運営元:旧車王
著者 :きもだこよし
70台を超える旧車が川越の街に集結した「小江戸川越まちかどモーターギャラリー」
2025年5月25日、埼玉県の某所で開催されたイベントがある。1990年代の車輌を中心に集められたカーイベント「第6回東京キューマルミーティング」だ。
今回で7回目を迎える「キューマルミーティング(主催者によると、過去に臨時で開催したことがあり、それは"2.5回"と銘打ったそうだ)」は、1990年代に生産されたクルマを集めたイベントだ。
エントリー条件は年式のみで、国産、輸入車を問わず参加が可能。ただし、(条件ではないのだが)会場がシークレットとなっている。
■秘密の会合へようこそこう書くと、まるで秘密裏にこっそり行う集まりのように聞こえてしまうが、前述のとおり、参加者以外には会場を明かしていないという意味合いだ。実際は至ってポピュラーなカーイベントである(実際に筆者も取材の旨を打診するまで会場を知らなかった)。
イベントの参加者はエントリーフォームから参加の表明を行い、必要事項を記入して送信すると、主催者側から返信の連絡とともに会場の場所が伝えられる。何やら背徳感溢れる秘め事のお誘いのように書いてしまったが、実際にはトラブル防止や安全対策の一貫で行われた予防措置的な参加申込がその理由だ。
主催者にそのあたりを伺うと、近年カーイベントで開催場所をオープンにしてしまうと参加枠以外の車輌が見学者として会場に来られる。それ自体は何ら問題はないのだけれど、なかにはこちらの基準を満たさない車輌(極論車検が通らないようなクルマ)も現れてしまう。そうしたクルマを未然に防ぎ、なおかつ飛び入り参加の車輌が来ることもない。さらに、参加者全体の把握もできるので、このような手法をとっているそうだ。そうしたことからも、参加者が安心して親睦を深めることができるという。
■なぜ90年代に惹かれたのか?参加している方たちの年齢は、ざっと見るだけでも相当に若く見える。実際筆者が話をうかがった方々にそれとなく聞いた年齢も、30~40代が主流であり、おそらくは20代の方もいたのではないかと思われる。そんな彼らがどうして免許も取得できない年齢の時分に生産されたクルマに惹かれたのだろうか?幾人かに伺うと、大きく分けて2つの答えが挙げられる。
ひとつは年配である筆者たちにもあることだが、自身の現体験に基づいていることが多い。子どもの頃自宅にあった。親が乗っていた。自動車ショーで見て憧れた。そういった類いのものだ。なかには親から引き継いでのツーオーナー(ワンファミリーカー)として大事に乗られている方もいる。
もうひとつは、技術的な意味での安心感からスタイル等に惚れ込んで乗る人だ。技術的、つまり整備性やメカニズムの見地から、部品が80年代以前のモデルよりも比較的用意に手に入ったり、現行の車輌よりも技術的に複雑すぎたりしないので、余計な心配がない。余計な心配とは何だろう?と思い、詳しく聞くと、現代の車輌はとかく表示が出るとエンジンが始動しなくなり、だましだまし動いたり様子をみるという余地がないからだという。
確かに最近はエンジンフォルトの表示が出たら動かすなさわる何もするなとディーラーからいわれてしまう。昔はもう少しゆとりがあったようにも思われる。もちろん本来は動かさず工場で調べるのが一番なのだが、診断方法がテスターのみでユーザーからの話でメカニックが当たりをつけるといった部分は最近ではほとんど見聞きしなくなってしまった。そう考えると彼らは工業製品というより、血の通った人どうしの温もりのようなものをこの年代のクルマに感じているのかもしれない。
■「キューマルミーティング」参加車輌をピックアップしてみたそんな人肌的な暖かさを感じさせるこだわりで手に入れたクルマ達をいくつかご紹介したい。
●トヨタ カローラ セレス(E100)購入して1年くらいはそのまま寝ていたという。まだ車内のビニールも残っている車体だが、屋外でずっと置かれていたクルマだったそうだ。そのため外装の痛みは激しかったそうだが、元々の色味が気に入っていたこともあり、同じ色で再塗装を行っているという。
●ホンダ ステップワゴン(RF1)オークションで購入したワンオーナーカー。この初期型指定で代行にお願いしたという。頼んだお店がビートなどをメインに扱うお店だったらしく、お店の人からもなぜこのクルマをわざわざ指定で?と驚かれたらしい。オーナーはこのスタイルに惚れ込んで買ったので、今は機関関係を直しつつ、この実用車としての機能美を楽しんでいるとのことだ。
●トヨタ カローラ レビン(AE111)新車から乗られているという。親が乗っていたものを譲ってもらい、自身が引き継いで乗っているという。実はもともと乗られていたのはお母様。なんと歴代すべてがMT車というなかなかのツワモノだ。そんなお母様から引き継いだレビンだが、この新車時からただの1度も車検は途切れていないというから驚きだ。今もって現役で走り続けるワン(ファミリー)オーナーカーだ。
●日産 キャラバン(E24)主催者が乗りつけた2台目のクルマ。本日ダブルエントリーで乗りつけたうちの1台で、ご自身は同じく日産のW30ラルゴで乗り付けていた。こちらは友人に運んでもらったという。過去にも同じE24のキャラバンを乗られていたが、その後さまざまな車輌を乗り継ぎ、ふと足車に再びこのキャラバンが欲しくなり、手に入れたという。商用ナンバーであるにもかかわらず、とても綺麗な状態で残っていた1台で、バンパーも塗装ではなくプラの地そのもの。会場に訪れた人にももう少しこの良さに気づいてほしいと話していた。
■キューマルミーティング主催者に聞く「90年代車の魅力」とは?主催者である潤也さんは、いったいなぜこの90年代に惹かれたのだろうか?日産のワゴン2台体制で参加している潤也さんは、過去にはGX-81型のトヨタ マークIIにも乗られていたそうだ。
今ではラルゴとキャラバンの2台体制でどこにでも出掛けるという。元々キューマルミーティングの発祥も、九州で開催されていた福岡キューマルミーティングに感銘を受けたことから関東でもやってみたいとはじめたそうだ。
90年代のクルマというカテゴリーに魅力を感じるのは、自身で手を入れられる余地のあるところだと潤也さん考えている。また、ここまでがクルマに必要なものがすべて揃った最高の時代だったのではないかと考えてもいるという。
潤也さんは「この年代のクルマって本当に贅沢にしっかりと作られているじゃないですか。ここから先ってどんどんコストカットや簡略化が進んで、同時に走らせることに必要以上な装備が増えてしまった気がするんですよ」と、90年代車の魅力を語ってくれた。
確かに90年代にはパワーアシストやABS、4WDをはじめ、快適装備いわゆるエアコンやオーディオもすべてある。その後にナビは出てきたが、バックモニターや警告センサーなどはアップデートに過ぎない。ましてや、駐車アシストや自動運転などはもはやアシストの域を越えたものといえるかもしれない。それらのシステムが安心安全を提供する代償に、ドライビングという人が担う根幹を人の手から離して行きつつあるのも21世紀の自動車事情とも言えるだろう。
まだまだ発展を願うキューマルミーティングだが、この日もすでに90台近い参加車輌が集まっていた。前回のイベントで雑誌紹介をされたことも宣伝効果になっているのでは?と潤也さんは話す。
すでに堂々の規模のイベントだが、主催者としては常連メンバーが増えて欲しいとのことだ。新期や1回とか2回の間を開けての参加者はいるのだが、常に来てくれている参加者がもうひとつ少ないとのこと。
勝手のわかる常連さんがいれば、より初参加の方も目安や参考に出来るのかもしれない。多くの参加者が口にした、人との親和性がもっとも感じられる車輌が登場した90年代。そう考えると90年代もとい20世紀というのは、人とクルマがもっともいい関係を結べた、あるいはクルマが幸せだった時代なのではないだろうか?
[ライター・カメラ / きもだこよし]
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