夏の行楽シーズンに立ちはだかる“首都高オリパラ1000円増し”から都心ドライバーは脱出できるか？

対象は個人の乗用車で、働くクルマは割増しされない

東京オリンピック・パラリンピック2020に合わせて、都内への交通流入を制限するロードプライシング（料金施策）が話題です。オリンピック大会期間の2021年7月19日～8月9日と、パラリンピック大会期間の8月24日～9月5日の、昼間（6時～22時）の通行料に1000円が上乗せされています。

ちなみにSNSなどでは「天下の愚策」、「物流を滞らせる」と批判が続出で、トラックなど物流への負担が大きくなっていると勘違いされがちですが、今回、割り増しの対象となるのは、基本的に乗用車（二輪・軽自動車・登録車）だけで、「中型車」「大型車」「特大車」は従来通りの通行料です。つまり、物流を担うクルマにとっては乗用車が減り、むしろ走りやすい状況といえます。

そのほか、軽自動車や、登録車でも4ナンバー、6ナンバーの商用車（トラックやバン）はETC搭載車に限って割り増しの対象外。乗用車であってもタクシーなどの緑ナンバーや軽自動車の黒ナンバーといった事業用のETC装着車も対象外と、働くクルマ全般は割り増しされないようになっています。

また、個人であってもキャリイなどの軽商用車、ハイエースなどの1BOXバンを個人ユースしている場合、8ナンバーのキャンピングカーなどのETC装着車も通常料金で走行できますが、このあたりはこうした施策につきものの抜け穴といったところでしょう。

早起きは三文の得！　早朝出発なら普段の半額に

では、多くの一般ユーザーは首都高の割り増しから逃げることはできないのでしょうか。割り増し施策による不満の解消ということで、夜間（0時～4時）についてはETC装着車に限り、通行料が半額になる割引サービスも実施されています。これは走行している時間帯ではなく、あくまでも首都高の利用開始時（最初のETCアンテナ通過時間）が基準となります。つまり4時ちょうどに首都高のETCゲートを通過すれば、そこから先の区間すべてが半額になるのです。

東名高速から東北道に抜けるといったルートであれば、半額になる時間帯に用賀料金所を通過すれば、通常1320円もかかる首都高の通行料が660円になるのです。思えば、現在の料金体系になる前、首都高の通行料は端から端まで走ったとしても700円でした。それより安い料金で走行できるのですから、まさに早起きは三文の得というわけです。

千葉方面ドライブなら神奈川ルートで割増しを避ける手もあり

また、埼玉県内、神奈川県内の首都高については1000円割り増しの対象外となっています。たとえば神奈川線については該当時間帯に湾岸環八を過ぎると1000円増しの対象となるということですが、もし千葉方面に行こうというのであれば、東名・横浜青葉インターから首都高・神奈川7号線を利用して、湾岸線を通ってアクアラインを使えば割り増しされることはありません。

ただし、割り増しを避けようと、普段と違うところで渋滞が発生しているという話もありますので、交通情報は要チェックです。

文：山本晋也（自動車コミュニケータ・コラムニスト）

※写真は首都高速のHPより

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出掛けるな

1000円くらいではどうとも思わない。