キャデラックやシボレーといったブランドを抱えるアメリカのゼネラル・モーターズ(GM)が「マーケットプレイス」なる新サービスを開始した。
自動車メーカーとして初めてとなるサービスで、ナビ画面をタッチするだけで注文と決済がオンラインで可能になるというもの。具体的には、スターバックスが近くにあれば、コーヒーなどをオンラインで注文して、ドライブスルーで商品を受け取ることができるというのだ。
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アメリカでは平均すると毎日46分もクルマを運転しているという。安全上、ドライバーはスマートフォンなどを使えないため、この時間はあらゆるネットを利用したeコマースサービスにおいて空白の時間となっていた。
しかし、運転中でも安全にオンラインショッピングができるGMの「マーケットプレイス」であれば、企業からするとカスタマーにアクセスできる時間が増え、ユーザーとしては近くにあるサービスを容易に利用できるというメリットが生まれる。さらにGMは、こうしたサービスを独占することでユーザーから選ばれる存在になる。まさに三方良しといえる新サービスだ(ライバルメーカーにとっては脅威になるが)。
なお、GMが2017年モデル、2018年モデルとして市場にリリースしたクルマのうち、対応インフォテインメントシステムを搭載したクルマでは、自動的に「マーケットプレイス」が追加されているという。その数は数百万台規模であり、この新サービスがユーザーニーズを掘り起こし、新トレンドを生み出す可能性は大きい。愛車に付随するサービスだけにパーソナライゼーション(行動などに合わせたサービスの最適化)との相性もよく、ユーザーの満足度につながりやすいと予想できるからだ。
ちなみに、スタート時点での「マーケットプレイス」参加企業は、スターバックス、ダンキンドーナツ、シェル、エクソンモービルといった日本でもおなじみの企業のほか、ホテルやレストラン、駐車場の予約サービスなど。ユーザーは幅広いサービスを享受することができるのだ。もちろん、このサービスにはGMも参画、オイル交換などのメンテナンスやアクセサリーパーツの購入など、愛車に関わるサービスが提供されている。
GMの日本市場における規模を考えると、このサービスを日本で提供することは考えづらいが、北米でのビジネスがうまくいけば、そのノウハウは世界中で利用されることだろう。そして、その中に日本市場が含まれることも大いに期待したい。
(文:山本晋也)
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