13年もの間地味に売れ続けていたトヨタ アイシス。今や貴重な5ナンバーサイズミニバンで、最大の特徴は解放感バツグンのパノラマオープンドアであった。しかも178万5000円スタートと驚異的なコスパの高さからずっと支持されていた人気モデルである。でもこれといった後継モデルも存在せず……今こそアイシスじゃないか!?!?!?
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
[アルファード]もアイシスの解放感にはかなわず!? ずっと売れ続けた秘訣は180万円以下スタートの価格設定か!?
■トヨタでさえやめた……販売チャネル拡大路線は終了!?
テールランプもかなり特徴的。ホワイトアウトできるパーツも純正オプションでラインアップしていたことから、コチラの装着率もかなりのモノであった
バブル期などは各メーカーとも販売チャンネルを多数展開し、いくつもの兄弟車種をリリースしていた時期もあった。これは右肩上がりだった景気によって、新型車を出せば出すだけ売れていたことも大いに影響しており、販売チャンネルを増やせばそれだけユーザーにアプローチできる率も上がるという考えによるものだった。
しかし近年ではどのメーカーも販売チャンネルを絞り、車種も削減することで余計なリソースを割かない方針に転換している。あのトヨタでさえ2017年に2020年代半ばまでに車種を30車種ほどまでに絞ると発表し、販売チャンネル関係なく全車取り扱いに変更しているのだ。
そんな車種削減のあおりを受けた形で2017年末に終売となったアイシスは、13年という長きにわたって販売された、隠れたベストセラーミニバンだった。
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■解放感ハンパなし!! 取り回しの良さ&室内の広さも文句ナシだった
やっぱこの解放感は今のアルファード/ヴェルファイアですら叶わないのだ
2004年9月に登場したアイシスは5ナンバーサイズを基本とした(エアログレードはエアロパーツ分で3ナンバーとなる)3列シートモデルで、ノアやヴォクシーのように常に3列を使用するのではなく、通常は3列目を床下に格納し、ステーションワゴン的に使うことを想定したモデルとなっていた。
同様のコンセプトのモデルはウイッシュが存在していたが、あちらはヒンジドアなのに対し、アイシスは両側スライドドアを備えていたのが大きな違い。
そして何よりオンリーワンだったのが、「パノラマオープンドア」と称されるセンターピラーレス(正確にはドア側にセンターピラーを内蔵)の大開口部を助手席側に持っており、非常に使い勝手の良いモデルとなっていた点だった。
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■ピラーレスが安全面でクリアできず終売!? 後継モデル切望したいけど……
センターピラーレスのスライドドアモデルは、現行型ではダイハツ タントやホンダ N-VANに採用例があり、アイシスの前年に登場したラウムも採用していたが、3列シートを持つモデルはアイシスがオンリーワンの存在となっており、ファミリーカーとしてはもちろん、介護系の送迎車などに使用される例も少なくなかった。
そのため、圧倒的な大ヒットとはいかなくても2004年から2017年まで、ジワジワと売れ続けるロングセラーモデルとなったワケなのだが、かといって新型モデルを開発するほどは売れてはおらず、特にセンターピラーレスは衝突安全の面でクリアしなければならない点が年々厳しくなっていることもあって、1代限りのモデルということになってしまったのだった。
【画像ギャラリー】さすがにアルファードもこの解放感には負けるぜ!! アイシスのすごすぎるドア&内装を写真で(5枚)
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みんなのコメント
CMみたいにドア開けっぱなしで何かする機会などないから。
Aピラーが太いイメージしかない。