柔軟性こそが、これからの競争力
6月10、11日、スバルは『生産における柔軟性の追求』に関する取り組み説明会および矢島工場の見学会を開催。先行きを見通すのが難しい時代において、競争力の源泉は『柔軟性』にあるという考えが示されました。
【画像】どんなボールも打ち返す!トヨタもスバルEVもガソリン車も左右ステアリングも混流する『矢島工場』 全95枚
BEV、HEV、ICEのどのパワーユニットが、いつ、どれだけ売れるかが不確実な中、特定技術への『決め打ち』投資こそが最大のリスクになる。だからこそ、需要の変化に応じて生産する車種や仕向地を切り替えられる体制を作る。その象徴的な現場として案内されたのが、群馬県太田市にあるスバルの矢島工場でした。
このラインは2025年8月から半年間、一部の既存ラインをシャットダウンして設備改修を行い、今年2月から稼働を始めたばかりです。スバル・トレイルシーカーとトヨタbZ4Xツーリング(両社の共同開発車)を、左右ステアリングともに生産しています。
さらにこの夏には、同じラインにICE車であるフォレスターも加わる予定です。
1本のラインに、異なるブランドのクルマ、BEVとICE、左右のステアリングが混在する。これを『変種変量短生産=混流ライン×ブリッジ生産』と呼ぶそうです。
その時々で、需要の高い車種や仕向地に応じて生産車種を変更しても、ライン自体は変えずに済むのです。
なぜ矢島だったのか? トヨタとの連携の深さ
これを聞いてひとつ思い出しました。以前、愛知県豊田市にあるトヨタの元町工場を取材した際、トヨタbZ4Xとスバル・ソルテラという違うメーカーのBEV2車種が同じラインを流れている光景を目にしたことです。
これらを生産しているなら、トレイルシーカーもその生産ラインで作れるのでは? と思いましたが、事情は違いました。ソルテラとbZ4Xの派生モデルである2車種は、スバル側から企画提案したもの。さらに自社でバッテリー車を生産することに挑戦したいという思いがあり、矢島工場での生産が両社にとって合理的と判断されました。
設備改修中にあたっては、アライアンスを組むトヨタ側へ出向し、生産方法やトラブル発生時の対応などの研修を受けたそうです。
両社の協業は2007年、米国SIA(インディアナ)でのトヨタ・カムリ受託生産に始まり、共同開発のトヨタ86/スバルBRZへと続いていきました。今回も互いに意見を交わし、稼働後も連絡を取り合い、トラブルが起きれば翌日にはトヨタの担当者が矢島工場へ駆けつけるそうです。この連携の密度には驚かされました。
一方で、初めて自社生産するにあたっては、車両を組み立てる上での基準となる製造基準の違いや、長年積み上げてきた手順そのものを見直すところから始まり、それは思っていた以上に骨の折れる作業だったようです。それでも互いの違いに歩み寄るような形で変更し、混流生産を実現させました。
どんなボールが来ても打ち返す
いざ工場見学へ。矢島工場は1960年に生産を開始した、国内2拠点ある完成車工場のひとつです。この日は、車両の組み上げ最終段階である完成工程をはじめ、エラーチェックを行う検査工程、品質に直結する最終検査などを見学しました。
BEVとICEの混流生産は今年夏頃を予定しているとの説明がありましたが、何とたまたまテスト車両として、同じラインを流れるフォレスターに遭遇! オーナーでもある私は、思わず興奮しました。
よく見ると、エキゾースト関連などガソリン車にしかない工程は、流れを邪魔しないようラインの端に設備が配置されており、BEVはそのまま素通りしたり、別の検査や組み立て工程を差し込んだりと、効率的な配置になっていました。
プレゼンでもあったように、今後どのようなクルマが、どこで売れるのかを予想するのは本当に難しい時代です。だからこそ、どんな展開になっても対応できるように備えておく姿勢には、納得感があります。どんなボールが来ても打ち返してやる。そんな気概を感じます。
さらにこの先には群馬県邑楽郡大泉町にある新たな拠点、大泉新工場の計画も控えています。作るクルマが変わるのに合わせて、生産環境である工場自体も変わり続ける。そうやって最先端を追い続けることが、競争力を保つ鍵になるという考え方です。
掲げられたコンセプトは『進化し続ける工場』。製造ラインを太く短くする工夫や、スバルらしい自働化の追求にも取り組んでいるといいます。柔軟に時代の波に乗るスバルの製造拠点が、次にどう進化していくのか楽しみです。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?