フェラーリF1シート譲ったサインツJr.、苦しむハミルトンに「驚きはない」乗り換え後の”ピンとくる”瞬間まで半年以上？

　フェラーリに今季から加入したルイス・ハミルトンは苦戦が続いているが、マシン乗り換えに伴って苦しむことは「全く驚きではない」とカルロス・サインツJr.（ウイリアムズ）は語った。

　7度のF1王者ハミルトンのフェラーリ加入は今季、大きな注目を集めてきた。しかし開幕後は中国GPのF1スプリントで勝利こそしたものの、他の場面ではチームメイトのシャルル・ルクレールに匹敵する走りはできていない。

　この状況について、ハミルトンに席を奪われる形でウイリアムズに移籍したカルロス・サインツJr.は、驚くことではないと考えている。なおサインツJr.自身も、ウイリアムズでは苦しいスタートとなっており、第5戦サウジアラビアGPまでチームメイトのアレクサンダー・アルボンを上回ることができていなかった。

「全く驚いていないよ」と、マイアミGPを前にサインツJr.はそう語った。

「僕自身にも、そして彼（ハミルトン）についても、そうだろうと予想していた」

「なぜならアレックスやシャルルのようなチームメイトと対峙するとなると、相手はチーム内のことを知り尽くしていて、既にマシンからは最大限のパフォーマンスを引き出すことができているからだ」

「だから彼らよりもほんの少し良いか、同程度になることがせいぜいなんだ。コンマ2～3秒も急に速くなることはできない。それは不可能なことだ。だって相手は既にマシンの限界に迫っているんだ」

「新しいチームに移籍したとき、自分だけではなく周囲にもそのレベルにあることが期待されても、時間がかかることは分かっている。相手はずっと多くのことを把握している。少し時間はかかってしまうけど、プロセスを加速していってより早くそのレベルにたどりつくほど良いんだ」

　サインツJr.はマシンの乗り換えについて、チームメイトと同じくらい速く走るためには忍耐が必要だと考えていて、多くのことの再学習がいると説明した。

「全く異なる方法でマシンを同じようなラップタイムまで上げていくために、どれだけのバリエーションがあるかは、想像もつかないだろう」

「ウイリアムズでエンジンブレーキをきつく設定してそれがどうなるか確かめてみたり、低いモノを試したり、色々なマップを試しているんだ。毎週末、このマシンは何を好んでいて何を好んでいないのかを知るために、様々なことを試している」

「自分のスタイルに合うモノもあれば、そうじゃないやつもある。その戦いとプロセスこそ、僕の楽しんでいることだと思うし、間違う時も何度もあるだろう」

「でも楽しんで受け入れていけば、時には失敗することもあるだろうけど、パチっとはまって『これはうまくいく』とピンときた瞬間が気持ちいいんだ」

　サインツJr.はウイリアムズでまだピンとくる瞬間は迎えられていないが、自身もハミルトンも、その瞬間が訪れるのは遠いかもしれないと指摘。新チーム、マシン、そしてプロセスを学ぶためには6ヵ月以上掛かる可能性もあると語った。

「僕は常々、マシンを良く理解するためには、少なくとも半年から1年をかけて、そのマシンについてあらゆる経験を積む必要があると語ってきた」

「でも、だからといってその期間中にパフォーマンスを発揮できないということじゃないんだ。100％や99％が……99％でもかなり良いかもしれないけどね」

「まあ100％もそうかもしれないけど、半年の経験が必要になることもあると思っている」

　なおF1マイアミGPのスプリント予選では、ハミルトンが7番手、サインツJr.が15番手となっている。

Comments

[tom********]

RB21ほどには難解ではないとされるマシンに、ハミルトンやサインツといったドライバーでもそうなんだから。
RB21に途中交代で乗って4戦目、チームメイトは現代最強とされるフェルスタッペンの角田がいかに難しいことに挑戦しているか、推して知るべしだね。