、このピニンがプロダクションモデルとなっていたら、それにはカスタマーからどのような評価が下されただろうか。もちろんその誕生をもっとも喜んだのは、ほかならぬエンツォであることは確かなはずだ。
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みんなのコメント
仏のミッテラン、シラクはシトロエンC6だったか、ルノーのサフラン、ヴェルサティスだったか。
伊の80年代ったらランチア・テーマくらいしか思い浮かばないなぁ。
でもテーマの最高峰はあのV8だし、イタリアの高級セダンって、どれも強心臓なヤツばっかりで、
あまりジェントルなものが少ない気がする。