F1第7戦フランスGPの決勝レースがポール・リカール・サーキットで行なわれた。優勝したのはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンだった。
市街地サーキットでの連戦を経て、第7戦の舞台はポール・リカール・サーキット。4本のストレートや、様々なコーナーを備えた総合力が問われるコースだ。
予選ではレッドブル・ホンダのフェルスタッペンがポールポジションを獲得。メルセデスのルイス・ハミルトンがフロントロウに並んだ。角田裕毅(アルファタウリ)は予選Q1でクラッシュ。パーツを交換した影響でピットレーンからのスタートとなった。
F1の決勝レース前に行なわれたFIA F3のレースはウエットコンディションだったが、各車がレコノサンスラップに出る頃には雨も上がり路面もドライに。ただ気温25度、路面温度36度と予選よりも低いコンディションとなった。
グリッド上位10台はソフトタイヤを嫌い、全車がミディアムタイヤでQ2を突破。ソフトタイヤをスタート時に履くマシンはおらず、11番手エステバン・オコン(アルピーヌ)を筆頭に6台がハードタイヤを選択した。
53周のスタート、フェルスタッペンは良い蹴り出しを見せたが、ターン1で痛恨のオーバーラン。ハミルトンが首位に立った。フェルスタッペンは最小限のロスで切り抜け、2番手でコースに復帰。その他にクラッシュなど大きな混乱はなかったが、角田はハース勢やジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)を交わし17番手につけた。
ハミルトンとフェルスタッペンはファステストラップを叩き出し合いながらラップを重ねる。3番手のバルテリ・ボッタス(メルセデス)は離されずにこのふたりについていくが、セルジオ・ペレス(レッドブル)はジリジリと遅れていってしまった。
トップ3はタイヤのケアをしながらペースをコントロールする展開。10周をすぎる頃には後方でもタイヤに苦しむマシンが出始め、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)がマクラーレン勢に相次いで交わされ、10番手に後退した。
15周目、マクラーレン勢に追いつかれたシャルル・ルクレール(フェラーリ)がまずピットインし、ハードタイヤに交換。翌周には角田もピットへ入り、他のマシンもルーティーンのピット作業を行なっていく。
トップ3で最初にピットに動いたのはボッタス。17周を終えたところで、ピットレーンに飛び込んだ。フェルスタッペンもこれに反応し翌周にピットイン、ハードタイヤに履き替えボッタスの目の前でコースに復帰した。
さらに次の周にはハミルトンもピットに入った。しかしフェルスタッペンがアウトラップを好ペースで走り、ピット出口でハミルトンと横並び。ターン1でイン側をとったフェルスタッペンが、逆転することに成功した。
25周目にペレスがピットに入り、フェルスタッペンが首位に復帰。しばらくトップ3台が数珠つなぎ状態で走行していたが、ボッタスはハミルトンのDRS圏内から外れて後退。30周目に入る頃には、ハミルトンもフェルスタッペンから2秒ほど離れた位置を追走するようになった。
当初は1ストップ戦略をにらみ、ミディアムタイヤからハードタイヤ、ハードタイヤからミディアムタイヤへと交換していた各車だが、予想以上にデグラデーションが厳しく、レッドブルはこのままでは最後まで走れないと判断。32周を終えたところでフェルスタッペンをピットに呼び戻し、タイヤをミディアムタイヤへと交換した。
第5戦スペインGPでは、似たような状況でハミルトンの2ストップ戦略に敗れたフェルスタッペン。今度はその仕返しとばかりに、残り20周あまりで18秒ほどのギャップを追い上げにかかった。
1周2秒以上速いペースで追い上げを続けたフェルスタッペンは無線にトラブルを抱え、ピット側へと意思を伝えることが難しくなってしまったものの、猛チャージを続けると43周目にはボッタスのすぐ背後に接近。44周目のターン10への飛び込みで2番手に浮上した。
残り9周で、ハミルトンのリードは5秒弱だが、ボッタスがフェルスタッペンに抜かれた直後に自己ベストを更新して抵抗をみせる。フェルスタッペンもここでトラフィックに巻き込まれ、なかなか差を縮めることができない。
トラフィックを抜けたフェルスタッペンもペースを上げるが、残り5周で差は3.2秒。一方でボッタスにはペレスが迫り、ここでもメルセデス対レッドブルの戦いが繰り広げられた。ピットインを遅らせ、うまくハードタイヤを保たせていたペレスは49周目にボッタスをターン10でオーバーテイク。3番手に浮上した。
諦めずに追い上げたフェルスタッペンは、残り3周でハミルトンの1.5秒後方まで迫る。そして残り2周、獲物を完全に射程圏内に捉えると、ミストラル・ストレートでぴったりとスリップストリームに入り、ターン8でオーバーテイク。ついに猛烈な追い上げ劇を完成させた。
そのままトップチェッカーを受けたフェルスタッペンは、今季3勝目を記録。前戦アゼルバイジャンGPでのリタイア、そして第5戦スペインGPでの雪辱を果たす会心の勝利でチームとしての3連勝を持ち帰った。
ハミルトンは「これがベストだった」という2位。ペレスは見事メルセデスの一角を下し、3位表彰台を獲得した。
マクラーレンのランド・ノリス、ダニエル・リカルドがレースペースの良さを活かして5位、6位を獲得。母国のピエール・ガスリー(アルファタウリ)は各所でバトルを繰り広げ、7位でフィニッシュした。
8位以下フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、セバスチャン・ベッテル、ランス・ストロール(共にアストンマーチン)までがポイント獲得。アストンマーチン勢はハードタイヤスタートの戦略でうまく順位を上げた。
角田は13位でフィニッシュ。ピットレーンスタートから追い上げたが、ポイント獲得には届かなかった。
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みんなのコメント
ライバルチームとトップを競ってチーム全体で勝ち取った感が素晴らしい!
これぞモータースポーツと言う醍醐味を久しぶりに見た気がした!
それとスタートでハミルトンに抜かれた時のレッドブルピットのどんよりした沈黙と残り2周でハミルトンを抜いた時のピットの落差は笑えたけど。