新車試乗レポート [2025.02.27 UP]
走りの「N」ここに有り! 【ヒョンデ アイオニック5 N】【九島辰也】
文●九島辰也 写真●内藤敬仁、ユニット・コンパス
ヒョンデ 「アイオニック 5」が進化!走行可能距離700km超、快適性もアップ【動画あり】
ヒョンデIONOC 5 N(アイオニック・ファイブ・エヌ)は、昨年12月に発表された2024-2025日本カーオブザイヤーで10ベストに選ばれたモデルだ。その2年前、スタンダードモデルのヒョンデ アイオニック5も同様に選出されている。その意味ではどちらも自動車ジャーナリストに高く評価されているクルマと言えるだろう。
「N」はヒョンデの高性能車サブブランド
ヒョンデ アイオニック5 N
その“N”が付いたモデルは何者かといえば、ヒョンデ アイオニック5のハイパフォーマンス版となる。メルセデス・ベンツに“AMG”、BMWに“M”があるように、ヒョンデにも“N”なる称号のモデルが用意されている。
その“N”というサブブランドは2015年のフランクフルトモーターショーで発表された。名前の由来は開発の拠点になっている韓国の南陽(ナムヤン)とテストに使うドイツのニュルブルクリンクの頭文字からきているそうだ。アイオニック5はBEV(電気自動車)専用車なので、アイオニック5 NはBEVのハイパーカーといったところだろう。
ではその概要だが、スタンダードモデルとの違いはいろいろある。パワーソースは高出力化され、足回りにも手が入った。最高出力はフロント175kW、リア303kWのシステム合計448kW(ブースト使用時478kW)。足回りは、N専用電子制御サスペンションを採用し、大容量の可変ダンパーにより挙動を安定させる。リア左右のタイヤの回転数を適正化するe-LSDを含め、この辺は走りに直接的に関係するシステムが採用されている。
バッテリーのプレコンディショニングもそのひとつ。事前にドラッグモードかトラックモードにセッティングしておくと、走行までにバッテリーを適切な温度に設定しておいてくれる。最高のパフォーマンスを引き出すために、各部がその状態を作り出すシステムだ。
ヒョンデ アイオニック5 N
この他に興味深いのは、ローンチコントロールやドリフト・オプティマイザー、それとレフトフットブレーキング。ドリフト・オプティマイザーはドリフト走行を可能にするシステムで、駆動力の配分を前後に最適化させると同時に、車両制御を鈍化させる。制御が入る前にリアが流れ出すといった感じだろう。以前、水をまいたエリアで定常旋回を試したことがあるが、いい感じでドリフトしてくれた。
レフトフットブレーキングはブレーキペダルとアクセルペダルを同時に踏むことを許すもの。左足ブレーキと考えれば腹落ちするはず。通常BEVはブレーキを優先するので、同時に踏むと速度を落とし停止状態に向かう。が、この機能はそうはさせないのがポイント。ガソリンエンジンのレーシングカーのように、ブレーキを残しながらコーナーへ入っていく芸当ができる。きっとサーキット走行で役立つに違いない。
サーキットで走らせれば電気自動車であることを忘れる
ヒョンデ アイオニック5 N
走らせた印象はというと、総合的にとてもよくできている。ベースとなるアイオニック5の走りもクオリティは高いが、それ以上の仕上がりだ。特にステアリングの正確性、応答性は走るのが気持ちよくなるくらい高い。これは高いボディ剛性と柔らかくセッティングされたサスペンションの賜物と言える。直線よりもコーナーが待ち遠しく思える仕上がりだ。
リアのスタビリティが高いのもポイント。高速域からのブレーキング、そこからのステアリング操作とアクセルの踏み込みに対し、姿勢を乱さないのはさすが。キャビンは常に安定していて、フラットライドが保たれる。
そんな走りと双璧の美点がバーチャルなエンジンサウンド。BEVではありえない仮想のエンジン音が走りをより楽しくする。アクセルを踏み込みスピードが上がると、レーシーなエキゾーストノートがガンガン耳に飛び込んでくるのだ。しかも、アバルト500eでは一定なサウンドが、このクルマはシフトアップまで演出される。ギアチェンジのタイミングを想定しサウンドが切り替わるからおもしろい。さらにいえば、ブリッピング音やバックファイア音も出る。もはやサーキットを何周かしているとBEVであることを忘れてしまうサウンド効果だ。
ヒョンデ アイオニック5 N
電気自動車の概念を覆すレーシーな仕上がり
ヒョンデ アイオニック5 N
というのがこのクルマの印象。ただこうした“音”に関するシステムは文章で説明するのではなく、リアルに体感して理解してもらいたい。想像以上にレーシーな仕上がりに感動するだろう。走りを含め、BEVの概念を覆すような仕掛けの多い一台である。
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