出光興産(出光昭和シェル)は、超小型電気自動車(EV)のカーシェアリングサービス「オートシェア」の実証実験を千葉県館山市で21日から開始した。MaaS(サービスとしてのモビリティ)の活用で、地元住民・企業に近距離移動の新たな手段を提供する。
提供車両は、タジマモーターコーポレーション(田嶋伸博社長、東京都中野区)が開発した超小型EV「ジャイアン」4台。出光昭和シェル系列販売店の丸高石油(高橋幸丸社長、千葉県館山市)が借り受けてサービスを提供する。
出光昭和シェル 超小型EVによるカーシェアの実証実験を実施 系列SSを使ってMaaSプラットフォーム構築
利用者は事前に会員登録して、パソコンやスマホから車両を予約する。入会金や月額料金は無料で、1回の利用時間に応じて最安の料金プランが自動的に適用される。
一部の車両は丸高石油を通じて地元企業にも貸与する。平日は営業車として使用し、休・祝日は一般向けや他の企業向けに貸し出すという。
オートシェアは昨年8月、岐阜県の飛騨・高山エリアで一般・法人向けに開始した=写真。2カ所目となる館山市では、再生可能エネルギーによるEV走行の実証も行う。市内3拠点のカーステーションのうち1つの充電用カーポートの屋根に、軽量CIS太陽電池を設置した。太陽電池は出光昭和シェル子会社のソーラーフロンティア(渡辺宏社長、東京都港区)が開発。パネル表面材と基盤を従来品より改良して3分の1程度まで軽量化し、曲げやすく割れにくい特性としながら、従来品と同等の出力を実現した。
カーポートには、ダイヘン(田尻哲也社長、大阪市淀川区)が開発した非接触充電設備も導入し、太陽光で発電した電気をワイヤレスで車両に充電する。提供車両4台のうち1台が対応する。
災害時にも安定的に電力を供給する地域マイクログリッドの必要性が高まる中、再生可能エネルギーと超小型EVを利活用する今回の実証を通じて、「地産地消型の分散電源を活用したMaaS事業の可能性を検証し、新しいモビリティ社会の創出に取り組む」(出光昭和シェル)という。
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