■海外で人気のコンパクトセダンはどんなクルマ?
現在、国内ではセダンのラインナップが減少し、セダン市場から撤退してしまったメーカーもあるほどです。
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しかし、海外ではセダンはまだまだ人気車種で、とくに欧米では数多くのセダンを各メーカーがラインナップしています。
一方で、新興国ではコンパクトカーや3列シートのコンパクトミニバンが売れていますが、コンパクトカーをベースにセダン化されたモデルもファミリー層のエントリーカーとして人気があるようです。
そこで、日本では販売しされていないコンパクトセダンを3車種ピックアップして紹介します。
●ホンダ「アメイズ」
ホンダが2018年にインドで発売したコンパクトセダン「アメイズ」は、セダンラインナップのなかのエントリーモデルです。
ボディサイズは全長3995mm×全幅1695mm×全高1501mmと、全長、全幅は新型「フィット」と同等のコンパクトさで、車重も905kgからと軽量です。
外観は「CR-V」などのSUVをイメージさせる、ボンネット部分が高い独特なデザインで、コンパクトなボディながら押出し感のある印象となっています。
リアのトランク部分はミニマムサイズで、横から見るとかなりユニークな造形です。
エンジンは2種類から選べ、最高出力90馬力を発揮する1.2リッター直列4気筒ガソリンと、100馬力(MT車)の1.5リッター直列4気筒ディーゼルが設定されています。
組み合わされるトランスミッションは5速MTとCVTがあり、インドでの価格は日本円で約94万円からとリーズナブルです。
●ダットサン「オン ドー」
日産が海外で展開しているブランドは、高級車の「インフィニティ」と、新興国向けの「ダットサン(DATSUN)」のふたつがあります。
ダットサンというブランド名は1930年に、日産の前身である快進社が製造したクルマに由来し、日本や北米などで長く使われてきたブランドでしたが1980年代に消滅。2012年に新興国向けブランドとして復活しました。
現行のラインナップにはコンパクトカーの「GO」やコンパクトSUVの「クロス」などがありますが、セダンではロシアと旧ソ連専用の「on-DO(オン ドー)」が販売されています。
ボディサイズは全長4337mm×全幅1700mm×全高1500mmで、雪道や悪路に対応するために最低地上高が174mmとかなり高く設定されているのが特徴です。
デザインはオーソドックスですが前後のバランスが良く、奇抜でないところが新鮮に映ります。
内装はシンプルながら装備が充実しており、シートヒーターや温度が表示される水温計が全車標準装備されているのが厳寒地ならでは。
搭載されるエンジンは87馬力の1.6リッター直列4気筒SOHC8バルブ仕様と、106馬力の1.6リッター直列4気筒16バルブ仕様が設定され、トランスミッションは5速MTと4速ATが選択可能です。
生産はロシアの自動車メーカー「アフトワズ」の工場でおこなわれ、ロシアでの価格は日本円で約75万円からと、かなり安価に設定されています。
■スズキのセダンは日本でも売れそう!?
●スズキ「ディザイア」
スズキのコンパクトカー「スイフト」は、日本のみならず海外でも販売される世界戦略車で、スイフトの派生車として、主にインドと新興国で販売されているセダンが「ディザイア」です。
ディザイアは現行のスイフトの後部をトランクに作り変えてセダン化され、フロントフェイスも専用のバンパーとグリルが装着されるなど、スイフトとの明確な違いを主張しています。
また、全体の佇まいもセダンとしてキチンとデザインされており、違和感はありません。
ボディサイズは全長3995mm×全幅1735mm×全高1515mmとコンパクトで、全幅は「スイフトスポーツ」と同じ値ということから、フェンダーはスイフトスポーツと同形状となっているようです。
内装はスポーティなイメージのスイフトに対してシックなデザインとされ、リアシートの前方足元にエアコンの吹き出しがあるのが、暑い国に向けたモデルならでは。
エンジンは国内のスイフトと同じ1.2リッター直列4気筒自然吸気ですが、ガソリンの品質を考慮して91馬力から83馬力にデチューンされています。トランスミッションは5速MTと、スズキ独自のオートメーテッドMTである5速AGSを設定。
ディザイアのインドでの価格は日本円で約90万円からとなっています。
※ ※ ※
新興国向けのクルマは、ずいぶんと様変わりしてきた印象があります。以前はとにかくシンプルで安価なモデルばかりでしたが、現在では装備が充実しているだけでなく、デザインもスタイリッシュなモデルが多くなりました。
こうしたモデルを日本で販売するとなれば、排出ガスなどの環境性能についてはあまり問題はありませんが、安全性能や質感は改良の必要がありそうです。
そうなると必然的に価格も上がってしまうので、結局は日本で販売するメリットはないのかもしれません。
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