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「人が見えないの?」歩行者いる横断歩道前で車がほぼ一時停止しない理由とは

■なぜ止まらない? 信号のない横断歩道で歩行者優先が形骸化する理由

 信号のない横断歩道で横断しようとする歩行者がいるにも関わらず、クルマやバイクが一時停止せず通過する様子を撮影した動画が、SNSで100万回を超える再生回数となり話題となっています。

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 このような場合、ドライバーは横断する歩行者を優先する義務がありますが、なぜルールを守らないドライバーが多く存在するのでしょうか。

 信号のない横断歩道を横断しようとしている歩行者がいるのに、クルマが歩行者を優先せずに走行することは法律で定められた違反行為です。

 道路交通法第38条では、「(前略)横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。」と、横断歩道における歩行者優先が定められています。

 しかし、実際には信号のない横断歩道で一時停止するドライバーは少数派となっています。

 JAFが2019年8月におこなった信号機の無い横断歩道における歩行者優先について実態調査によると、全国94か所で9730台を対象にした結果、歩行者が横断歩道を渡ろうとしている際に一時停止したクルマの割合はわずか17.1%(1660台)に留まりました。

 もっとも低かったのは三重県の3.4%となり、次いで青森県(4.4%)、京都府(5.0%)となりました。

 反対に一時停止率がもっとも高かったのは長野県の68.6%で、次いで静岡県(52.8%)、兵庫県(43.2%)という結果となっており、都道府県によって一時停止率は大きく異なることがわかります。

 ドライバーが一時停止しない理由はいったい何でしょうか。JAFが2017年6月におこなったアンケート調査では、「自車が停止しても対向車が停止せず危ないから」、「後続車がきておらず、自車が通り過ぎれば歩行者は渡れると思うから」、「横断歩道に歩行者がいても渡るかどうか判らないから」という回答が多かったとしています。

 また、一時停止せず実際に取り締まりを受けたドライバーはどのように言い訳するのでしょうか。警視庁の広報部に聞いたところ、次のように説明します。

「一時停止に関する取り締まりの際、違反者が横断歩道で止まらなかった理由(供述)として『急いでいた』や、『歩行者に気づかなかった』というものが挙げられていました」

※ ※ ※

 道路交通法第38条に違反をした場合は「横断歩行者等妨害等」とみなされ、違反点数2点、反則金は普通車で9000円、大型車で1万2000円、二輪車で7000円です。

 前出の警視庁広報部は「安全で快適な交通社会を実現するため、引き続き悪質性、危険性、及び迷惑性の高い交通違反に重点をおいた、交通事故抑止に資する指導、取り締まりを推進いたします」とコメントします。

■命の危険も! 乱横断すべきでない理由とは

 信号のない横断歩道で歩行者を優先しないドライバーが問題となる一方、道路の横断禁止の場所や横断歩道のない場所を無理に横断する乱横断も問題となっています。

 横断歩道で待っていてもクルマが止まらないのであれば、「横断歩道ではない場所でも構わず渡ってしまおう」と考える人がいてもおかしくありませんが、歩行者の横断ルールについては道路交通法12条(横断の方法)や同法13条(横断の禁止の場所)で定められており、乱横断は違反行為です。

 また、乱横断は歩行者自身が事故に巻き込まれるリスクも高く、非常に危険です。

 警察庁交通局が発表したデータによると、2018年に歩行者自身の違反行為があって歩行中に死亡した人は65歳以上の高齢者では512人、高齢者以外では238人でした。

 そのうち、横断歩道外の横断を含む「横断違反」で死亡した割合は、65歳以上の高齢者では33%(288人)、高齢者以外では16%(53人)にのぼるといいます。

 高齢者の場合、横断違反で死亡した割合は「信号無視(6%)」や「めいてい等(6%)」を大きく超えて、原因のトップとなっています。

 また、上記のデータは調査不能だった場合のケースは含まれておらず、実際にはさらに多い可能性もあります。

 乱横断自体に罰則はありませんが、避けるべき行為であることは変わりません。

※ ※ ※

 安全な交通社会を実現するためには、ドライバーと歩行者がともに交通ルールを遵守し、互いに配慮しあうことが必要といえるでしょう。

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