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【オジサンだから?】若者向けに開発された新型シビックを受け入れられないのは、心が硬くなっている証拠か!

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【オジサンだから?】若者向けに開発された新型シビックを受け入れられないのは、心が硬くなっている証拠か!

新型シビックのメインターゲットは20歳代の「Z世代」と言うけれど…。

先日、ホンダ・シビックに追加されたe:HEV(2.0L直噴エンジン+2モーターハイブリッド)に試乗する機会がありました。シビックといえば、2022年で50周年となる伝統のビッグネームですから、最新のシビックハイブリッドに乗ったというと興味を持つクルマ好きの方も多いようです。

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しかしながら、インプレッションの前段として、最新のシビックが全長4.5mを超え、全幅1.8mという立派なボディであることやハイブリッドの価格は400万円に迫る勢いであることを伝えると、それだけで「そんなの俺の知っているシビックじゃないね!」と急に興味を失う人も少なくありません。

そうなってしまうと、ハイレスポンスでトルクフルなモーター駆動の走りに、直噴ガソリンエンジンのビート感を組み合わせた、まさにハイブリッドのパワートレインを「シビック」という名前に期待するであろうスポーツテイストに仕上げているという走りの良さを伝えることなく、話が盛り下がってしまうのです。

オジサン世代が「俺の知っているシビックじゃない!」となるのは自然な反応。

新型となる11代目シビックについて「俺の知っているシビックじゃない!」という声は、感覚的には50歳代以上で急増する印象があります。それは仕方のない話です。
なぜなら現在のシビックはジェネレーションZ(1990年代半ばから2000年代前半生まれの若者世代)をグローバルでのメインターゲットとしているからです。
実際には50歳代にも売れているというシビックですが、基本的にはメインターゲット外のユーザーなのですから「俺の知っているシビック」でないという声は当然といえるのかもしれません。

そもそもシビックがミドルサイズにシフトしたのは17年も前のこと

おそらく50歳代から上のクルマ好きにとって印象深いシビックといえば、初めてVTECエンジンを積んだEF型(4代目)から最初にタイプRが設定されたEK型(6代目)といった頃のシビックではないでしょうか。この時代のシビックは、高回転エンジンを積んだホットハッチをイメージリーダーとしたベーシックカーでした。

4代目 EF型「グランドシビック」6代目 EK型「ミラクルシビック」しかし、8代目にフルモデルチェンジしたタイミングで、シビックはラインナップにおける立ち位置を変化させます。このときシビックは4ドアセダンとなり、車格としてもミドルカーへと成長したのです。ちなみに、8代目シビックといえばFD2型タイプRで知られている世代です。

8代目のFD型から日米向けは3ナンバーサイズの4ドアセダン、欧州はハッチバックと分化した。8代目 FD2型 タイプR2000年前後生まれのがZ世代が、子供の頃に見ていたシビックは4ドアセダンだった。

そんな8代目シビックの誕生は2005年、FD2型シビックタイプRの登場は2007年です。
前述したジェネレーションZが生まれたのは2000年前後。彼らが物心ついた頃の現行型シビックは、ミドルクラスの4ドアセダンの8代目シビックで、それが少年期に出会った最初のシビックというわけです。
50歳代にとってはミドルカークラスのシビックには違和感はあっても、ジェネレーションZにとってシビックはミドルカーであると認識していることが自然といえます。

シビックがミドルカーに成長してから17年間も経つのに、いまだにシビックはホットハッチを頂点とするベーシックカーと認識しているようでは、さすがに情報のアップデートができていないと感じずにはいられません。

実際問題、2001年に初代フィットが登場した段階で、ホンダのベーシックカーの座は禅譲されています。フィットのビジネス的な成功があったからこそシビックが成長できたともいえるでしょう。

全長4.5mを超え&全幅1.8mの立派なボディにハイブリッドの価格は400万円弱。というのも「シビック=ミドルクラス」という認識で育ったZ世代にとっては違和感のない数値ということになる。クルマの立ち位置が成長・変化するにはシビックに限った話ではない

このように名前はそのまま、車格だけ変わってしまう、ステップアップ方向にシフトしてしまうのはシビックに限った話ではありません。

シビックより長い歴史を誇る、日産スカイラインにしても、かつては5ナンバーサイズのファミリーユースを考慮したスポーツセダンといったキャラクターでしたが、21世紀になってからはグローバルなミドル級セダンの日本仕様といえるモデルとなっています。スポーティなモデルという部分は守っていますが、古くからのファンになればなるほど「俺の知っているスカイライン」ではないと感じていることでしょう。

5ナンバーサイズだった8代目のR32型スカイライン 4ドアスポーツセダン GTS-t Type M11代目 V35型スカイラインは国内での不人気に反して、海外ではインフィニティG35として高い人気を誇った。最近でいえば、オーソドックスな高級セダンの代名詞ともいえるトヨタ・クラウンが、クロスオーバー/セダン/スポーツ/エステートといった4つのバリエーションを揃えるモデルチェンジを発表したことが大きなインパクトのあるニュースとしてとらえられています。

世間の想像を超えてきたクラウンシリーズの大確変。「クラウン=オジサンセダン」というイメージは過去のものになるのか。クラウンという伝統あるブランドが、固有の車型に使われる名称から、シリーズを統括するファミリーネームになったというわけです。まさしく「クラウン維新」と表現できる大変革です。

クラウンという名前を引き継ぐ(残す)ために、これほどの変化が必要だったと理解できるか、それとも違和感から拒絶反応をしてしまうかは、アタマやココロの柔軟性におけるリトマス試験紙かもしれません。もちろん、リトマス試験紙でわかるのは酸性・中性・アルカリ性という特性の違いであって、どちらが優秀という話ではないわけです。

クルマの名前とポジショニングの変化を許容できるから優秀であり、拒絶してしまうのはダメだということでありません。あくまで趣味や特性の違いという話ですし、高齢者が無理に若返る必要はないでしょう。

それでも、世代による趣味性の違いがあるということを意識しておけば、誰かが受け入れているクルマについて「こんなの俺の知っている●●じゃない!」などと頭ごなしに否定してしまい、陰で「老害」と呼ばれることを避けられるかもしれません。

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