ポルシェ964ターボは“3.3”でもコレクターズアイテムに昇格?
2025年5月3日、名門ボナムズ・オークション社が「FIマイアミGP」に付随するかたちで開催したオフィシャルオークション「THE MIAMI AUCTION 2025」。そこに出品されたのが1991年式964シリーズのポルシェ「911ターボ」。とくに、特別なカラーリングがマーケット評価に大きな影響を与ええつつある、現在の市況を浮き彫りにする出品となったようです。
ポルシェ最後の空冷「911 ターボ GT2R」がオークションに登場!生産台数43台のレアモデルが1億円安くても流札した理由
“未亡人製造機”と呼ばれた930ターボから大幅に洗練された964ターボ
ポルシェ911という稀代のモデルにとって大きな前進となったコードネーム「964」、新型「カレラ4」と「カレラ2」は、1989年半ばに発表された。
おなじみの911のプロフィールはそのままに、964はより滑らかで一体感のあるバンパー、新デザインのドアミラー、そして微妙なエアロダイナミクスの調整によって近代化されていた。
ポルシェは、伝説のスーパーカー「959」でトルクスプリット式4輪駆動の実験を行い、このプロジェクトから学んだ多くの教訓が964のシャシーとサスペンションのデザインに影響を与えた。911では初となるパワーアシスト付きステアリング、アンチロックブレーキが標準装備されたのも、偉大なる959の実験で得られた成果といえるだろう。そして自然吸気版「カレラ2/カレラ4」には、新設計の3.6L・250psのフラット6エンジンが搭載された。
いっぽうRR駆動が930時代から維持された「ターボ」は、既存の3.3Lボクサー6ユニットを維持したまま、ターボチャージャーのリニューアルなどで大幅に改良され、320psの最高出力をマークすることになる。
ホエールテールを採用した964ターボ
この新生964ターボは、大きくフレアしたリアフェンダーと、巨大なインタークーラーをクリアするために必要とされた「ホエールテール(クジラの尾)」のようなリアスポイラーにより、964ターボは伝説的な930ターボの直系であることがわかる。
トレーリングアーム+コイルオーバー式ダンパーによってリアサスペンションを改良。大幅にスタビリティを向上させた964ターボは、エンジンの改良によりさらなる爆発的なパフォーマンスを発揮していていながらも、旧型930ターボ時代の「ウイドウメーカー(Widowmaker未亡人製造機)」という評判をいくらか和らげていた。
この「ターボ3.3」と、のちの「3.6ターボ」はごく限られた台数しか生産されなかった。先進的なAWDシステムを投入された「993ターボ」に取って代わられる前に、ワイルドな(ボナムズのカタログ内では「胸毛が生えた」と表現されている!)ポルシェ911ターボが最終的かつ究極的に洗練されたモデルとして生まれ変わった……。という事実は覆せるものではなく、とくに昨今のエンスージアストの間では、コレクターズアイテムとして重要視されているのだ。
世界でわずか6台のみ!ルビーストーンレッドの964ターボの市場評価はいかに?
このほどボナムズ「THE MIAMI AUCTION 2025」に出品された1991年式「964」ターボ3.3は、ボナムズの公式カタログ曰く
「ポルシェのワイドボディのアイコンのなかでも極めて保存状態の良い1台」
と主張されていた。
壮観にして希少な「ルビーストーンレッド(コードG4)」に身を包み、ブラックレザー張りのインテリアが組み合わされたこの個体は、ドイツ国内マーケットに新車として納車された。ラインオフから34年後、今回のオークション公式カタログ作成時の走行距離は5万9645km(約3万7000マイル)とのことである。
この派手なオプションカラーのルビーストーンレッドで製作された911ターボはわずか6台。そのうちの1台であることが確認されている。それにくわえて、ヒーター付き電動パワーシートやパワーウインドウ、電動サンルーフ、インパクトバンパー、リミテッドスリップデフなどのオプション装備も充実。オリジナルのブラウプンクト社製「Symphony LMKUカセットステレオ」も残されている。
また、純正17インチ「カップ」スタイルホイールが装着され、ブリヂストン「エクスペディア」タイヤとともに、巨大なホイールアーチに収められたオリジナル仕様のまま保存されているとのこと。したがって、実際に走行させる前にタイヤの換装が必須となるのは、やむを得ないところである
それでも、内外装/メカニズムとも非常に整然としたコンディションにあり、足まわりを含む包括的なディテールの恩恵を受けて、間違いなく「コレクタークオリティ」の1台となっている。そのコンディションとクォリティは、正規のスタンプが押された純正サービスブックとポルシェ・クラシック発行の「CoA(Certificate of Authenticity:正統証明書)」によって裏付けられ、このオークション出品にあたっては純正マニュアル、タイヤインフレーター、補助書類も添付されることになっていた。
「ルビーストーンレッド」が推定落札価格を引き上げてしまった?
ボナムズ・オークション社では、今回のオークション出品に際して
「クラシカルなターボパンチと常識的に調整されたシャシーを持つ964ターボ3.3は、レイトモデルのポルシェ・コレクターの間で高い評価を得ています。その卓越したオールラウンドな使い勝手を考慮すると、このような保存状態が良く、オプションが充実した車両はますます希少になっています」
と謳うともに、40万ドル~50万ドル(邦貨換算約5800万円~約7250万円)という、なかなか自信ありげなエスティメート(推定落札価格)を設定していた。
ところが、マイアミGPコースの「マイアミ国際サーキット(Miami International Autodrome)」内の特設会場で行われた競売では、出品者サイドが設定したリザーヴ(最低落札価格)には及ばなかったようで、残念ながら流札。現在でも競売前のエスティメートを提示したまま、継続販売となっているようだ。
それでも、このエスティメートを掲げて販売されたことは、その後も964ターボ3.3の相場感に一定の影響を及ぼすことは明らかともいえる。
964ターボ後期型にあたる「3.6」は、もとよりその圧倒的な希少性ゆえに、国際市場ではすでに1億円超えの販売実績も見られるが、そのかたわら、これまでは比較的リーズナブルだったはずの前期「3.3」も、かねてからの3.6人気に引っ張られるようなかたちでジリジリと価格を上昇させている。
まして今回のオークション出品車は、この時代の964系911を象徴するアイコニックなカラーながら、その強烈な個性ゆえに超希少色となった「ルビーストーンレッド」がエスティメートを引き上げてしまった最大の理由とみて、間違いないと思われるのだ。
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みんなのコメント
当時 良くこんな色買ったな〜と感心してたもんですが
ターボが6台しか生産されてないというのは驚きです。