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【現役デザイナーの眼:ホンダ・スーパーワン】初期からシティターボIIを意識 意図が伝わる優れたデザイン

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【現役デザイナーの眼:ホンダ・スーパーワン】初期からシティターボIIを意識 意図が伝わる優れたデザイン

久々、ホンダらしいワクワクするクルマ

最近、日本でもEVが少しずつ身近な存在になってきたと感じます。海外メーカーからは多くのモデルが輸入され、日本メーカーもラインナップを着実に増やしています。そんな中、今回ホンダから新たにスポーツコンパクトEV『Super-ONE』(以下スーパーワン)が発表されました。

【画像】初期からシティターボIIを意識!スポーツコンパクトEV『ホンダ・スーパーワン』 全54枚

スーパーワンを見てまず感じたのは、『久しぶりにホンダらしい、ワクワクする企画とデザインが出てきたな』ということです。

軽自動車『N-ONE』シリーズの流れを汲んだボディはとてもコンパクト。その上で、しっかりと張り出したオーバーフェンダーを組み合わせることで、可愛らしさの中に走りを感じさせる緊張感が生まれています。

1983年に登場した『シティターボII』へのオマージュのようでもありながら、しっかりと現代的な新しさも感じられ、とてもバランスの良いデザインだと思いました。

近年のホンダは、ミニマルでクリーンなデザインを志向し、他メーカーとは少し距離を置いた独自のポジションにいると感じます。それは大変良いことなのですが、その一方で少しワクワクする要素が減っていた印象もありました。

スーパーワンはそんなふたつの要素をうまく両立した、魅力的な1台と言えそうです。

軽自動車の中で随一の完成度

まずはベース車となる、『N-ONE』から見ていきたいと思います。

2020年にフルモデルチェンジした現行2代目N-ONEは、旧型と非常によく似たデザインだったことが話題になりました。これは、初代のデザインがすでに高い完成度を持っていたからでしょう。

寝かせたCピラーやリアゲートまわりが特徴的なサイドシルエットは、往年の欧州製コンパクトカーを思わせます。全幅1475mmに対して全高1545mmという、スタンスを表現するには不利なパッケージにもかかわらず、N-ONEはどこから見ても踏ん張り感のある非常に安定したプロポーションを持っています。

フロントまわりは可愛らしさがありながらも、質感や作り込みの良さもしっかり表現。特にヘッドランプやグリルの仕立ては上級車のようで、大型車からのダウンサイジング需要にも応えられる『いいもの感』にあふれた、珍しい軽自動車だと思います。

よりボクシーなシルエットに

そのN-ONEをベースにEVとして再構築したのが、『N-ONE e:』です。

サイドシルエットを見ると、特にフロントまわりが変化していることが分かります。ベースのN-ONEよりもグリルまわりのスラントを抑え、よりボクシーなシルエットになりました。

これは単なるデザイン変更ではなく、フロントグリル部分に給電口のスペースを設けたことも大きな理由だと考えられます。この変更によって、さらにクリーンでシンプルな印象になりました。

軽自動車ベースだから実現できた、スポーティなスタンス

そしてそのN-ONE e:をベースに、大胆な進化を遂げたのがスーパーワンです。

オーバーフェンダーによって全幅は1575mmまで拡大。もともと軽自動車の中でもスタンスの良かったN-ONEに、このワイド感が加わることでその存在感は一気に増しています。

逆に言えば軽自動車ベースだからこそ、この迫力あるデザインが成立したのでしょう。もし完全な新設計だったなら、室内空間を優先してボディ全体を広げようとするはずなので、このような印象的なオーバーフェンダーは難しかったかもしれません。

フロントまわりは、N-ONE e:のボンネットやヘッドライトを活かしながら、横方向に広がるバンパーデザインでワイド感を強調しています。もっとアグレッシブな表現もできたはずですが、あえてやりすぎず、すっきりとした印象を優先したのでしょう。

リアもフェンダーとバンパーが一体化した立体構成で、とても明快です。N-ONE e:登場時にリアゲートまで変更されていたことに少し違和感がありましたが、このスーパーワンのリアゲート部品構成を見ると納得できます。おそらく同時進行で開発されていたのだと思います。

インテリアでは、シートの変更が特に印象的です。しっかりとしたサイドサポートを持つデザインは最近では珍しく、さらにアシンメトリーなファブリックの使い方も個性的。インパネやドアトリムなどは基本的にベース車と共通ですが、このシートだけでも十分に特別感を演出できています。

EVの新たな可能性

スーパーワンのデザイン開発では、初期段階からシティターボIIを強く意識していたようです。

これは欧州で増えている、往年の名車をモダンに再解釈するデザインと同じ考え方ですが、難しいのはどこまで新しさを加えるかです。

たとえば『ルノー5』では、シルエットこそオリジナルに近いものの、立体構成や面の表情はまったく新しく作り直されています。それでも、スラントしたリアゲートによって、そのルーツがしっかり伝わる工夫があります。

シティターボIIの特徴は、箱のようなシルエットと張り出したオーバーフェンダーでしょう。スーパーワンは既存のベース車があるため自由度は限られていたはずですが、それでもしっかりとユーザーにその意図が伝わる。これは優れたデザインだと言えます。

これまでEVというと、一充電走行距離の長さや効率といった、使い勝手の訴求が中心でした。存在そのものの魅力や走りを楽しむためのクルマという方向性は、まだあまりなかったように思います。

しかし、スーパーワンのようにライフスタイルそのものを感じさせるデザインには、それだけで大きな付加価値があります。こうした楽しいEVが、これからもっと増えていくことを期待したいですね。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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みんなのコメント

1件
  • ma****ym
    Nシリーズからの流れですね。わかります
    N-oneのお兄さんってかんじですね。でも新鮮味はないです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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