ついに復活した三菱パジェロ。ラダーフレームにリジッド式リアサスという本格派で、真っ向からぶつかるのがランドクルーザー250だ。筆者はランクル250オーナーだが、新型パジェロを見れば「これは羨ましい!」と思うところも少なくない。両車の違いをオーナー目線でじっくり比較してみよう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、三菱
【画像ギャラリー】ランクル250と新型パジェロはどこが違う?写真でチェック!(4枚)
サイズもメカも驚くほど近い! 新型パジェロとランクル250を徹底比較
2026年9月2日、三菱自動車が世界初披露した新型パジェロ。日本では2019年に国内向けモデルの販売を終了して以来、実に7年ぶりの復活となる。
その姿を見てまず思ったのが、「これ、ランクル250と完全にガチンコじゃないか!」ということだ。
まず新型パジェロのボディサイズは全長4920×全幅1925×全高1910mm、ホイールベース2870mm。対するランクル250のZXは全長4925×全幅1980×全高1935mm、ホイールベース2850mmである。
つまりパジェロはランクル250に対して全長が5mm短く、全幅は55mm狭く、全高も25mm低い。一方、ホイールベースはパジェロのほうが20mm長い。
ランクル250オーナーとして特に気になるのは全幅だ。
ランクル250に乗っていると、1980mmという車幅は狭い住宅街や駐車場でやはり気を使う。パジェロも1925mmだから決して小さくはないものの、この55mmの差は日常では意外とありがたいはずだ。
さらに最小回転半径はランクル250の6.0mに対してパジェロは5.8m。全長約4.9m級の本格クロカンとして、取り回しにもかなり気を配っている。
最低地上高はパジェロが230mm、ランクル250のZXが225mm。パジェロのアプローチアングルは30.4度、ランプブレークオーバーアングル22.6度、デパーチャーアングル25.8度と、本格クロカンらしい数値を確保する。
ランクル250オーナーからすると「ランクルよりちょっとスリムで、小回りも利く」というのは、正直かなり羨ましいポイントである。
新型パジェロのボンネットを見ると両脇が盛り上がっていてランクル250とよく似ている。250はたしかにデカいがこのボンネット形状のおかげで見切りがいいので、サイズの割には運転しやすいから、きっと新型パジェロも見切りはいいだろう。
ラダーフレームにリジッドサスは同じ、ディーゼルエンジンの性能はどちらが上?
メカニズムを比べると、両車のキャラクターがさらに似ていることがわかる。
新型パジェロはトライトンで培った技術をベースに改良した高剛性ラダーフレームを採用。フロントサスペンションはダブルウィッシュボーン式独立懸架、リアには新開発の5リンク式リジッドサスペンションを採用する。
対するランクル250もGA-Fプラットフォームによるラダーフレームを採用し、フロントはダブルウィッシュボーン式、リアはトレーリングリンク車軸式。つまり両車とも、本格オフローダーの王道ともいえる構成なのだ。
ディーゼルエンジンも興味深い。新型パジェロは専用開発された2.4L直4ディーゼルターボを搭載し、最高出力150kW(204ps)/3500rpm、最大トルク480Nm/1750~2500rpmを発生。これに新開発のスポーツモード付き8速ATを組み合わせる。
一方、ランクル250は2.7L直4ガソリンのほか、2.8L直4ターボディーゼルの2種類。このディーゼルの最高出力は150kW(204ps)、最大トルクは500Nm/1600~2800rpmを発生し、Direct Shift-8ATを組み合わせる。
最高出力は204psで互角。最大トルクではランクル250が20Nm上回るため、少なくとも公表されているエンジンスペックだけを比較すればランクル250が一歩リードする。
ただしパジェロにはスーパーセレクト4WD-II(SS4-II)に加えて、パジェロとして初めてS-AWCが採用された点が大きい。
2H、4H、4HLc、4LLcを使い分けることができ、S-AWCによって四輪の駆動力や制動力を統合制御する。
もちろん、ランクル250の4WDはセンターデフロックやトランスファースイッチによる切り替え、マルチテレインセレクトやクロールコントロールを備えた、世界でも定評のある4WDシステムだ。
「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」というランドクルーザーの伝統を磨き上げたクルマなら、新型パジェロは優れた悪路走破性に加えて「意のままに操る」という三菱らしい4WD制御を前面に押し出した印象だ。
どちらの走破性が上なのかは、実車を同じ条件で走らせてみなければ結論は出せない。しかしS-AWCまで組み合わせてきた新型パジェロには、ランクル250とはひと味違った走りの面白さを期待してしまう。う~ん、オフロードコースで乗る比べたいゾ!
ランクル250オーナーが「羨ましい!」と感じるのは豪華内装と充実装備
筆者がランクル250オーナーとして最も「いいなあ……」と思ったのがインテリアである。
ランクル250の内装は水平基調で機能性を重視しており、いかにもランドクルーザーらしい。決して質感がよくないわけではないのだが、車両価格を考えると「もうちょっと華やかさがあってもいいのでは?」と思うところもある。
そこへ現れたのが新型パジェロである。
新型パジェロには14.3インチの大型ディスプレイを2枚配置したモノリスディスプレイを採用。一部仕様には12.3インチも設定される。
しかも歴代パジェロでお馴染みだった高度計、方位計などの「3連メーター」を現代風のマルチメーターとして復活させた。高度、方位、温度だけでなく、車体の前後左右の傾きやAYC制御量なども表示できる。
これはズルい! 往年のパジェロファンだけでなく、メカ好きには刺さる装備である。
さらに前後ドアガラスにも遮音ガラスを採用するなど、静粛性にも力を入れている。
ランクル250はあえて華美になりすぎず、道具感を残したインテリアが魅力でもある。しかし巨大なディスプレイや表示機能、上質感を前面に押し出した新型パジェロを見ると、「ランクル250にもこれがあったらなあ」と思ってしまう。
しかも空調やハザードなど、走行中によく操作する機能には物理スイッチを残している。このあたりも実際に使うクルマとしてポイントが高い。
新型パジェロの価格は正式発表前! 2026年末登場予定の改良型ランクル250ディーゼルとガチンコか?
そして最後に気になるのが価格である。ここで注意したいのが、2026年のランクル250の一部改良だ。
ランクル250は2026年4月3日に一部改良モデルが発売されたが、この時点で対象となったのは2.7Lガソリンエンジンを搭載するVXのみ。価格は577万9400円となった一方、パジェロと直接競合する2.8Lディーゼル車については2026年12月以降の対応が予定されており、本稿執筆時点では一部改良モデルの正式な価格は発表されていない。
参考までに2024年4月発売時のランクル250ディーゼル車の価格は、GXが520万円、VXが630万円、ZXが735万円だった。ただし、これはあくまで2024年発売時の価格であり、2026年末以降に登場する一部改良モデルの価格ではないことには注意したい。
2026年4月に改良されたガソリンVXが従来の545万円から577万9400円へ32万9400円アップしていることを考えれば、ディーゼル車についても一部改良時の価格がどうなるのかは大いに気になるところだ。
一方、新型パジェロについても、日本仕様の正式価格は現時点では発表されていない。
つまり2026年9月現在、新型パジェロと一部改良後のランクル250ディーゼル車は、どちらも最終的な価格がまだ見えていない状況なのだ。
ランクル250にはランドクルーザーが長年積み上げてきた圧倒的な信頼性、耐久性、悪路走破性とブランド力がある。
いっぽう新型パジェロには、ランクル250より55mm狭いボディ、5.8mの最小回転半径、スーパーセレクト4WD-IIとS-AWC、さらに2枚の14.3インチ大型ディスプレイなど、「ランクル250にこれがあったらいいのに」と思わせるポイントがいくつもある。
ランクル250オーナーとしては、だからといって「パジェロに買い替えたい」とまでは簡単には言えない。それほどランクル250には唯一無二の魅力があるからだ。
ただ、新型パジェロを横に並べられたら、間違いなく内装を覗き込んでしまう。
「うわっ、14.3インチが2枚か……。しかもS-AWCまで付いているの?」。ランクル250オーナーを本気で悔しがらせるくらいでなければ、パジェロが復活する意味はない。
2026年末以降に登場する一部改良版ランクル250ディーゼルの価格と、新型パジェロの正式価格。この2つが出揃った時、本当の意味での「ランクル250対パジェロ」のガチンコ勝負が始まりそうだ。
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