基本的にクルマを輸出する際、そのままのカタチで運搬します。
ただ、海外の一部地域では1度バラバラにして、輸出した先の現地で再度組み立て直すこともあるようです。
【画像】「えっ…!」 これが「盗まれやすいクルマ・ワースト10」です! 画像で見る(24枚)
そんな驚きの輸出状況ですが、いま海外初のある動画が話題となっています。
パキスタンのリサイクル業者がインスタグラムに投稿した動画が話題になっています。
動画のタイトルは「How to Making Japan Cut SUZUKI」(日本で切断されたスズキ車を再生する方法)。
ちょっとドキッとするタイトルですが、動画を再生してみると、バラバラにされたスズキ「キャリイ」をまるでペーパークラフトを組み立てるような工程で新車同様に仕上げていく様子が流れてきました。
再生のプロのようなスタッフが2~3名で切断されたパネルを貼り合わせるようにして溶接しながら組み立てて行きます。
ボディを組んだあとはエンジンをセットし、内装はシートをセットし、ヘッドレストをつけていきます。
この業者はパキスタンでクルマのリサイクルやレストアを行っており、インスタグラムにはほかにも多数のクルマや自動車部品をレストアしていく動画が投稿されていました。
最後は全体に白い塗料を丁寧に吹き掛けて塗装をし新品のように見た目がきれいなキャリイが完成しました。
スタッフの作業はとても手慣れたもので、複数で行う組み立て作業も2人一組の塗装作業も無駄のない動きでてきぱきと仕上げていきます。
軽トラならではのシンプルでコンパクトなボディ構造がなせるワザでしょうか。
なお、動画の軽トラは、明らかに日本から持ち込まれたものであることがわかります。
高齢者マークを貼っていた痕跡があり、右ハンドルです。
そもそも、日本でいうところの軽規格のトラックはパキスタンを含む海外での新車販売はされていませんから、日本から持ち込まれた中古の軽トラックであることは間違いないでしょう。
小さなボディで扱いやすい軽トラは海外での人気も非常に高いことで知られます。
排気量は小さくても走りはパワフル。乗車人数を2名と割り切ったことで荷台のフロア長は(軽トラナンバーワンのキャリイでは)2030mmと2メートルを超えています。
実は荷台の長さだけで比較すれば、アメリカでもっとも販売台数が多いピックアップトラック「フォードF150」(全長6m以上)の荷台よりもキャリイの荷台は約30センチも長いのです。
積載量も350kgと十分。整備性も優れているため、故障やトラブルがあっても対応しやすいというメリットも大きいでしょう。
軽トラック自体の新車販売はなくても、パキスタンではスズキのパキスタンの子会社『パックスズキモーター社(以下パックスズキ)』が1982年からスズキの軽自動車をベースとしたコンパクトカーを中心に生産を開始しており、累計生産/販売台数は254/255万台にも達しています。キャリイと共用できるパーツも豊富にあることから、メンテナンスも心配なさそうです。
またパックスズキは、現在の日本の軽自動車と同じボディサイズ、エンジン排気量を採用したモデルとして、2019年6月に軽乗用車「アルト」を販売、2024年11月にはる軽商用車「エブリイ」を販売しています。
■なぜ軽トラックをバラバラにして輸入? どんな事情がある?
ではなぜ、バラバラにしたものを組み立てているのでしょうか。
それには二つの理由が考えられます。
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1. パキスタンは輸入中古車に対する年式制限があり、個人使用車は3年、商用車は5年以上の古いクルマは輸入ができない。
2. 1.の条件を満たすにはバラして部品(というか鉄くず)として輸入するしか方法がないが、そのほうが関税も安く、一つのコンテナに大量に積むことができるので経費も大幅に節約できる。
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軽トラックのように構造がシンプルなクルマであれば再度組み立てた場合の再現性も高いと言えます。
もちろん、切断部分はパネルどうしを溶接しているだけなのでボディの強度は元のクルマほどに復活できるわけではありませんが、日常的に使用するレベルであれば強度はそれほど問題なさそうです。
ところで、「日本の中古車をバラバラにして輸出…」と聞くと、「もしかしてこれは盗難車?」と考えてしまいそうですが、この動画の情報だけでは盗難車なのかは不明です。なお動画の投稿主は
バラバラにしてしまうと盗難車なのかどうかの見極めも難しく、パキスタンの輸入業者もそこまではわかっていないと思われます。
しかし、日本では近年、軽トラックの盗難台数が毎年10位内にランク入りするほど多いのは事実。軽トラ盗難の実態を見てみましょう。
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2022年 2023年 2024年
キャリイ 122台(7位)→115台(6位)→96台(9位)
ハイゼット 95台(9位)→107台(6位)→103台(7位)
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軽トラの盗難についての報道が増えたことで少しずつ減って来てはいますが、過去3年間でいずれの年も車名別盗難認知件数にランク入りしています。
ではなぜ、軽トラックが盗難されるようになったのでしょうか。
実は、軽トラが10位内にランク入りしていることは2022年の台数から明らかになりました。
なぜなら警察庁の発表は長い間、1位から5位までしか公表されておらずトヨタとレクサスの独占状態でした。
それが2023年6月に初めて2020年の10位まで発表されたことで軽トラの盗難実態が明らかになったのです。
直近でも茨城県警は公式SNSで【軽トラックの盗難に注意】を呼びかけています。
なお、盗難台数のランキングは日本損害保険協会も毎年1-10位まで公表していますが、こちらは盗難認知件数ではなく、「盗難されて車両保険を支払った台数の車名別ランキング」です。
車両保険を付保している台数が少ない軽トラックが支払い台数の上位に入ってくることはありませんでした。
盗難台数は少しずつ減ってきていますが、海外人気の高い軽トラの需要はこれからも高まるでしょう。
軽トラオーナーの方は最低限、しっかりと施錠し防盗効果の高いハンドルロックやタイヤロックなどの物理ロックによる防犯対策をお勧めします。
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みんなのコメント
パキスタンといえば7代目キャリイと同等のパックスズキ製モデルが現在もうじゃうじゃ活躍しているイメージがある。