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究極のアヴェンタドール「SVJ63 ロードスター」。細部に宿ったランボルギーニの哲学を詳らかにする! 【Playback GENROQ 2020】

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究極のアヴェンタドール「SVJ63 ロードスター」。細部に宿ったランボルギーニの哲学を詳らかにする! 【Playback GENROQ 2020】

Lamborghini Aventador SVJ63 Roadster

ランボルギーニ アヴェンタドール SVJ63 ロードスター

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究極モンスター、上陸

1963年のランボルギーニ創業年にちなんだ63台の限定モデル、アヴェンタドール SVJ63 ロードスター。2019年8月に発表されたばかりのこのモデルが、早くも日本に上陸した。登場から約10年が経過するV12フラッグシップの、これが最終進化形となるのだろうか。

「ランボルギーニにとって特別な称号“SV”に、イオタを匂わす“J”まで付与」

ランボルギーニの12気筒ミッドシップ、アヴェンタドールのラインナップに「SVJ」が誕生した時の衝撃は、想像以上に大きなものだった。スーパー・ヴェローチェ=スポーツ・ヴェローチェ、スーパー・ヴェローチェ、スピント・ヴェローチェ、時代時代でその「読み」には違いがあるものの、ともあれ「SV」という称号は、ランボルギーニのカスタマーにとっては、そしてもちろんランボルギーニ自身にとっても最上級の価値を持つもの。そのSVに加えて、今回はさらに1971年に全損事故によって幻の存在となってしまった「J」、そうあのランボルギーニ史の中でも最もミステリアスな存在ともいえるイオタのイニシャルさえ掲げてしまったのだから、アヴェンタドール SVJがいかに特別な存在であるのかは容易に想像できる。

2018年のモントレー・カーウィークで世界初公開されたアヴェンタドール SVJは900台の限定生産車であると発表されたが、さらにランボルギーニの創立年である1963年に由来する63台が、SVJ63として生産されることも明らかにされた。限定車と、さらにそれをベースとした限定車。より大きな希少価値を求めるカスタマーのオーダーが63に殺到したことは自然な結末で、結局同年末までにはトータル963台のSVJは完売したという。

「わずか63台のみの希少なアヴェンタドール SVJ63 ロードスター」

だが多くのカスタマーは過去の例から、ランボルギーニのニューモデル戦略を冷静に分析していた。アヴェンタドール SVJに続いて発表されるのは、そのロードスター仕様にほかならず、限定数もさほど大きく変わらないか、わずかに少ない程度だろうということを。ムルシエラゴ時代までの12気筒ミッドシップ・ロードスターは簡易なソフトトップが装備されるのみだったが、アヴェンタドールではこれが左右に二分割されるカーボン製のハードトップに変更。それによってこれまでアメリカの西海岸がメインの市場だったオープンモデルも世界中で人気を博す商品となっていたから、それを入手できる競争率はさらに高くなる。

実際にランボルギーニが、その予想通りにアヴェンタドール「SVJ ロードスター」を2019年のジュネーブショーで、「SVJ63 ロードスター」を同年8月のモントレー・カーウィークで世界初公開した。生産はやはり限定で行われ、SVJ ロードスターは800台、それに例の63台の限定版、SVJ63 ロードスターが加わる。クーペでの売れ行きを参考にするのならば、2020年も目前に迫った今、そのすべてにはカスタマーが決定している可能性も相当に濃厚だと見るべきだろう。

「トップのオープン時とクローズド時、どちらもスタイルは抜群」

アヴェンタドール SVJ ロードスターのエクステリアは、クーペと同様にとても刺激的でシャープなスタイルに映る。基本的なデザインは、もちろんクーペのそれに共通しているが、着脱式のカーボン製ルーフを備える関係から、キャビンのリヤにはウインドディフレクターの機能を兼ねるコンパクトなウインドウが備わり、したがってリヤのエンジンカバーのデザインも一部ロードスター用に修正されている。

トップのオープン&クローズの動作は残念ながら手動になるが、トップ自体は軽く、実際の作業はラッチを操作するだけなので、ドライブ中にそれが負担になることはないだろう。もちろんトップを装備した時のスタイルも抜群で、クーペのアッパーライン、すなわちフロントボンネットからフロントウインドウ、ルーフを経てリヤのエンジンカバーへと至るラインも忠実に再現された。

「美しく戦闘的であると同時に、エアロダイナミクスでも高い性能を有している」

このエクステリアデザインは、もちろん美しく戦闘的であると同時に、エアロダイナミクスでも非常に高い性能を有している。フロントマスクにはサイドフィンがクーペと同様に追加され、大型のサイド・エアインテークや前後のディフューザーなど、アンダーボディでも積極的な改良策が施されている。リヤには大きなウイングが備わるが、これはウイング内を通過するエアを調整することで左右のダウンフォース量を変化させるALA=エアロダイナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァというランボルギーニ独自のメカニズム。

それによってエアロ・ベクタリングを可能にし、コーナリング時に大きな効果を生み出すことは、すでにウラカン ペルフォルマンテなどでも実証済みのシステムだ。またこのエアロダイナミクスの改善に伴って、ランボルギーニはサスペンションのセッティングを改良。例えばアンチロールバーは、かつてのSVと比較して、さらに50%もハードなセッティングとなった。またシャシーにはLRS=後輪操舵システムも採用されている。

「特別装備で武装するSVJ63が究極のアヴェンタドールとなるのは間違いない」

ミッドに搭載されるエンジンは、これもクーペのSVJに等しい。すなわち最高出力で770psを発揮する6.5リッターのV型12気筒自然吸気。ランボルギーニが、アヴェンタドールの次世代モデルで12気筒自然吸気エンジンを継承するかどうかは、残念ながら現在の段階では不明だが、SVJ、あるいはカーボンパーツをさらに多用するなどさまざまな特別装備を加えたこのSVJ63が、ある意味で究極のアヴェンタドールとなることは、まず間違いのないところ。

アヴェンタドールは2011年のデビューであり、途中2016年にビッグマイナーチェンジ版の「S」に進化。前作のムルシエラゴがほぼ10年間生産されたことを考えると、アヴェンタドールの次期モデルもそろそろ準備段階にあるに違いないからだ。SVJはアヴェンタドールのヒストリーを締めくくる1台となるのか。それともさらなる進化をランボルギーニは描いているのだろうか。

REPORT/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)
PHOTO/篠原晃一(Koichi SHINOHARA)

※GENROQ 2020年 1月号の記事を再構成。記事内容及びデータはすべて発行当時のものです。

文:GENROQ Web 山崎元裕
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