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電力を得たジャイアントキラー ポルシェ911 ターボS(1) カレラGTS譲りの3.6Lフラット6 アナログとデジタルが理想的に共存

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電力を得たジャイアントキラー ポルシェ911 ターボS(1) カレラGTS譲りの3.6Lフラット6 アナログとデジタルが理想的に共存

すべてを高次元で実現した無二の存在

300km/h超えのスーパースポーツでありながら、根底にある多能性と親近性。これぞ、1975年からポルシェ911 ターボが築き上げてきた、孤高のアイデンティティだろう。

【画像】電力を得たジャイアントキラー『ポルシェ911 ターボS』とライバルの上級グランドツアラーたち 全179枚

実のところ初期の930型911 ターボは、その危うさから「ウィドウメーカー」、未亡人製造機と呼ばれることもあった。しかし1995年に、四輪駆動を採用した993型が登場。究極のスポーツカーという印象を、深く刻むに至った。

911シリーズの中で、最も強力で高速なだけではない。公道やサーキットでは出色の走りを披露し、大陸横断級の長距離ドライブも快適にこなせる。季節を問わず、普段の足としても活用できる。このすべてを高次元で実現する、無二の存在になってきた。

そんな911 ターボは、アップデートを受けた992.2型の「S」で、遂に「T-ハイブリッド」が実装された。他の911とは一線を画す、高濃縮のハードウェアに。

3.6Lフラット6と8速PDKの間に駆動用モーター

エンジンは、911 カレラGTSと同じ3591ccの水平対向6気筒。前期の992.1型では3745ccだったから、僅かにシリンダーボアは縮小している。ピストンは強化品で、バルブの駆動系には911 GT3と同じ技術が採用される。

そのエンジンと8速デュアルクラッチATの間には、82psと19.1kg-mをアシストする駆動用モーターを搭載。フロントの収納空間の背後に、水冷されるNMCセルの駆動用バッテリーが隠れている。

2基のターボはGTS用ユニットより小型で、内蔵される電気モーターがレスポンスを補完。その結果、最高出力は6500-7000rpmという広い領域で、711psを達成。81.4kg-mの最大トルクは992.1型と同値ながら、発生領域は2200rpmぶん広がった。

これを受け止めるブレーキは、セラミックコンポジット・ディスク。直径は前が420mm、後ろが410mmあり、歴代の911では最大級となる。

専用チューニングのサスにワイドなボディ

T-ハイブリッドが稼働する電圧400Vのシステムを活かし、高速に反応する電動油圧制御のPDCC(ポルシェ・ダイナミック・シャシー・コントロール)も実装。アクティブ四輪駆動システムには、リアに電子制御ロックデフが与えられた。

コイルスプリングが支えるサスペンションには、専用調整のPASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント)が標準装備。車高が落ちるスポーツ・サスも、オプションで用意される。取付部分やクロスメンバーも、強化されている。

911 ターボらしく、ボディはワイド。通常のカレラ比で、フロントフェンダー部分は45mm、リアフェンダー部分で20mm幅が広い。リアタイヤの幅は、992.1から10mm広がり、325となった。

スポーツカー屈指のキャビンデザイン

インテリアは、コーディネートの幅が広く、楽しく悩める。930型で採用されていた、目が眩みそうな格子のパシャ柄で、シートを包む事もできる。試乗車はターボナイト・グレーで統一され、若干地味な印象ながら、素材の質感は間違いなく高い。

シートは座り心地が素晴らしく、落ち着いた造形で居心地も良い。操作系は直感的なデザインで、運転環境の人間工学も高水準。後方も含めて、視界の広さも申し分ない。普段使いとの親和性にも配慮され、スポーツカー屈指のキャビンといえる。

エアコンやオーディオ、ライト、ミラーだけでなく、ノーズリフト機能にサスペンション、スポーツエグゾーストやドライブモードの切り替えにも、物理スイッチを採用。いずれもタッチが素晴らしく、ひと目で役割を理解できる。

+2の後席と128Lの荷室が生む実用性

メーターパネルはモニター式。表示はカスタマイズできるが、従来的な5連メーター・グラフィックがあれば、と思うのは筆者だけではないだろう。センターモニターが存在しても、アナログとデジタルのバランスは理想的に思える。

フロントの2席は、18ウェイのアダプティブ・スポーツシート。オプションで、パッドの薄いスポーツ・バケットシートも設定され、座面の位置を僅かに下げられる。標準のアイテムは、快適で乗り降りしやすいものの、若干高めだ。

+2のリアシートは、車重がやや増えるが無償オプション。ボンネット下の荷室は128Lで、歴代の四輪駆動の911では最大級。駆動用バッテリーを積むが、小さなスーツケースなら収容できる。この実用性は、確かな魅力だ。

車重はハイブリッド化で85kg増え、1725kgが主張される。ガソリンタンクが半分での計測値は、1754kgだった。極端に重くなったわけではないが、ハイブリッドの911 カレラGTSと150kgも差があることは間違いない。

気になる走りの印象とスペックは、ポルシェ911 ターボS(2)にて。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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