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扱いやすければ結果速い!! カワサキ「Ninja ZX-10R KRT EDITION」に乗っていろいろ納得

■結果、出してます。ジェントルに仕立てられたサーキット最強マシン

 ライムグリーンをコーポレートカラーに持つカワサキのバイクは、昔から「漢(おとこ)」や「直線番長」といった枕詞とともに紹介されます。近年もスーパーチャージャーをぶっ込んだ規格外のモンスター「Ninja H2/H2R」を発表。最新型H2Rの最高出力は326ps(ラムエア加圧時)に到達し、「燃費? そんなん知らんけど」、「コーナリング? どうでもええやん」という清々しいほどの割り切りで、そのイメージをさらに強固なものにしました。

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 速さの象徴であるスーパースポーツはさらに激しく……と言いたいところですが、「Ninja ZX-10R KRT EDITION」(以下、ZX-10R)にそれは当てはまらず、驚くほどスムーズに仕立てられていることをご存じでしょうか。

 なによりまず、ライディングポジションが安楽です。835mmのシート高は特別低い方ではないものの、ライバル勢と比較して前傾の度合いが少なく、ハンドルの広さや角度もごく自然。街中の走行でも手首や腰にあまり負担が掛からず「ちょっとスポーティなツアラー」という感覚で乗れるのです。

 エンジンもポジション同様、フレンドリーと言って良いでしょう。“ドッカン”パワーでストレートを突き進む力技系ではなく、上質と表現しても違和感がないほど穏やかです。低回転から高回転までトルクが途切れず、だからといってスロットルを開けた時に車体が前に出過ぎることがないため、扱いやすさの極み。右手の動きに対して、いかに自然に反応するか。その作り込みが乗りやすさ、ひいては速さのカギを握っているのですが、カワサキは見事にそれをやってのけています。最高出力は203psあり、それに対する車重は206kgですから、加速力はトップクラスなのに、それを感じさせないところに凄みがあります。

 電子デバイスに関しては、とくに分かりやすいのが「クイックシフター」の恩恵です。シフトアップの時もダウンの時もクラッチレバーを操作する必要がなく、これ自体はそれほど珍しくありません。ところが、その作動精度はメーカーや車種によってバラつきがかなりあり、自分の手で操作した方が遥かに上手い、なんてことも少なくないのが現状です。

 その点で、ZX-10Rのクイックシフターは素晴らしいのひと言。とくにシフトダウン側の制御は滑らかそのもので、ペダルを踏むと瞬時に回転を上げ、自動的にブリッピング。その合間に間髪入れずコクッと正確にギアが変わり、一度に3つ落とすような場面でもほぼ失敗はありません。エンジンブレーキの強さもほどよくコントロールされるため、ブレーキングに集中しながらコーナーへアプローチすることができるのです。

 ZX-10Rで好感度が高いポイントが、こうした電子デバイスの調整が複雑過ぎないところでしょう。エンジンの出力特性が変化するパワーモードやトラクションコントロール、旋回中の減速も可能にするコーナリングABSといった装備をすべて備える一方、その切換や介入度の変更は極めて簡単で、誰もが直感的に操作することができるはずです。

 それらが表示されるメーターは、フルカラーでもTFTでもなく、ある意味、ひと世代前のデザインですが、言い方を変えると最も視認性に優れています。なぜなら、機能満載のデジタルディスプレイになるとあまりに情報が多く、とくにサーキットで走っている時にそれを目で追い、頭で認識している余裕などないからです。ZX-10Rのメーターは回転を示すバーグラフが目立つように配され、使う回転域によって色が徐々に変化。そのため、走行中も感覚的にエンジンの状態を理解できる、理にかなった設計になっているのです。

 2019年に大がかりなモデルチェンジが施されていますが、メーター同様、その時は外装もほとんど変わりませんでした。

 とはいえ、結果的に最速の市販車を決めるスーパーバイク世界選手権では5連覇を達成し、2019年は鈴鹿8耐も制覇。派手さはないものの、花より実を取ったところにインテリジェンスを感じずにはいられません。

 速さと強さがスーパースポーツの存在意義ならば、その頂点に位置するのがこのZX-10Rなのです。

■価格(消費税10%込み)Ninja ZX-10R KRT EDITION 210万1000円Ninja ZX-10R SE 270万6000円Ninja ZX-10RR 298万1000円 ※世界500台限定生産

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