現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 新興ブランドEV花盛りの北京モーターショーの影でひっそり……オールドブランドの「アラカン向けセダン」もまた中国の自動車産業を支えていた

ここから本文です

新興ブランドEV花盛りの北京モーターショーの影でひっそり……オールドブランドの「アラカン向けセダン」もまた中国の自動車産業を支えていた

掲載 19
新興ブランドEV花盛りの北京モーターショーの影でひっそり……オールドブランドの「アラカン向けセダン」もまた中国の自動車産業を支えていた

 この記事をまとめると

■日本の自動車メーカーはかつて多ブランド化による車種展開を進めてきた

かつて専売車種を置き「多チャンネル化」していた新車ディーラーが「統合」された悲しい事情

■中国の自動車メーカーも多ブランド化を進めており多種多様な車種を展開中だ

■新進気鋭ブランドが増えていることもありオールドブランドの人気が下火傾向にある

 中国の自動車メーカーが多ブランドを展開

 中国国内で開催される自動車ショー会場へ取材に行くたびに見慣れない新興メーカーや、新しいブランドが存在していてとまどうことが多い。日本メーカーではトヨタがトヨタブランドのほかレクサスブランドを展開しているが、中国の主要メーカーではマルチブランドとして数多くのブランドを用意している。

 日本でもお馴染みのBYDオート(比亜迪汽車)では、日本ではBYDブランドとして単一ブランド展開しているが、中国では海洋、王朝、騰勢(デンザ)、方程豹(ファンチェンバオ)、仰望(ヤンワン)という5つのブランドを展開している。日本でラインアップされている車種を見ても、ATTO 3は王朝ブランド、そのほかは海洋ブランドとして中国では展開されている。

 日本ではバブル経済と呼ばれたころマツダがマツダ、ユーノス、オートザム、アンフィニというブランドを展開し、さらにフォード車およびフォードブランドのマツダからのOEM(相手先ブランド供給)車を扱うオートラマを含め、国内5チャンネル体制を敷いていたのによく似た動きといえるだろう。

 店を開けているだけで新車がガンガン売れた、そんな今では信じられないほど新車がよく売れたのがバブル経済のころの新車販売業界。そのようないい時代というか、まだまだ新車販売の伸びしろ(当時は初めてマイカーを手にする人も目立っていた)があるころには、目新しさも手伝って販売促進効果が高くなるため、これから市場を攻めようとするメーカーが多数のブランドを抱えることで、それだけ販売台数を簡単に増やすことができたのである。

 マツダ以外の多くのメーカーでも当時は、正規ディーラーについて複数の販売チャンネル(トヨタ、トヨペット、カローラ、ネッツのような)を用意し、それぞれに専売車種を設けて販売促進を行っていたが、中国のBYDでもブランドごとに販売店を設けているところをみると、日本がたどってきた道をある程度研究しての動きなのかもしれない。

 昔ながらのセダンが中国の自動車産業を支えている

 2005年に英国MGローバーが経営破綻した。MGローバー全体の所有権はBMWに移るのだが、MGブランドの知的財産権は南京汽車、ローバーのエンジンや車体設計などの知的財産権は上海汽車が取得した。しかしローバーという商標は取得していなかったので、ROEWE(ロエベ/栄威)というブランドを立ち上げ、取得したローバー75の生産設備を活かしてロエベ750を2006年より生産及び販売をスタートさせた。なおMGを取得した南京汽車はその後上海汽車に吸収合併されたことで、MGの商標や知的財産などは上海汽車が取得することとなった。

 気がつけばロエベブランドは誕生から20年が過ぎたことになる(MGはsince 1924を譲らない)。

 2026年4月24日から5月3日の会期で開催された第19回北京国際自動車展覧会(北京モーターショー)会場内を歩いていると、ちょうど筆者が中国の自動車ショーへ出かけはじめたころにデビューしたロエベも含む懐かしいブランドに巡り合うことができた。

 長安汽車のイードゥ(逸動)、奇瑞(チェリー)汽車のアリゾ(艾瑞澤)などである。いずれも中国でセダンが圧倒的に人気が高かったころにブランドが立ち上がっていることもあり、いまだにセダン、しかもICE(内燃機関)車メインでラインアップしているのである。

 しかも中国車のなかでは、ネオクラシカルとでも表現できる、オーソドックスなセダンスタイルのモデルも目立ち、来場者で混みあう会場内でもこれらのブランド展示車のまわりは訪れる人も少なかった。何がいいたいかというと、中国車のなかでもオールドブランドと新進気鋭ブランドにわかれるようになってきたのである。

 外資でもいち早く中国国内でサンタナの現地合弁生産をスタートさせたVW(フォルクスワーゲン)は、本国ドイツ以上に中国での売れ行きが長年にわたりよかったこともあり、オールドブランド化しているように見える。BEV(バッテリー電気自動車)のIDシリーズやクロスオーバーSUVのティグアンあたりはまだしも、セダン系では一汽VWのサジター(速騰)Lや、上海VWのラヴィーダ(朗逸)といったおなじみのセダンの展示車まわりは、ほかのVW展示車のまわりには人が多いのに、こちらには人がほとんどいないといった様子となっていた。

 VWブランド自体がオールドブランドとなるなか、中国の消費者の間では伝統的セダンともいえるこの2台はとくに古風なモデルとなっているようである。いままで挙げてきた車種の実車についてアラカン(もうすぐ還暦)を迎えるセダン大好きな筆者が見て、「なかなかいいねえ」と感じるのだから、古臭いオーラを発しているのは間違いないだろう。ただ日本より加速度的に少子高齢化が進む中国では当然ながら、運転免許所持者の高齢化も加速しているものと想像できるので、これらのモデルが縁の下の力もちとして各ブランド全体の販売台数を支えているのかもしれない。

文:WEB CARTOP 小林敦志
【キャンペーン】8月の毎週金・土・日はガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

マレーシアは地場メーカー強し! 輸入車ではトヨタに加えてEV以外も送り込む中国勢が目立つ
マレーシアは地場メーカー強し! 輸入車ではトヨタに加えてEV以外も送り込む中国勢が目立つ
WEB CARTOP
もはや電気自動車に「らしさ」は不要? 中国ブランドは「特別感のないデザイン」ばかりになっている
もはや電気自動車に「らしさ」は不要? 中国ブランドは「特別感のないデザイン」ばかりになっている
WEB CARTOP
傑作だらけの「いすゞ」乗用車のなかでもとくに人気! あまりにも美し過ぎる「117クーペ」の魅力
傑作だらけの「いすゞ」乗用車のなかでもとくに人気! あまりにも美し過ぎる「117クーペ」の魅力
WEB CARTOP
アメ車なんてアメリカ以外じゃ不人気……なんてのは日本人の勘違い! けっこうあるぞアメ車が売れてる国
アメ車なんてアメリカ以外じゃ不人気……なんてのは日本人の勘違い! けっこうあるぞアメ車が売れてる国
WEB CARTOP
日本で見かけないからって「失敗作」とかナメるなよ! 海外じゃバカ売れ大ヒットの日本車4台
日本で見かけないからって「失敗作」とかナメるなよ! 海外じゃバカ売れ大ヒットの日本車4台
WEB CARTOP
納得の操縦性と快適性。自動車普及を実現したフォードの技術が詰まったマスタング【F1参戦メーカーのフラッグシップモデル】
納得の操縦性と快適性。自動車普及を実現したフォードの技術が詰まったマスタング【F1参戦メーカーのフラッグシップモデル】
AUTOSPORT web
歴代カローラで一番デザインがいいのはどれ? デザインのプロは「ハチロク」の影に隠れた「5代目セダン」を選出!!
歴代カローラで一番デザインがいいのはどれ? デザインのプロは「ハチロク」の影に隠れた「5代目セダン」を選出!!
WEB CARTOP
85周年を迎えるジープを語る【九島辰也】
85周年を迎えるジープを語る【九島辰也】
グーネット
自動車関連メーカーってやっぱりスゴイ!! QRコードに新幹線のブレーキに美容機器まで作っていた!
自動車関連メーカーってやっぱりスゴイ!! QRコードに新幹線のブレーキに美容機器まで作っていた!
WEB CARTOP
「EV嫌いにこそ刺さります」 日本の軽EVは新たな主役になれるのか? 中国車12%の欧州で揺れる勢力図、その行方とは
「EV嫌いにこそ刺さります」 日本の軽EVは新たな主役になれるのか? 中国車12%の欧州で揺れる勢力図、その行方とは
Merkmal
ボルボの新型フラッグシップ「ES90」のデザインは10年前に誕生していた!? 「コンセプト40.2」と「ES90」の関係性
ボルボの新型フラッグシップ「ES90」のデザインは10年前に誕生していた!? 「コンセプト40.2」と「ES90」の関係性
WEB CARTOP
ミニ×ポール・スミスとか500e×アルマーニって普通に乗っちゃ恥ずかしい!? 乗り手のセンスも問われる「ハイブランドコラボ車」と「歴史に残るアパレルコラボ車」大全
ミニ×ポール・スミスとか500e×アルマーニって普通に乗っちゃ恥ずかしい!? 乗り手のセンスも問われる「ハイブランドコラボ車」と「歴史に残るアパレルコラボ車」大全
WEB CARTOP
さよなら伝説のV12エンジン メルセデスが正式にV型12気筒エンジンの生産中止を発表 米国、中東&中国では引き続き販売が継続される
さよなら伝説のV12エンジン メルセデスが正式にV型12気筒エンジンの生産中止を発表 米国、中東&中国では引き続き販売が継続される
AutoBild Japan
【新車販売台数分析】改良前なのにN-BOXはバカ売れ! 登録車は相変わらずトヨタ1強も日産キックスは好調な滑り出し
【新車販売台数分析】改良前なのにN-BOXはバカ売れ! 登録車は相変わらずトヨタ1強も日産キックスは好調な滑り出し
WEB CARTOP
今度の毒蛇は830馬力! 蘇ったシェルビー「スーパースネーク」は狂暴なスペック!!
今度の毒蛇は830馬力! 蘇ったシェルビー「スーパースネーク」は狂暴なスペック!!
WEB CARTOP
テスラが世界にその名を知らしめた「モデルS」! 今じゃEVなんて当たり前のようだがその功績を振り返ると偉大すぎる!!
テスラが世界にその名を知らしめた「モデルS」! 今じゃEVなんて当たり前のようだがその功績を振り返ると偉大すぎる!!
WEB CARTOP
やっぱり初代コルベットのオマージュか! 光岡の新モデルのティザーにアメ車ファンも光岡ファンも歓喜!!
やっぱり初代コルベットのオマージュか! 光岡の新モデルのティザーにアメ車ファンも光岡ファンも歓喜!!
WEB CARTOP
64年前、軽自動車の常識を大きく覆したクルマがあった。「軽自動車であることを我慢しない」「庶民が夢見られる本格的な乗用車」として誕生した【マツダ・キャロル】
64年前、軽自動車の常識を大きく覆したクルマがあった。「軽自動車であることを我慢しない」「庶民が夢見られる本格的な乗用車」として誕生した【マツダ・キャロル】
月刊自家用車WEB

みんなのコメント

19件
  • lov********
    大阪交通局が導入した中国製EVバス190台が安全上使い物にならず全車廃棄処分されましたね。
  • omi********
    ポエム?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村