現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > いる? いらない? いざという時の「スペアタイヤ」が激減した理由とは

ここから本文です

いる? いらない? いざという時の「スペアタイヤ」が激減した理由とは

掲載 更新
いる? いらない? いざという時の「スペアタイヤ」が激減した理由とは

■見かける機会が減った「スペアタイヤ」

 一昔前まで、クルマのトランク下部には「スペアタイヤ」と呼ばれる、タイヤに万が一のトラブルが起こった際に交換する予備のタイヤが備わっていました。

ミニバンは嫌、でも7人乗り欲しい… 200万円台から選べる話題の「3列シートSUV車」5選

 しかし、最近では「スペアタイヤ」を搭載する車種は激減し、変わりに「パンク修理キット」というものを装備していることが多いです。なぜ、「スペアタイヤ」はあまり見かける機会が減ったのでしょうか。

 スペアタイヤとは、その名の通りクルマに付いているタイヤがパンクやバーストなどした際に、応急処置で使用するタイヤのことです。使用用途などにより「テンパータイヤ」と呼ばれることもあります。

 基本的に「スペアタイヤ」と「テンパータイヤ」の大きな違いは、スペアは純正で装着されているタイヤと交換しても、そのまま走行することができるもの。一方、テンパーはあくまでも『応急用のタイヤ』という形で使用されるのです。  また、最近のクルマに装備されている「パンク修理キット」とは、その名の通りタイヤがパンクした際に修理をする道具。中身は、小型のコンプレッサーと補修材が入っており、釘などが刺さった際の穴を塞ぐために使用します。

 ジャッキアップしてタイヤを交換する作業を行わずできるメリットはありますが、サイドウォール(タイヤ側面)やバーストなどの際には、対処ができません。

 一見、不測の事態を考えると「スペアタイヤ」を装着している方が良いようにも考えられます。なぜ最近のクルマでは搭載されなくなったのでしょうか。

 まず、大きな要因としては、「スペアタイヤ装備の車検項目廃止」が挙げられます。以前までは、車検時の検査項目に「スペアタイヤ」が装備されていることが決まっており、付いていない場合は車検が通りませんでした。

 しかし、車検項目については市場動向などの変化によって廃止され、それを機に自動車メーカーは「スペアタイヤ」の標準装備を減らしていきます。

 さらに、重くスペースを必要とするものを無くすことで、『燃費向上のための軽量化』『車室空間の自由度向上』などクルマを作る上で重要な要素を確保することが可能です。

 そのなかで、「パンク修理キット」を比較的に早い段階で市販車に導入したのは、スズキの「パレット」という軽ワゴン車です。「スペアタイヤ」を減らし、「パンク修理キット」を採用した理由について、スズキは次のように説明します。

「登場収納スペースの向上やパンクの頻度が減っていたということが採用理由のようで、2008年1月に登場した「パレット」がスズキ初となります。

 また、スズキ車ではいまでも多くの車種に、スペアタイヤのオプションを設定しています。さまざまユーザーの要望に答えられるほか、同社『ジムニー』ではスペアタイヤ自体が外観デザインの特徴となっていることもあります」

■「スペアタイヤ」の激減理由は他にも存在

「スペアタイヤ」が激減した背景には、規制や自動車メーカーの考え以外にもさまざまな要素が存在。たとえば、タイヤの技術が向上したことによって、パンク後も一定距離走行可能なランフラットタイヤが登場したことや道路の路面が良くなりパンクが起きにくくなったことなどが挙げられます。

 さらに、ユーザー側の技術・知識不足も大きな要素です。パンクやバーストによる救援依頼の割合は年々増加傾向となり、依頼内容の上位には『タイヤのパンク』が挙げられるほど。ユーザー自身がタイヤを交換する機会自体も減っているのです。

 一方で、いまでも「スペアタイヤ」が備わっている車種も存在します。前出にもあったスズキ「ジムニー」や日産「エクストレイル」を始めとするSUVモデルは、トランク下部や車体背面に装備されています。

 装備する理由には、オフロードなどの悪路においてタイヤのサイドウォールが切れた場合など、応急処置では対応できない時に予備として「スペアタイヤ」を装備していることが多いです。

 しかし、コンパクトSUVのホンダ「ヴェゼル」は「パンク修理キット」を搭載、同サイズのトヨタ「C-HR」や都会派SUVの「ハリアー」はオプション設定となっているなど、クルマ自体のコンセプトによっても違いがでてきます。

 このような背景によって「スペアタイヤ」を見かける機会が減り、「パンク修理キット」装着車が増えました。しかし、パンクやバーストでクルマが立ち往生した場合には、基本的に“すみやかに安全な場所まで移動”しなければなりません。

 そのためにも、自身が乗るクルマの「スペアタイヤ」や「パンク修理キット」の搭載位置や使い方は覚えておくことが重要です。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「スゴい事故」発生も…「夏タイヤ履いてるなんて信じられんッ!」 批判の声多数! 夏タイヤで雪道走ると違反? 正しい交換時期の目安とは
「スゴい事故」発生も…「夏タイヤ履いてるなんて信じられんッ!」 批判の声多数! 夏タイヤで雪道走ると違反? 正しい交換時期の目安とは
くるまのニュース
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
ベストカーWeb
「富士山登山鉄道」断念、でも代わりは“トラム”なの!?  後継には「電動連節バス」しかない3つの理由
「富士山登山鉄道」断念、でも代わりは“トラム”なの!? 後継には「電動連節バス」しかない3つの理由
Merkmal
入場無料! [レクサスRZ]に[新型アウトランダーPHEV]も!! 千年の都が舞台[京都モビリティ会議]が12月7日(土)にやってくる
入場無料! [レクサスRZ]に[新型アウトランダーPHEV]も!! 千年の都が舞台[京都モビリティ会議]が12月7日(土)にやってくる
ベストカーWeb
FIA F2参戦のロダン、最終戦でFIA F3王者フォルナローリを起用。フォーミュラE参戦のマローニの代役
FIA F2参戦のロダン、最終戦でFIA F3王者フォルナローリを起用。フォーミュラE参戦のマローニの代役
AUTOSPORT web
快適ボックスシートから広々フルフラットへの変更も簡単! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
快適ボックスシートから広々フルフラットへの変更も簡単! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
もう[トヨタ]が開発してるだと!!!!!!!!!!! 次期型[GR86/BRZ]は1.6Lターボ+ハイブリッドでほぼ確定か!?  
もう[トヨタ]が開発してるだと!!!!!!!!!!! 次期型[GR86/BRZ]は1.6Lターボ+ハイブリッドでほぼ確定か!?  
ベストカーWeb
トヨタWRC、大荒れのデイ2を好位置で乗り切る。ラトバラ代表は「明日もトリッキーになる」と警戒/ラリージャパン
トヨタWRC、大荒れのデイ2を好位置で乗り切る。ラトバラ代表は「明日もトリッキーになる」と警戒/ラリージャパン
AUTOSPORT web
ARTグランプリ、ホンダのフランス法人とパートナーシップを締結。CR-VとZR-Vが提供される
ARTグランプリ、ホンダのフランス法人とパートナーシップを締結。CR-VとZR-Vが提供される
AUTOSPORT web
優れた燃費が自慢[アコード]!! [レクサスES]と比較した明確な違い
優れた燃費が自慢[アコード]!! [レクサスES]と比較した明確な違い
ベストカーWeb
レッドブル&HRC密着:フロントタイヤへの熱入れを苦手にするRB20。弱点が露呈し初日は2台とも下位に沈む
レッドブル&HRC密着:フロントタイヤへの熱入れを苦手にするRB20。弱点が露呈し初日は2台とも下位に沈む
AUTOSPORT web
タイトルに王手のフェルスタッペンが苦戦、ミディアムで17番手「タイヤが機能せず氷の上を走っているよう」/F1第22戦
タイトルに王手のフェルスタッペンが苦戦、ミディアムで17番手「タイヤが機能せず氷の上を走っているよう」/F1第22戦
AUTOSPORT web
見かけ倒しでもいいじゃん! ルックスと性能が釣り合わないスポーツモデル5選
見かけ倒しでもいいじゃん! ルックスと性能が釣り合わないスポーツモデル5選
ベストカーWeb
2025年WEC暫定エントリーリストが発表。ハイパーカーは2社が撤退もLMGT3と同数の18台が参戦
2025年WEC暫定エントリーリストが発表。ハイパーカーは2社が撤退もLMGT3と同数の18台が参戦
AUTOSPORT web
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
AUTOSPORT web
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ベストカーWeb
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
AUTOSPORT web
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
ベストカーWeb

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

120.8149.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0115.1万円

中古車を検索
パレットの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

120.8149.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0115.1万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村