災害時やコロナウイルス感染拡大防止活動などを行う特別機動警備隊
マツダは法務省特別機動隊の指揮官車に、特別なカラーリングを施したマツダCX-8を納入。そのお披露目式が12月2日、東京拘置所でメディア向けに行われた。
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特別機動警備隊とは暴動、逃走、天災事変などの保安上の緊急措置を要する事態が発生した場合、的確に対処するための組織。平成31年4月1日に矯正局長直轄のもと、東京拘置所に常設された。英訳すると「Special Security Readiness Team(スペシャルセキュリティレディネスチーム)」になり、略称でSeRT(サート)と呼んでいる。
おもな活動としては、令和3年7月3日に静岡県熱海市で発生した大規模土石流災害にて、隊員19名が現地で支援活動を行っている。また、令和元年の台風19号被害を受けた長野県須坂市における災害復旧支援活動、さらには矯正施設における新型コロナウイルス感染症拡大防止のための対策として、クラスターが発生した施設内のゾーニング(区分け)にも対応した。
ディーゼルエンジンを搭載したCX-8を提供
今回、その活動の指揮官車として納入されたのがマツダCX-8 XD Smart Edition (4WD 7人乗り)だ。外装はフロントグリルとリヤのナンバープレート横にLED赤色フラッシュ、ルーフには散光式警告灯(赤色)と無線機アンテナが取り付けられている。ボディカラーは法務省の専用色で塗られている。
インテリアは拡声装置マイクが追加されているほか、無線装置機の取り付けや無線機マイクが装備されている。エンジンや足まわりといった箇所の変更点はない。
安全面も配慮したメーカー系架装会社ならではのこだわり
マツダE&Tのデザイン部リードマネージャーの横谷昌位さんに、メーカー系架装会社ならではの「技」と「こだわり」を伺った。
「フロントにあるLED赤色灯はベース車両の安全性能を妨げないようにしています。具体的には歩行者を保護するアクティブボンネットのセンサー類へ配慮をしていたり、LEDフラッシュも、前方のクルマに緊急車両が近づいているよというのがわかりやすいような位置にしています」
「リヤにもあるのですが、当初はルーフの上の方に装着してほしいとあったのですが、ルーフの回転灯と重なってしまうので、装着位置を下の方にしませんか? と提案し、リヤゲートに設置しました。最初はナンバープレートの横にしましたが、まぶしくてプレートの視認性が落ちるということに気づいて、法律の面でも詳しい部署がありますのでそこから意見をもらい、少しずらしました」
「当初はもうすこし大きめのLEDだったのですが、ちょっと格好悪いということで、納車直前に薄型のLEDにしたのもこだわっています。製作に関していうと楽しみながらタイムアウト直前までやっていました」
赤色灯の取り付けにはCX-8のルーフを熟知したエンジニアも参画
続けてルーフの赤色灯についても説明を伺った。
「ルーフの赤色灯は、CX-8のルーフ設計を担当したエンジニアが参画しました。CX-8のルーフパネルって鉄板の厚みで言うと、0.8mmぐらいしかないので、手で押すとベコベコ凹んでしまうんですよね。そのままで赤色灯を付けると強度が保てないのです。そのため、補強に関しては、CX-8のルーフを熟知したエンジニアがキモとなる部分にリインフォースという鉄板を入れています。取り付け位置に関しては、CAE(コンピュータを用いた仮想試作・仮想試験)で解析やシュミレーションを行い、“ひずみ”や“たわみ”を含めて、しっかりと強度計算をしています」
「ルーフに関してほかには、無線用のアンテナがあります。ルーフに穴を開けてそこに配線を通し、ゴムのグロメットを差し込んでいくのですが、雨漏りの可能性があるので、専用の防水コネクターを介して車内に線を引き込んだ方が良いという知見があったので、技術として取り入れています」
2日間かけてトコトンこだわったサイドライン
スタイリッシュに見えるサイドのラインは、初期のデザインから3回にわたり変更がなされている。当初は太めにラインが引かれており、力強さをアピールしていたが、マツダE&Tの方からさらなる提案をしたという。
「先にトラックのカラーリングが完成していたので、トラックのZ型ラインを同じようにCX-8にも揃えることにしました。2台並べたときの統制が取れて一貫性があるという提案をしました。こちらの都合で言うと車両によっては、どんなクルマにも通しやすい、どのクルマにも引きやすいラインがよかったので、Z型のラインにしています」とのこと。
続けて横谷さんは語る。
「デザイン的なコダワリはキリがないのですが、大変だったのはサイドラインのマスキングですね。塗装現場は遠いので、ベテランのデザイナーが若手のデザイナーを引き連れて、このライン決めてきます! 昼ごろに帰ってきますって言っても帰ってこないんですよ(笑)。夕方になって帰ってきて、開口一番に『明日も行かせてください』って言うんです。実質、2日間かけて、トコトンこだわったラインとなりました」
「なぜ2日もかかったのか? 気になりますよね(笑)。じつは、真横から見ると綺麗にラインが通って見えるかもしれませんが、クルマのボディって断面があるので、左右に移動して見たときに、よたって見えたり、スムースなラインになっていないとうことがあるんですね。何回も貼っては引き直し、の繰り返しをしたようです。どのビューから見ても、素直に駆け上がったラインが感じられるようにするのが大変と言ってました」
「しかも片側だけではなく、左右に貼らないといけないので、凜々しさとか端正な感じを出そうと思うと、ぴしっとした感じを出すのは、こういう面構成のクルマは難しいんですね。トラックみたいに平面だと引きやすいんですが……。マツダ車は面にこだわっているので、ぴしっとしたラインを引くのが難しいと思いました(笑)」
さらにメディア向けに公開されたCGにも裏話があった。
「ドラマ仕立てなCGは、担当したデザイナーが刑事ドラマ好きで、作ろうって言ってもいないのに、ノリノリになって制作していましたね。できあがった作品を見ると、現場に急行しているシーンや、実際に使っているようなシーンが想像できて、完成形が見えてきたので、よりデザインしやすかったですね」とも話してくれた。
こだわりにこだわった実車を見ると、スタイリッシュで力強さを強調していることを確認できた。
ハンドルを握った下中隆広さんは「ディーゼルで力があって7人乗車でもまったく不自由なく快適に移動ができます」とコメントした。
実際に指揮車として現場に出動したことはまだないが、今後の活動が期待される。現地やテレビに映った際にはぜひ注目して見てほしい。
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みんなのコメント
その点あまり差がないマツダならイメージも悪くならないし。
いいと思います。