ライバル以上の走る喜びを醸し出す
フォルクスワーゲン・グループのスコダが2025年に発売したエルロックは、英国で急速に支持を集めつつある。バッテリーEVとしての性能だけでなく、創刊130年のAUTOCARが重視し続けてきた、運転の楽しさもしっかり宿す。
【画像】クロスオーバーへ一新 日産リーフ 英国で同価格帯のライバル 2代目リーフも 全112枚
車重は2115kgあり、新しい日産リーフやキアEV4より200kg近く重い。それでも、後輪駆動の走りは鋭い。1基の永久磁石同期モーターは286psを発揮し、0-100km/h加速を6.5秒でこなす。
正確で安定感の高いステアリングに、巧妙に姿勢を制御するサスペンションが、リーフやEV4以上の喜びを醸し出す。見た目はSUVでも、今回の3台では運転が1番楽しい。
華やかで開放的なインテリア 後席は狭め
エルロックは小柄なリーフより約140mm長く、実用性も僅かに優れる。荷室容量は470Lもある。リーフには、床下に充電ケーブルをしまえる便利な収納が備わるが、容量は437L。EV4は435Lとやや劣り、2台とも床面が高く荷物を載せにくい。
乗員空間も、エルロックにはゆとりがある。3台では1番長いEV4も、当然だが広々。クーペ風のシルエットを持つリーフの後席は、高身長の大人には少し窮屈だろう。ファミリーカーとして、充分に使える広さではあるとしても。
そのかわり、リーフの前席側はホワイトの差し色が華やかで開放的。ダッシュボードは特徴的なブルーの合成皮革で覆われ、好ましい個性がある。スコダやキアの、落ち着いたモノトーンを好む人もいるとは思うが。
操作しやすいモニター エアコンの調整も簡単
インフォテインメントは、リーフが僅かにリードする。ダッシュボードがタッチモニターの下で手前に出ており、操作時に手を支えるのに好都合。タッチセンサーのショートカットで、エアコンの温度調整も簡単にできる。
EV4のシステムも悪くない。直感的に扱え、ショートカットの設定も難しくない。エルロックは、タッチモニター下のタッチセンサーが曲者。エアコンの温度を上げたいのに、ラジオのボリュームを変えてしまうこともあるだろう。
もっとも、いずれも慣れれば使いにくいものではない。アップル・カープレイとアンド・ロイドオートに無線で対応し、ナビは充電ステーションの位置も検索できる。
バランスの取れたリーフ 真の万能選手は?
最後に価格。リーフの正式決定はまだだが、英国では約3万9000ポンド(約795万円)になる見込み。グレートブリテン島で生産される唯一の量産EVだから、政府は3750ポンド(約76万円)の補助金対象にすると考えられる。
チェコ生産のエルロックは、補助金を引いた状態で3万7160ポンド(約758万円)。EV4は3万9395ポンド(約804万円)で、補助金の枠は未定。スロバキアで生産されており、1500ポンド(約31万円)が適用される可能性が高い。
恐らく、3代目リーフはエルロックやEV4と同等か、お手頃になる。運転体験は、EV4より上質で一体感に優れる。車内空間は狭めでも、日産らしく独創的なデザインには魅力がある。バランスの取れた、優れた1台が誕生したといっていい。
それでも、今回の勝者はエルロック。電費に優れ、走りは活発で実用性も勝る。電動ファミリー・クロスオーバーとして、真のオールラウンダーと呼べる実力者だ。
番外編:3台の現実的な航続距離は?
カタログ上の航続距離と、現実的な条件での距離が大きく異なることは、周知の事実かもしれない。今回は高速道路や郊外の幹線道路、市街地などを複合的に走らせて、3台の距離を比較してみた。
試乗を終えて満充電にしたリーフの場合、モニターへ表示された航続距離は354km。対するEV4は370km、エルロックは428kmと、大きな差が出る結果となった。
空力特性に優れたボディをまとい、ヒートポンプ式エアコンが標準で、バッテリーの熱管理へ力が注がれたリーフだが、期待に届かない数字といえる。ただし、あくまでも簡易的に測ったもの。英国仕様の量産版で、改めて確かめる必要はあるだろう。
4万ポンド(約800万円)以下のEV 3台のスペック
日産リーフ 75KWH(欧州仕様)
英国価格:約3万9000ポンド(約795万円/予想)
全長:4350mm
全幅:1810mm
全高:1550mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:7.6秒
航続距離:603km
電費:7.2km/kWh(予想)
CO2排出量:−g/km
車両重量:1937kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:75.0kWh
急速充電能力:160kW(DC)
最高出力:217ps
最大トルク:36.1kg-m
ギアボックス:1速リダクション/前輪駆動
スコダ・エルロック 85 エディション(欧州仕様)
英国価格:3万7160ポンド(約758万円/補助金適用後)
全長:4488mm
全幅:1884mm
全高:1654mm
最高速度:178km/h
0-100km/h加速:6.5秒
航続距離:561km
電費:6.4km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2115kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:77.0kWh
急速充電能力:175kW(DC)
最高出力:286ps
最大トルク:55.4kg-m
ギアボックス:1速リダクション/前輪駆動
キアEV4 GTライン・ハッチバック(欧州仕様)
英国価格:3万9395ポンド(約804万円)
全長:4730mm
全幅:1860mm
全高:1480mm
最高速度:168km/h
0-100km/h加速:7.9秒
航続距離:582km
電費:6.9km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1896kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:78.0kWh
急速充電能力:129kW(DC)
最高出力:203ps
最大トルク:28.8kg-m
ギアボックス:1速リダクション/前輪駆動
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「やっぱトヨタはすげぇよ…」新型スーパーカー『GR GT』発表にSNSは興奮の渦!「V8ツインターボはあつい!」「会長は国宝」など絶賛
V12のNAエンジンにMTを組み合わせた「最新」ハイパーカーってマジか! しかも800馬力で1トン切りの「ガラジスティGP1」がクルマ好きの夢すぎる
「めっちゃツボ」日本初公開の新型マツダ『CX-5』にSNS注目!「ディーゼルどうなる」など話題に
「間違いなく正解」新型トヨタ『RAV4』がSNSで話題沸騰! 注目グレードはやはり「GRスポーツ」
「ムレや汗冷え知らず」「着る換気扇!?」ワークマン「サーキュレーター」シリーズが2900円~で販売中
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?