2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGPの予選はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の激烈なポール争いも、もちろん見応えがあった。しかしそれ以上に目を奪われたのが、アストンマーティンの意表を突く戦いぶりだった。
アストンマーティンはこの週末、フロアやディフューザー、エンジンカバーなど、7項目にわたる大規模なアップデートを投入する勝負に出た。しかし、今季ここまであまりに深刻な低迷ぶり(フェルナンド・アロンソでさえ6戦を終えて0ポイント……)を見て来ただけに、たとえ完成したばかりの最新鋭風洞を使用したアップデートとはいえ、正直それほど期待はしていなかった。
ピアストリが今季3度目のPP獲得。角田裕毅は大クラッシュでタイムを残せず【予選レポート/F1第7戦】
実際、初日のフリー走行2回目(FP2)では、アロンソが14番手、ランス・ストロールが17番手と、昨今のアストンマーティンの定位置といっていい平凡なものだった。ところが予選が始まるや、彼らは大変身を遂げた。
まず、Q1でアロンソとストロールは、フェルスタッペン、ピアストリに次ぐ、3、4番手につけた。しかも2台ともミディアムタイヤを履いてだ。
とはいえこの時点ではまだ、ソフトタイヤを温存するための苦肉の策だろうとしか思っていなかった。ところがアストンマーティンの2台はQ2でもミディアムを使い続けた。しかもタイムを刻むアタック用のタイヤとしてだ。
Q2最初のソフトタイヤでのアタックは、アロンソが8番手、ストロールが11番手だった。それがミディアムタイヤに履き替えると、それぞれ0.4~0.6秒もタイムを縮め、アロンソが6番手、ストロールが7番手まで順位を上げた。ここまでの6戦で一度もQ3に進出できていなかった“あの”アストンマーティンが、2台揃ってトップ10入りを果たしたのだ。
そしてQ3でも、ミディアムタイヤを軸にした戦い方はブレなかった。まずソフトのニュータイヤでストロールが6番手、アロンソが7番手のタイムを出すと、最後のアタックはミディアムタイヤに履き替えた。
すでに新品ミディアムタイヤはなく、アロンソは3周、ストロールは6周走ったユーズドタイヤだったが、それでもアロンソは新品ソフトを履くウイリアムズ2台を凌ぐタイムで5番手で予選を終え、ストロールも8番グリッドを手にした。当然ふたりにとって、今季の自己ベストグリッドだった。
この躍進の要因は、まずはアップデートが当たったことに尽きる。しかし、マシンの戦闘力を存分に発揮できたのは、アストンマーティンでタイヤ戦略を担当する松崎淳エンジニアがタイヤ性能の限界を的確に見極めたからに他ならない。
今回ピレリは最も柔らかいC6コンパウンドを、ソフトタイヤとして実戦で初めて投入した。柔らかすぎて1周も保たないのではという危惧もあったが、初日のフリー走行ではグレイニングも出ず、2アタックを敢行したドライバーもいたほどで、決して評判は悪くなかった。
しかしそんななか、どうやらアストンマーティンだけはこの時点で、「ソフトは使えない」と見極めたようだ。その証拠に彼らは、予選前のFP3で多くのチームがミディアムタイヤを使うなか、2セットの新品ミディアムタイヤをしっかり残して予選に臨んだ。そしてソフトタイヤのオーバーヒートにライバルたちが苦しむなか、今季のベストグリッドを掴み取ったのだった。
一方でミディアムタイヤの新品がない状態で、レースをどう戦うつもりなのか。ユーズドのミディアムタイヤでも十分戦える手応えがあるのか、あるいは2ストップ作戦が主流になると踏んでいるのか。その答えは決勝レースでおのずと出るだろう。ただ、松崎マジックが予選だけのものでないことは間違いなさそうだ。
[オートスポーツweb 2025年05月18日]
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