1台限り、900psのEVプロトタイプ
text:Will Trinkwon (ウィル・トリンクウォン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
フォードは米国ラスベガスで開かれたSEMAショーで、マスタングのEVプロトタイプを発表した。900psを発生し6速MTを搭載する。
「リチウム」と名付けられたEVは、ドイツ、ベバスト社との共同開発。フォードは間もなく正式発表する、マスタングを彷彿とさせるEVのSUV「マッハE」へとつなげたい考えだ。そちらは、11月下旬のロサンゼルス・モーターショーでお披露目となる予定。
この「リチウム」は、標準のマスタングからかなりの手が加えられている。エクステリアでは、カーボンファイバー製のボディキットに20インチのアルミホイールなどが目を引く。
フォード製のパフォーマンス・トラックハンドリング・パッケージも組まれている。フロントストラットは専用品になり、車高は25mmほどダウン。6ポッドのブレンボ製ブレーキキャリパーがフロントに付く。
ビーストを含む4種類のドライブモード
インテリアは基本的に標準のマスタングと同じだが、特別仕様の10.4インチのインフォテインメント・システム用モニターが装備された。ドライブモードは4種類を用意。ヴェレイ(身近な)、スポーツ、トラック、ビーストから選べる。順にパフォーマンスが向上し、モニター上で変更ができる。
ステアリングホイールやダッシュボード、ドアの内張りなどは特別仕様のブルーでコーディネートされている。
ボンネットの下には、V8エンジンではなく、デュアルコア・モーターが鎮座。電圧800Vのベバスト製バッテリーが電力を供給する。最高出力900ps、最大トルク138kg-mを発生し、6速MTへと導かれる。
フォードは航続距離は明らかにしていないが、長距離よりも高速走行にフォーカスを当てた設定になっている模様。一方で、フォードが「マッハE」に関して明らかにした唯一のスペックは航続距離。1回の充電で595kmを走行できるという。
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