ミドルクラスのバイクを年間100万台生産!
ロイヤルエンフィールド コンチネンタルGT650 試乗【ハリスフレームに空冷ツインを搭載した正統派英国カフェレーサー】
1891年にイギリスで産声をあげたロイヤルエンフィールドは、世界最古のモーターサイクルブランドとしても知られる。長い歴史のなかで拠点はインドへと変わったが、現在ではインドとイギリスそれぞれに研究開発センターを設立。ミドルクラスのカテゴリーでは世界屈指のシェアを獲得し、躍進を続けている。日本でも年々ファンが増えているロイヤルエンフィールドについて、アジア太平洋地域のビジネスヘッドAnuj Dua(アヌージ・ドゥア)さんに伺った。
●文:ミリオーレ編集部(村田奈緒子) ●外部リンク:ロイヤルエンフィールド東京ショールーム
―― Anuj Dua(アヌージ・ドゥア)
ロイヤルエンフィールド アジア太平洋地域のビジネスヘッド。インド国内最古の工科大学であるインド工科大学ルールキー校で修士号を取得した後、グルジャンベシュワル科学技術大学で工学の学士号を取得。ロイヤルエンフィールドには、2016年に入社。入社後、いくつかの部署を担当し、現在はアジア太平洋市場のビジネスヘッドとしてブランドPRおよびマーケティングから製品戦略、グローバル製品計画、ブランド管理などに従事している。 [写真タップで拡大]
インドとイギリスに550名ほどのスタッフを抱え、年間100万台を生産
──2021年度(2021年4月~2022年3月)のロイヤルエンフィールドの年間生産量を教えてください。
Anuj Dua「2021年度のバイク販売台数は59万5474台、年間生産能力は約100万台です。ロイヤルエンフィールドは250~750ccのミドルクラスバイクのセグメントでのグローバルリーダーであると自負しています。
インド国内のミドルクラスバイクの中では約90%のシェアを誇り、世界60カ国以上・840を超えるタッチポイントによって世界中でその存在感を拡大しています」
ちなみに主な海外メーカーの2021年総販売台数は、BMWが19万4261台、ドゥカティが5万9447台。この数字と比較しても、その規模の大きさがよくわかる。
──インド(本社および工場)、イギリス(R&D)、およびロイヤルエンフィールドの他の施設には何人の従業員が働いていますか?
Anuj Dua「チェンナイのグローバル本社で400人近くの従業員が働いており、イギリスのブランティングソープにある英国テクニカルセンターでは154人の従業員が働いています」
―― 1901年に英国レディッチ市で誕生したロイヤルエンフィールドは、世界最古のモーターサイクルブランド。
──近年、新モデルの導入がこれまで以上に加速していると感じています。企業方針はもちろんですが、組織としても変化はありましたか?
現在、日本では個性豊かな5つのモデルを販売
―― クラシック350の詳しいインプレは、「待望の試乗! ロイヤルエンフィールド クラシック350【レトロとモダンの完璧な融合】」をチェック!
──現在のラインナップのなかで、開発プロセスでもっとも困難だった点は何でしたか?
メテオ350が目指したのは、エルゴノミクスと取り扱いやすさです。クラシックなスタイリングとモダンな機能の組み合わせによって、ベテランライダーだけでなくエントリーユーザーにも素晴らしいクルージング体験を保証できる1台になっています。
―― MIGLIORE・営業のムラタは、人生初のバイクにヒマラヤをチョイス! そのバイクライフは、with HIMALAYANと題して連載中。第一回目は「ヒマラヤに乗りたくて教習所の門を叩いた、2021春【with HIMALAYAN vol.1】」。
オンロードとオフロードに対応するアドベンチャーツアラーのヒマラヤは、素晴らしいツーリング能力を備えた完全なグラウンドアップエンジンに注力しました。シンプルで有能、そして頑丈なモーターサイクルは、世界中の冒険にふさわしい味方です。
──コンチネンタルGT650とINT650に搭載されるエンジンを新たに設計するって、実は凄いことですよね?
Anuj Dua「この2つのバイクは、私たちの歴史が作り出した結晶といえます。目的は、これまでのシングルエンジンが提供できるものを超えて次のレベルの高いパフォーマンスを提供し、威圧感がなく、アクセスしやすく、親しみやすく、乗り心地がよく、扱いやすい、刺激的なモーターサイクルを開発することでした。
クラシカルなスタイルと乖離しないように、排気量はあえて750ccまでは上げないことを選択。とはいえ、あるレベルでの高速走行(ハイウェイを想定)のための十分なパワーとトルクも重視して設計しています」
―― コンチネンタルGT650とINT650。
空冷エンジンを継承すること、未来のこと
──最近は空冷エンジンをやめてしまうメーカーもたくさんあります。ロイヤルエンフィールドはこれからも空冷エンジンのみで継続していくんですか? それとも近い将来に、新たな計画を立てていますか?
Anuj Dua「私たちは、戦略的な製品開発に取り組んでいます。未来を見据えながら、内燃エンジンの提供に引き続き取り組んでいます。インドの自動車メーカー『アイシャー・モーターズ』の一部門であるロイヤルエンフィールドは、ブランドと広範な流通ネットワーク、そして製品開発と製造の能力これらすべてを活用して、グローバル市場向けのプレミアム電気自動車の開発にも尽力します」
──今年6月、伝説的フレームビルダーのスティーブ・ハリス氏が亡くなったという悲しいニュースがありましたね。※ロイヤルエンフィールドは2015年にイギリスのコンストラクターであるハリス・パフォーマンスを買収している。
Anuj Dua「私たちは彼の死をとても深く悲しんでいます。彼が残してくれた素晴らしい技術を礎に、ロイヤルエンフィールドはさらなる発展とモーターサイクル界への貢献を目指していきたいと思います」
──日本のロイヤルエンフィールドファンに向けて、一言お願いします!
Anuj Dua「私たちは、若いライダーからベテランライダーまで、多くのユーザに向けてレジャーライディングをカルチャーとして発展させることに尽力してきました。
古き良きレトロなスタイルを継承しつつ、最新の技術と優れた人間工学を備えることでモダンで乗りやすいスタイルを提供しています。まだロイヤルエンフィールドを未経験というライダーは、ぜひ一度、私たちのバイクに乗ってみていただき、そしてフィードバックをお願いします。その声は、私たちの明日につながっています」
―― ロイヤルエンフィールドでは、プロダクトだけでなく体験も重視。バイクでの冒険旅など各種プログラムを実施しており、ヒマラヤでの各種ツーリング企画は20年ほど継続。世界各国からライダーが参加している。
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