徳川家康の人生で三大危機と言われる「三河一向一揆」(1563~1564年)、「三方ヶ原の戦い」(1573年)、そして「伊賀越え」(1582年)ですが、織田信長が明智光秀の謀反で死に追いやられた「本能寺の変」によって、堺を見物をしていた家康一行が退路を絶たれる恐れが生じたため、少人数で決死の逃避行となったのが、世に言われる「伊賀越え」です。非常に危険な伊賀の国のどこを通過したのか、諸説があり真実は分からないようです。
家康にとって伊賀の国が危険である理由は、信長の所業によるものでした。自治権を持ち信長に従わない伊賀の土豪を、1579年の「天正伊賀の乱」で武力制圧したのです。従って、信長の家臣でもあり盟友の家康の通行は、安全ではなかったのでしょう。
「伊賀越え」の道をスーパーカブで巡る 家康一行が一泊した多羅尾氏の山城「小川城」へ
「伊賀越え」3日目となる6月4日、前夜の宿泊地であった「小川城」の城主、多羅尾光俊(たらおみつとし)は甲賀の土豪でもあり、息子たちと甲賀衆に守備をさせて伊勢国(現在の三重県鈴鹿市)の白子(しろこ)の浜まで護衛させたと言われています。
そして忘れてはいけないのが、NHK大河ドラマ『どうする家康』で山田孝之さんが演じる服部半蔵の働きです。交渉役として伊賀と甲賀を味方につけて家康を安全な場所に導いた手腕は、後の世まで語り継がれました。
さて、そんな「伊賀越え」のスポットをスーパーカブで巡ってきましたが、伊賀を経てようやく白子の浜に到着しました。大阪の枚方市から鈴鹿市まで、スーパーカブでは1日で走破できる行程でしたが、それでもお腹いっぱいです。死の危険に晒されながらここまで辿り着いた家康は、やはり「持っている」人物だったのでしょう。
気になったのが、白子の浜の港に設置された解説板です。ここへ辿り着いた時に落ち武者捕縛に行く手を遮られた一行は、とっさに小川孫三という人物が納屋に身を隠させたとあります。
捜索人は孫三に対して「かくまったことを申せ」と迫りましたが、孫三は騒がず「疑うようなら探せばいい」と、麦束積みの手を休めずに答えて捜索人を去らせたのだとか。
最後の最後に訪れた大ピンチも、勇気と知略のある人物の行動によって回避できたわけです。これほど周囲の人間に恵まれた天下人はいない、改めてそう思いました。
さらに解説板には、「6月4日の夜ひそかに孫三の漕ぐ舟で駿府に戻ることができ、天下統一への第一歩を踏み出した」と記されていました。
しかし、もし織田信長が「本能寺の変」で殺されていなかったら……明智光秀の謀反が成功して天下人への名乗りをあげていたら……家康が「伊賀越え」の道中で殺されていたら……現在の日本の姿、形、思考、歴史は、また違ったものとなっていたはず。
いくつものピンチを乗り越えたのは偶然や奇跡だけでなく、人脈の大切さや協力者の存在を大事にする生き方、若年時から数々の困難を乗り越えてきた経験値の深さによるものだと、改めて思う旅でした。
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みんなのコメント
でも完全に脳ミソが溶け出してる記事だな