マクラーレンGTで車中泊に挑戦
マクラーレンGTで24時間を過ごす旅。ホテルでの夕食は午後8時から。ステーキにエールパイという、定番メニューだそうだ。
【画像】24時間をともにしたマクラーレンGTを写真でじっくり 過激なマクラーレン・エルバも 全88枚
フォトグラファーのマックス・エドレストンが、マクラーレンGTまで親切に食事を運んでくれる。シートはレザーだから、ステーキの肉汁が数滴垂れても拭けば大丈夫。
熱々のエールパイは曲者。やけどに注意しなければ。扱いに手を焼く筆者を横目に、彼はホテルへ戻っていく。スランディドノまでやって来て、優しく電灯が灯るレストランを外から眺めるだけとは・・。
夕食を済ませ、気持ちを切り替えて少し原稿を書く。助手席が今夜のベッドだ。駐車場へ大型トラックが入ってくる。流石に夜は冷える。
午後10時に就寝。思いのほか簡単に眠りについたものの、すぐに目が覚める。時計は見たくなかったが、午前2時だった。不思議なことに、マクラーレンGTの車内は思ったほど寒くない。
もっと凍える夜を想像して、かなりの装備を持ってきた。寝袋の上にウールの毛布を掛けている。意外にも心地良いが、頭も痛い。車内のCO2濃度が高いのだろう。そこからしばらく、深い眠りにはつけなかった。
午前7時。エドレストンが朝食を運んできてくれた。マクラーレンGTのドアを開く。車内の空気を吸わないように、彼が顔をそむけるのがわかる。
ベーコン・サンドイッチと、牛乳抜きのシリアルを飲み込んで、スランディドノを出発。南へ遠回りして、スノードニア国立公園を巡る。A5号線が伸びている。
設定変更で突然スポーツカーに変身
ノースウェールズ地方だから、丘陵地帯の放牧地で羊が草をはむ。サイクリストやランナーが、湿った路肩を走る。勾配が徐々にきつくなり、マクラーレンGTの能力を開放できるようになる。少しだけ。
歩行者も交通量も少ない。舗装路が谷間に沿って蛇行している。カーブの手前で減速し、思い切り加速しても、周囲に迷惑はかからない。
マクラーレンGTのドライブトレインとサスペンションを、1番ハードな設定に変える。さっきまでグランドツアラーだったが、突如スポーツカーに変身する。エグゾーストノートはアグレッシブになり、アフターファイヤーの破裂音が交じる。
7速デュアルクラッチ・オートマティックは、変速がクイックになる。タイトコーナーが近づきブレーキペダルを蹴る。シフトダウンするたびに、マフラーから咆哮が放たれる。
エンジンサウンドは、大きく変化しない。しかし、混じりけのない純粋な音色に聞き惚れてしまう。
コーナーへのターンインは、特に輝く部分。グランドツアラーでは想像しにくい勢いで、フロントタイヤがイン側へ食らいつく。20時間以上車内で過ごしていても、鮮明なフィードバックでドライバーをリフレッシュさせてくれる。
ワインディングを駆け上がり、スノードン山の展望台が近づく。午前11を過ぎ、ストレッチしても足と腰が痛い。山頂へ迫ると雲が開け、太陽が姿を表した。
普段より近い陽光が眩しい。何年も様々なクルマを試乗してきたが、片田舎の駐車場へ到着して、ここまで興奮したのは初めてだ。
24時間をエキサイティングに過ごせる
スノードニア国立公園で、マクラーレンGTは本来の輝きを取り戻す。起伏が続く道を、滑らかに流れるように走る。ハンドリングを面白くする、適度なボディロールが残されている。
スポーツカーとしても、サスペンションはそこまで硬くない。ドライバーの腰回りを中心に鋭く旋回するが、上下動も小さくない。326km/hを許容するモデルとして、驚かされるほど柔軟な足まわりだ。
その中心となるのが、素晴らしいステアリング。法外なスピードを出す必要なく、不満なくエキサイティング。マクラーレンGTは2022年という環境でも堪能できる、グランドツアラー兼スポーツカーだといえる。
そして12時を過ぎる。走行距離は444km。思わずドアを開き降り立ち、ジャンプしてしまった。
素晴らしいスポーツカーであることは間違いない。ピークディストリクト国立公園もスノードニア国立公園も、マクラーレンGTを堪能するにはうってつけの道だった。
グランドツアラーとしても優れている。とはいえ正直なところ、これがベントレー・コンチネンタルGTなら、と妄想した時間もゼロではなかった。
小動物のように鋭敏でありながら、しなやかにロングツーリングもこなせる。マクラーレンGTなら、本当に24時間をエキサイティングに過ごせる。次回はきっと、プレミア・イン・ホテルにチェックインすると思うけれど。
マクラーレンGT(英国仕様)のスペック
英国価格:16万3000ポンド(約2526万円)
全長:4683mm
全幅:2045mm
全高:1213mm
最高速度:326km/h
0-100km/h加速:3.2秒
燃費:8.4km/L(WLTP)
CO2排出量:270g/km(WLTP)
乾燥重量:1530kg
パワートレイン:V型8気筒3994ccツインターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:620ps/7500rpm
最大トルク:64.1kg-m/5500-6500rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
「ノーマルタイヤで立ち往生」に国交省ブチギレ!?「行政処分の対象です」2年連続で大量発生…「スタックの7割が夏用タイヤ」今年も緊急警告
スバル新型「プレオ」発表に期待の声! “約100万円”の「コスパ最強」軽セダンは実用性バツグン! スバルらしい「水平対向エンジン×MT搭載」を求める声も!
まるで「“ミニ”フェアレディZ」!? 全長4.1mの日産「コンパクトクーペ」が斬新すぎる! 短命に終わった「NXクーペ」とは?
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
特に朝食持ってきたくだりは、もはや田舎のスーパー駐車場で寝泊まりしている車上生活者の扱いで…