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コロナ禍、半導体不足、EVシフト、自動車部品業界の2020年度売上高は前年比2割減

コロナ禍、半導体不足、EVシフト、自動車部品業界の2020年度売上高は前年比2割減

自動車部品大手のマレリなど5社が3月1日、経営再建に向けて私的整理である事業再生ADRを申請した。

負債規模は製造業として過去最大規模の1.1兆円が見込まれ、2017年5月に民事再生法の適用を申請したタカタ(負債約1兆823億8400万円)に迫る。そんな中、TDBは「自動車部品メーカー業界調査」を実施した。

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ADR手続きは主に取引金融機関に対し借入金の返済猶予や減額、放棄等を求めることによって再建を目指すため、事業や雇用、商取引は原則として継続され、サプライヤーや工場等がある地域への悪影響はひとまずないとみられる。

ただし、今後進められる手続きのなかで、実現可能性のある事業再生計画案の策定が求められるなか、大規模な工場閉鎖や取引先の集約といった各種リストラ策は必至とみられ、地域経済や雇用への影響が懸念される。

ただ、自動車部品業界全体ではマレリに限らず、コロナ禍での半導体不足に起因する完成車減産の長期化に加え、近年加速したEVシフトのうねりが押し寄せるなど、厳しい業界環境が続いている。

EVシフトに乗り遅れれば打撃を受ける一方で、そのための研究開発費負担も重いというジレンマも重なり、中長期的なビジョンが描けない中小部品メーカーも多くあるとみられる。

緊急調査「自動車部品メーカー業界調査」

「マレリ」グループ5社 1次サプライヤーは504社、関連従業員は20万人を超えるメガサプライヤー

事業再生ADRを申請した「マレリ」グループ5社※への部品供給などを行うサプライヤーは、1次(直接)・2次(間接)合わせて全国に約4万社が判明している。

このうち、直接的な取引のある1次サプライヤーは全国に504社、関連する従業員数は全国全業種で20万人を超えることが分かった。

都道府県別では東京都(132社)のほか、マレリ本社のある埼玉県(71社)などで多く、マレリグループは広大なサプライチェーンと雇用を抱えるメガサプライヤーの一角を占める。

1次サプライヤーを業種別にみると、最も多かったのが「製造業」で287社だった。特に、「自動車部品製造」のほか、成形用の金型製造や設計を手掛ける「金型・同部分品・付属品製造」「工業用プラスチック製品製造」「金属プレス製品製造」などが多い。

熱交換器など「マレリ」グループの製品に多く使用される原材料となる、金属やプラスチック製品などの素材・加工メーカーが多かった。売上規模では年商規模10億円以下の中小企業が全体の半数を占める。

自動車部品、2020年度売上高は前年から2割の急減、利益は半減 生産調整、資材高響く

自動車部品業界の足元をみると、2018年度までは完成車メーカーの海外販売増といった恩恵を受けて安定した規模拡大を続け、2018年度には売上合計21兆9060億円、利益合計6712億円に達した。

しかし、2020年度は一転して17兆1687億円と、20兆円を超えた前年(21兆3917億円)に比べて約2割の急減。世界的な景気後退で自動車需要が大きく後退したリーマン・ショック発生当時の2008-09年度(13.8%減)をも上回る落ち込みだった。

利益面でも合計は1666億円と前年から半減するなど、収益面では大幅な減収減益となった。各社の収益動向では、20年度における部品メーカー全体で「増収」となる企業が12.5%にとどまる一方、減収は7割超を占める。なかでも、減収率が10%超となる企業の割合は全体の約6割となるなど、大きな影響を受けた。損益面では、黒字決算が6割超を占めた一方で、赤字も3割強を占める。

背景にあるのは、新型コロナの感染拡大による完成車メーカーの急激な生産調整があげられる。しかし、その後は旺盛な自動車需要を背景に、20年度後半にかけては生産台数が前年並みに回復。中国などを中心に自動車生産が回復したことで前半の失速分を挽回できていた企業が多く、21年度にかけても業績回復に向けた期待感は大きかった。

しかし、今年度も新型コロナ感染拡大と半導体不足で完成車メーカーの減産が想定以上に長期化したことに加え、鉄・銅・アルミニウムなど資材価格の高騰などで利益面でも改善の見通しがついていない。そのため当初の業績予想を大幅に見直すケースが多く、通期では20年度と同水準での着地が予想されるなど、厳しい状況が続いている。

遅れ気味のEVシフト。「EV対応」全体の1割未満、研究開発負担も重く

部品メーカーの今後を占う重要なテーマに、急速に押し寄せるEVシフトへの対応が挙げられる。しかし、中小部品メーカーの多くでは、EVシフトへの対応が進んでいるとは言えない。

帝国データバンクが保有する企業信用調査報告書データを基に、各社の事業内容のうち「電気自動車」「EV」などのキーワードが2019年以降に含まれる企業を分析した。その結果、対象の部品メーカー約2000社のうち「EV」の記載がある企業は約7.3%の157社にとどまった。業種別では、エンジンなど「内燃機関製造」が最も高い15.1%で、他業種に比べEVシフトへの対応が進んでいるといえる。

EVシフトで主力のエンジン部品の需要減が見込まれるなかで、新たな製品を加えることで受注量を維持するなどの動きが目立つ。一方、他業種ではいずれも1割未満にとどまるなど、対応には温度差もみられる。既存技術のままではEVシフトに対応できず、対策が急務だと分かっていても、足元では「エンジン車向けの受注増への対応が優先課題となるケースがある」(関係者)という事情もあるためだ。

実際に、帝国データバンクが昨年9月に実施した調査では、トヨタ自動車や日産自動車、ホンダといった完成車メーカーと、グループを形成する製造子会社やメーカー系サプライヤーに直接部品を供給するティア1(一次下請)の製造業約300社のうち38.8%が、EVの普及が自社にとって「マイナス」と回答。EVシフトの動きを、必ずしも好機ととらえてはいない実態もある。

部品サプライヤーのEVシフトが進まないもう一つの背景には、大手でのEVシフトによる研究投資などの負担が重いことも挙げられる。自動車部品サプライヤーの売上高に占める研究開発費の1社平均は、近年増加傾向で推移。

コロナ前の2019年度は1社当たり8.5億円に達し、2015年度以降で最も高かった。2020年度は業績の悪化も背景に6.9億円と大きく減少したものの、年々重たくなる研究開発負担が利益を下押ししている可能性もあり、必ずしも収益性向上に結び付いているとはいえない。

EV化に対応できない中小サプライヤーの合従連衡、今後も進む可能性

世界的なEVシフトは止まらず、欧州連合(EU)は昨年7月、2035年にガソリン車の販売を事実上禁止すると発表。米国も、30年に新車販売に占める電動車の割合を50%に高めるほか、日本も35年までにすべての新車販売について電動車にする方針だ。

ただ、既存の自動車部品メーカーにとっては急速に進行するEV化の潮流は、乗り遅れれば打撃を受ける半面、そのための研究開発費負担も増すというジレンマが重なる。そのため、資金面や体力面でEV化に対応できない中堅中小メーカーの合従連衡は今後避けられないとみられ、サプライヤーの淘汰や再編が進む可能性もある。

構成/ino.

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