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イタ車? それともアメ車!? 半世紀前の「パンテーラ」が米国オークションに登場 “サーキットの狼”世代には懐かしい デ・トマソのスーパーカーとは

掲載 更新 4
イタ車? それともアメ車!? 半世紀前の「パンテーラ」が米国オークションに登場 “サーキットの狼”世代には懐かしい デ・トマソのスーパーカーとは

装備と走行性能のポイント

 2025年4月25日、米国オンラインオークションでデ・トマソ「パンテーラ」Lの1973年式個体が落札されました。

【画像】「サーキットの狼」世代にはたまらない! 1973年式デ・トマソ「パンテーラ」を写真で見る(30枚)

 どのようなモデルなのでしょうか。

 イタリア・アメリカの協力で誕生したスーパースポーツ、パンテーラ。その開発は1969年に始まりました。

 技術面を率いたのはランボルギーニから移籍したジャンパオロ・ダラーラ氏で、ギアのトム・チャーダ氏が鋭利なウェッジシェイプを描いています。

 1971年に北米デビューした車両は、フォード製351立方インチV8をリアミッドに搭載し、およそ300psを発揮したと推定され、当時の市場に大きな衝撃を与えました。

 72年には快適装備を強化した「L(ラグジュアリー)」が加わり、衝撃吸収バンパーが装着されますが、厳格化する排ガス規制の影響で販売台数は縮小。

 73年式は改良の成熟度と初期設計の魅力が交差する過渡期に位置づけられ、現在コレクターから高い注目を集めています。

 そして、今回落札された73年式のパンテラ Lは、フォード幹部が新車時に1年間使用したのち、カリフォルニアで30年以上保管されてきました。

 2005年に事故を受けシェルまで分解され、一度、2018年に現オーナーがボディを入手。

 専用ジグでシャシを矯正し補強材を追加したうえで、下面をベッドライナーで保護する徹底ぶりです。外装は21年にメタリックブルーへ再塗装され、US仕様バンパーに代わりグラスファイバー製ユーロスタイルバンパーとクワッドヘッドライトを搭載。

 ブラックで統一した外装トリムと新調ウェザーストリップが鮮青の発色を際立たせました。船首や後輪後方に小さなロックチップが残るものの、全体の仕上がりは高水準です。

 足まわりにはRidetech製調整式コイルオーバーを採用し、Forgestar F14ホイールを装着。

 リムサイズは前17×9インチ、後18×11インチで、ブリヂストンPotenza RE-71RSタイヤ(前245/40、後295/35)が組み合わされています。

 制動系はWilwood製6ピストンキャリパーと2ピーススロットローターを四輪に配置。プロジェクト中にコーナーウェイトを測定しており、2025年2月に装着されたタイヤはまだ新鮮です。

最新の5リッターV8に換装

 インテリアは黒布張りRecaroバケットシートを中心に、ビニールで統一したダッシュとコンソールがカラーコーディネートされています。

 MOMOコンペティションステアリングの奥にはSpeedhut製200mphスピードメーターと1万rpmタコメーター、中央にはデジタルダッシュを配置し、補助計器が水温や油圧を監視します。

 Infinitybox配線とDakota Digital制御のヴィンテージエアで快適性を高め、ケンウッド製ヘッドユニットはリアビューカメラとドア内スピーカーに接続。

 パワーウィンドウやワイヤレスフォブ付きセキュリティ、3点式シートベルトも備わり、完成後の走行距離は2600マイル(4184km)にとどまります。

 心臓部は2019年に換装された第1世代5リッターのコヨーテV8です。

 アフターマーケットピストンとコンロッド、強化カムシャフト、Haltechエンジンマネジメント、カスタムステンレスエキゾーストが組み合わされ、サテンブラックで整えたエンジンベイにはアルミラジエーターとデュアル電動ファンを追加。

 動力はZF製5速マニュアルトランスアクスルとCVアクスルを介して後輪へ伝達され、トランスアクスルオイルは2024年3月、エンジンオイルは2025年1月に交換済みです。

 落札額は14万4000ドル、日本円で約2070万円となりました。純正度を重視する同世代の車両より高値ながら、フレームオフ修復と近代化改装、低走行距離、そしてビルド工程の詳細記録と動画が信頼性を高め、評価を押し上げたと考えられます。

※ ※ ※

 半世紀前に伊米融合の象徴として誕生したパンテーラが、最新の5リッターV8と現代電装によって再び路上へ舞い戻りました。

 往年のモノコックと新世代パワートレインが溶け合った鮮青のボディは、落札額に見合う価値を示し、旧車と現行車の境界を超える魅力を放っています。

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みんなのコメント

4件
  • ごうまえのり
    163センチの自分でも狭いです。イメージ的ににも現実的にも大柄な外国人が何故これを、この作りをと思った事を覚えています。フルサイズのバンでもフロント側だけとても狭かったりします。ただピタッとハマると何でも手の届く配置だったりもします。
  • xqx********
    かなり変えてるようだけどシンプルなレイアウトは魅力的。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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