あの「テラノ」の名が復活しました。2026年4月の北京モーターショー2026(Auto China 2026)で、日産は「テラノPHEVコンセプト」と「アーバンSUV PHEVコンセプト」の2台を世界初公開。かつて本格SUVとして人気を集めた歴史ある車名を、最新の電動SUVとして蘇らせました。
文:立花義人、エムスリープロダクション/写真:NISSAN
【画像ギャラリー】北京モーターショー2026で世界初公開された、日産「テラノPHEVコンセプト」と「アーバンSUV PHEVコンセプト」(18枚)
かつての「テラノ」同様に、悪路走破性と街乗りでの扱いやすさを両立したPHEV
2026年4月24日、日産は北京モーターショー2026において、「テラノPHEVコンセプト」と「アーバンSUV PHEVコンセプト」という2つの新エネルギー車(NEV)のコンセプトカーを世界初公開しました。かつて本格SUVとして人気を集めた「テラノ」の名が復活したことに、驚いた人は多かったことでしょう。
今回公開されたテラノPHEVコンセプトは、大径タイヤや張り出したフェンダー、高めの最低地上高などオフロードSUVらしさを強く打ち出したエクステリアデザインが特徴的。砂漠地帯を走行するイメージカットも公開されており、日産としてはテラノPHEVを「アウトドア」や「冒険感」を意識したSUVとして打ち出したいことが伝わってきます。
日産によると、テラノPHEVコンセプトは「最新のプラグインハイブリッド技術を搭載し、日産が培ってきたオフロードでの高い走行性能を継承しており、アウトドアでの走破性と都市部での快適な通勤という、お客さまの2つのニーズに応える」モデルとのこと。かつてのテラノがもっていた、本格4WDとしての悪路走破性と街乗りでの扱いやすさの両立という個性と重なるものがあります。
PHEVが採用された背景には、BEV市場が急拡大する一方で、長距離移動や充電インフラへの不安から、PHEVの人気も高いという中国市場の事情が関係しています。都市部ではBEVのように使え、長距離ではエンジンも使えるPHEVは、中国市場だけでなく、グローバル展開を見据えた際にも相性のいい選択。現時点で詳細なスペックは公表されていませんが、量産モデルは1年以内に公開される予定とのことで、さらに今後は、一部のグローバル市場への投入も計画されています。
中国で開発し世界へ広げる 日産の新NEV戦略
北京モーターショー2026で日産のイヴァン・エスピノーサ社長は、「中国は非常に競争の激しい市場であると同時に、イノベーションを生み出す源泉でもあります。そして、イノベーションの力により、中国のお客さま、そしてグローバル市場のお客さまに向けて、新たな価値と体験を創出していきます。」とし、中国市場について「極めて重要な役割を担う」と説明。中国をNEV開発の重要拠点とし、中国で開発した競争力の高いモデルを、世界市場へ展開していくことを明らかにしました。
中国ではBEVやPHEVを含むNEVの競争が非常に激しく、新技術や新機能の進化スピードも速くなっています。日産はそうした環境のなかで商品力を磨きながら、中国発のNEVをグローバル展開していく考えのようです。
実際、2025年以降、日産は、東風日産及び鄭州日産(商用車)ブランドからN7、フロンティアプロPHEV、N6、NX8などを中国市場へ相次いで投入。一部モデルはASEAN、中東、中南米などへの輸出も予定されているなど、「中国で開発し、世界へ広げる」という戦略が実動フェーズに入っています。2030年度には中国での年間販売100万台という高い目標も掲げており、今回公開されたテラノPHEVコンセプトとアーバンSUV PHEVも、そうした戦略のなかで登場したモデルといえます。
「テラノ」の名が使われたことは、新モデルがもつ個性がかつてのテラノと重なることはもちろんですが、新興勢力にはない「歴史と信頼」を武器にしたいという、日産の思惑もあると思われます。海外向けには主に「パスファインダー」として展開されていたテラノですが、欧州などでは初代テラノがそのまま「テラノ」として販売されていた経緯もあります。中国から世界市場へ展開していくうえで、「テラノ」という名前は、新興メーカー勢にはない「日産SUVらしさ」を印象づけてくれそうです。
都市型SUVとの同時投入で、幅広い需要を取り込む
今回、日産はテラノPHEVコンセプトとあわせて、「アーバンSUV PHEVコンセプト」も公開しました。こちらは若い中国ユーザーをターゲットとした都市型SUVで、先進的なデザインや最新の電動化技術を前面に押し出したモデルです。
タフなテラノPHEVコンセプトと都会的なアーバンSUV PHEVコンセプト。「都市型」と「アウトドア系」という対照的な2モデルを同時に公開したのには、中国NEV市場の幅広い需要を取り込みたいという思いがあるのでしょう。日産は、2027年度末までに、中国市場へNEVをさらに3モデル追加投入する計画も公表しています。
日本への導入はいまのところ未定ですが、「テラノ」という名前がNEV時代にどのような進化を遂げるのか。量産モデルの公開にも期待したいところです。
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みんなのコメント
攻めてる日産に少しワクワクしてきた。
まあムラーノはトランプがらみの導入だから売れないの承知ですよね。