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開幕戦と公式テストに先行し2025年最初の性能調整が発表。トヨタとポルシェが重量級に

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開幕戦と公式テストに先行し2025年最初の性能調整が発表。トヨタとポルシェが重量級に

 2月28日に行われる開幕戦『カタール1812km』と、明日21日から始まる公式テスト“プロローグ”を前にWEC世界耐久選手権で適用される2025年シーズン最初のバランス・オブ・パフォーマンス(BoP=性能調整)が決定した。

 ルサイル・インターナショナル・サーキットで実施される2日間のプレシーズンテストを控えた19日水曜に発行されたハイパーカークラスのBoPは、今季トップクラスで競う8メーカーのクルマの重量と、250km/h以上で適用される“パワーゲイン”の大きさを表すパーセンテージ、その割合の基準となる最高出力が示された。

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 このBoPテーブルは今年最初に発行されたバージョンであるため前戦比欄にはプラスもマイナスの数値もないが、昨季2024年のそれと比較するとフィールド全体の最低重量のばらつきが明らかに小さくなっているのがわかる。このことは比較的高速で流れるようなコーナーが続くカタールのトラックでは、重要な要素だと考えられている。

 重量チャートのトップはトヨタGR010ハイブリッドで1065kg、次点は前年の優勝マシンであるポルシェ963の1064kgだ。反対にもっとも軽いマシンは1030kgのキャデラックVシリーズ.Rで、プジョー9X8がわずか1kgの差で続く。

『カタール1812km』が初の公式戦となるアストンマーティン・ヴァルキリーAMR-LMHは、アルピーヌA424より1kgだけ軽い1042kgで初陣に挑むが、これは全体で4番目に重いクルマであることを意味している。

 参考までに、2024年のカタールのBoPを見てみるとトヨタが1089kgで、もっとも軽いクルマとの差は59kgだった。しかし今季はその差が35kgと大幅に小さくなっている。

 車速が250km/h未満のときに使用できる最高出力に関しては、プジョーの520kWが最大に。次点はアルピーヌとポルシェの508kW、これに505kWのBMW、504kWのアストンマーティンが続き、キャデラックとトヨタはともに503kWとされた。基準となるパワーがもっとも抑えられたのは501kWのフェラーリだ。

 ただし、プジョー9X8のパワーの優位性はマイナス5.8%のパワーゲインによって相殺される。これは250km/hのしきい値を超える領域で30kW(約40PS)を失うことに相当する。

 プジョーの他にパワーゲインがマイナスになっているのは、3%の損失があるアルピーヌだけだ。一方、最大のパワーゲインはトヨタの3.4%でキャデラックも3.2%のプラス調整を受け取った。

 ポルシェとBMW、さらにアストンマーティンは1%未満のプラス調整に留まったが、フェラーリはしきい値の前後で出力に変更が見られない。つまりプラスマイナス0%だ。

 同じく19日付けで発表されたLMGT3クラスのBoPによると、このフィールドでもっとも軽いクルマは1344kgのBMW M4 GT3エボとなっている。

 反対に最重量は1374kgのシボレー・コルベットZ06 GT3.Rだ。WEC初参戦となるメルセデスAMG GT3エボは1371kgでシボレーに次いで重いクルマに。これに続くのは、1358kgとされたアストンマーティン・バンテージAMR GT3エボだ。

 9つのLMGT3モデルには“PX”という指定のパワーレベルがあり、Pに続くXの数値はパワーが減少した割合を示している。

 200km/hのしきい値から始まるパワーゲインに関しては、メルセデスAMGとポルシェ911 GT3 Rがそれぞれ9.7と9.6で最大のプラス調整を手に入れた。しきい値を超えるとパワーを失うクルマはフォード・マスタングGT3とレクサスRC F GT3のみとなっている。

■ハイパーカークラスBoP(2月19日付)
2025年WEC世界耐久選手権第1戦カタール用
マシンP/F最低重量最高出力≦250km/hパワーゲイン≧250km/h最大エネルギー量Fr.ERS作動域 ドライ/ウエットアルピーヌA424 LMDh1043kg508kW-3.0%903MJ――アストンマーティン・ヴァルキリーLMH1042kg504kW+0.4%899MJ――BMW MハイブリッドV8LMDh1037kg505kW+0.6%902MJ――キャデラックVシリーズ.RLMDh1030kg503kW+3.2%898MJ――フェラーリ499PLMH1037kg501kW0.0%897MJ190kph/190kphプジョー9X8LMH1031kg520kW-5.8%908MJ190kph/190kphポルシェ963LMDh1064kg508kW+0.8%909MJ――トヨタGR010ハイブリッドLMH1065kg503kW+3.4%909MJ190kph/190kph

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