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「GT500の洗礼を受けた」「ギリギリ道が足りなかった」「まだ予選が終わったばかり」悲喜交々のホンダ陣営の予選日と決勝への手応え

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「GT500の洗礼を受けた」「ギリギリ道が足りなかった」「まだ予選が終わったばかり」悲喜交々のホンダ陣営の予選日と決勝への手応え

 オートポリスで行われている2023スーパーGT第7戦『AUTOPOLIS GT300km RACE』。GT500クラスの予選では、16号車のARTA MUGEN NSX-GTを駆る福住仁嶺がコースレコードを更新する速さで、今季2度目のポールポジションを獲得したが、その一方、午前の公式練習では8号車のARTA MUGEN NSX-GTがクラッシュを喫するなど、ホンダ陣営内では悲喜交々の予選日になったようだ。

■「まだ予選が終わったばかり」 ARTA鈴木亜久里監督

低温路面で差が広がったGT500の予選タイム。まさかのQ1全落ちのニッサンZ勢の状況と決勝逆転の可能性

 シーズン前半は歯車が噛み合わないレースが続いていた印象のARTA陣営。それでも中盤に入ってからはライバルを圧倒する速さを見せ、ARTAとしては第5戦鈴鹿から3戦連続のポールポジションを獲得となった。

 特に今回の予選ではポールの16号車が2番手以下に対して0.5秒もの大差をつける快進撃に、鈴木亜久里監督も「16号車は速かったね!」と笑みをこぼしていた。

「勢いが良くなってきているし、エンジニアもクルマとタイヤのマッチングが分かってきているというのが大きい。持ち込みの状態からそこそこ良いからね。16号車は良い流れを持ってポールからスタートできるので、良いと思います」と鈴木監督。

 その一方で、前回の第6戦SUGOで今季初優勝を飾った8号車は公式練習の終盤に大湯都史樹がクラッシュを喫した。幸いエンジン本体へのダメージには至らなかったが、右フロントサスペンションをはじめフロント部分の破損がひどく、右側のドアも交換が必要なほど、高範囲での修理を余儀なくされた。

 16号車担当のメカニック数名も手伝い、チーム総出で作業を敢行。ちょうどGT300クラスのQ1B組が始まるころにエンジンがかかり、フロントボンネットが装着されるという、ギリギリのタイミングでQ1出走が叶った。それでも、アライメントの調整を行う時間がなく、マシンを直したままの状態で大湯がタイムアタックに臨むも、10番手でQ1敗退となった。

 この8号車の予選に関して鈴木監督は「修復が間に合っただけで、アライメントも取れていない状態だったので、仕方がないです」とキッパリ。明日の決勝レースで挽回のチャンスが残っていることもあり「まだ予選が終わったばかりで、大事なのは明日のレース。どうなるか分からないし、今回は長い距離なので『まだまだこれから』という感じです」と、冷静に捉えていた。

■「ギリギリ道が足りませんでした」 8号車ARTA MUGEN NSX-GT 大湯都史樹

 午前の専有走行では、区間タイムで全体ベストを記録する走りをみせていた8号車の大湯。セクター3の『さよりんブリッジ』を超えるところでバランスを崩してスピンを喫し、そのままタイヤバリアにクラッシュを喫した。

 その時の状況について大湯に聞くと「朝のクラッシュは……ミスですね」と、最初にひと言。どうやら車体が跳ねる症状に悩まされていたようで、「けっこう跳ねていたんですよね。それがタイミング悪く起きてしまいました。僕も(公式練習で)あまり周回を乗っていない状態から専有走行にいったので、そう(跳ねる症状が)出るとは思っていなかったところはありました」と状況を振り返った。

 厳密には上りセクションで右に回り込んでから左に切り返すコーナーから挙動の乱れが始まっていたとのこと。

「右から左に変わるところで、普通にミドルラインから立ち上がった時に(クルマが)跳ねて、外側の縁石の方まで行きました。そこで症状が治ってくれれば、ちゃんと曲がっていけたのですけど、振幅が収まらない感じで、ギリギリ道が足りず、スピンしてしまいました」と大湯。

 セクタータイムだけを見ると速さがありそうな雰囲気ではあったが、「16号車が良さそうというのは分かっていましたけど、ウチ(8号車)としては良くなくて、正直苦戦していました。みんながちゃんとタイムを出していたら微妙な順位だろうなという雰囲気がありました」と、8号車としての手応えも今ひとつだったようだ。

 とはいえ、明日の決勝レースでは挽回のチャンスが残っている。「明日は追い上がるしかないです。優勝するしかないですね」と、大湯は決意を固めていた。

■「GT500の洗礼を受けました」 100号車STANLEY NSX-GT 木村偉織

 前戦のSUGOで起きたアクシデントで、今シーズンの戦線離脱が決まった山本尚貴に代わり、木村偉織がSTANLEY NSX-GTに加わった。Q1は牧野任祐がホンダ勢トップとなる1分32秒038をマークして4番手通過を果たし、Q2担当の木村にとってはGT500初アタックとなった。

 木村がどういった走りを見せるのかに注目が集まったが、タイムはトップから3秒遅れの1分34秒464。8番手で初のGT500予選を終えることとなった。

「GT500の洗礼を受けた感じですね……。1コーナーでタイヤをロックさせてしまって、そこからうまく立て直せませんでした」と木村。事前にGT500車両での実走行経験もあまりなく、新品タイヤでの予選アタックも初めての経験で「公式練習で出していたタイムが1分34秒1で、そこから3秒も上がる世界というのも想像できなくて、そのままあっという間に終わってしまったという感じでした」と、肩を落としていた。

 木村は昨年GT300クラスで参戦した経験もあり、スーパーGTでのタイムアタックも初めてではない。ただ、GT500車両は勝手が違う部分が強かったようで、「GT300というかNSX GT3の時はABSもトラクションコントロールもついているので、そこまで細かく考えなくても走れますが、GT500は本当に繊細なクルマなので、そこの違いを公式練習からも掴みきれていなかったです」と振り返った。

 明日はGT500で初めての決勝に臨むが、「レースはGT300の処理が難しいなというのは今日の走行でも感じています。そこもどうなるのかは本当に分からないですが、ひとつひとつ経験を積んでいきたいです」と木村。「アクシデントとかが起きて自分が走れなくなると、一番経験を積める機会を失うので、それはやりたくないです。しっかりと最後まで走り切ることを意識していこうと思います」と意気込みを語った。

■「自分たちが思うようにいっていない」 17号車Astemo NSX-GT 塚越広大

 前回のSUGOでは鮮やかな逆転トップチェッカーを飾るも、レース後の再車検で失格となってしまったAstemo NSX-GT。今回の舞台となるオートポリスは昨年優勝しているコースであるほか、今季の450kmレースを見ると、17号車の粘り強さが随所に見られるため、決勝に向けても要注目の存在である。

 予選はQ2に進出し6番手となった17号車。この結果をどう見ているのか、塚越広大に聞いた。

「今日は走り出しから良い感触を得られなかったので、それを直そうとしていましたけど、うまく調整できなかったなという感じです。決勝は長いので、予選順位のことは気にしてはいないです。人より元気に走れるかが大切だと思うので、そこだけはもう少し良くしないといけないかなと思いますね」

 長距離のレースを想定したマシンのセットアップやタイヤ選びはできているという塚越だが「自分たちの思うようにはいけていないので、正直ちょっと苦戦しています。もう少し良い手応えを持って今日を終えられれば良かったですけど、もうちょっと改善しなきゃいけないなという状況です」と、現状では逆転優勝へのシナリオを描ききれていない様子だった。

 それでも、チャンピオン争いを考えると17号車としては絶対に負けられない1戦であることは間違いない。そこは塚越も強く意識している印象で「とにかく、ここでチャンピオン争いに残っていないといけないです。それこそ16号車に前に行かれるのも、チャンピオン争いとしては不味いので、とにかくトップで帰って来られるように決勝は頑張りたいです」と力強く語っていた。

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