■すべてが計算された「辛口スポーツ」
コンパクトなボディにハイパワーなエンジンを搭載した、いわゆる「ホットハッチ」と呼ばれるモデル群は、いつの時代も一部のクルマ好きの心を熱くさせてきました。
【画像】超カッコいい! これがダイハツの「“めちゃ速”コンパクト」です! 画像で見る
特に各社がこぞって高性能モデルを競い合った1980年代から1990年代には、多くの若者がその刺激的な走りの虜になったものでした。
そんな熱い時代の再来を思わせる極めて特殊な一台が、2006年にダイハツから登場しました。その名は「ブーン X4(クロスフォー)」です。
このクルマは、単なる高性能ハッチバックではありません。その本質は、モータースポーツの競技規則「ホモロゲーション」を取得するためだけに専用設計された、”競技ベース車両”そのものでした。
X4の名は、ダイハツのモータースポーツ史において、最も本気な四輪駆動モデルにのみ与えられる栄光の称号で、伝説的な「ストーリアX4」の血統を受け継ぐ、正統な後継者だったのです。
このクルマを理解する鍵は、936ccという不可解なエンジン排気量にあります。
これは、当時の全日本ラリー選手権の車両規定「ターボ係数1.7倍」を逆算して導き出された、執念ともいえる数値でした。「936cc×1.7=1591.2cc」となり、1600cc以下のクラスにターボの圧倒的なパワーを持ち込むという、極めて戦略的な設計だったのです。
エクステリアは、標準モデルよりワイドな「カスタム」グレードをベースとしつつ、そのすべてが機能のためにありました。
ボンネットに開けられた巨大なエアスクープは、エンジン上部に置かれたインタークーラーを効率よく冷却するためのもので、大型のエアロバンパーも、見た目だけでなく空力と冷却性能を意識した設計です。
ボディカラーが「ホワイト」一色に限定されていたのも、ラリーカーとして各チームのカラーリングを施す“白いキャンバス”であることを意味していました。
インテリアは、2つのグレードでまったく異なる顔を持ちます。
純粋な競技ベースの標準グレードは、エアコンやパワーウィンドウといった快適装備を徹底的に省いたスパルタン仕様で、レース現場で装備を交換することを前提とした、ラリーチームの要求に応える構成でした。
一方で、MOMO製ステアリングやエアコンを備えた「ハイグレードパック」も用意し一般ユーザーにも訴求しつつ、ホモロゲーション取得に必要な生産台数を確保する狙いがありました。
その室内には、競技ベース車ならではの割り切りも見られます。タコメーターはインパネに内蔵されず、ダッシュボード上に後付けされたような独特のレイアウトとなっていました。
また、シートポジションがやや高めに設定されていた点も特徴の一つです。そのため、本格的な走行を求めるユーザーの多くが、社外製のローポジションシートに交換していたといいます。
前述の通り、心臓部にはこのクルマのためだけに開発された936ccのDOHCターボエンジン「KJ-VET」を搭載します。
極端なショートストローク設計により、最高出力133PS・最大トルク133N・mを発生します。
その真価は7200rpmという高回転域で発揮される、ピーキーな特性にありました。車両重量はわずか980kgに抑えられており、パワーウェイトレシオは約7.37kg/PSという、クラスの常識を超える優れた数値を実現していました。
さらに、三菱「ランサーエボリューション」など一部の競技車両にしか採用されない「インタークーラーウォータースプレー」まで標準装備されていた点も驚きです。
組み合わされるトランスミッションはクロスレシオの5速マニュアルのみで、駆動方式はフロントに機械式LSDを備えたセンターデフ方式のフルタイム4WDです。
その走りは、現代のクルマでは決して味わえない、荒々しくも官能的なものでした。
遮音材がほとんど使われていない室内には、ギアやデフが発するメカニカルノイズが響き渡り、4000rpmを超えたあたりからエンジンが豹変。猛烈な加速を見せます。
一方で、ノーマルのサスペンションやブレーキは、その強大なパワートレインに対して明らかに力不足でした。しかし、これもまた、購入後に交換されることを前提とした“競技ベース車”ならではの割り切りだったといえるでしょう。
※ ※ ※
ブーンX4は、その狙い通り、2006年の全日本ラリー選手権でデビューウィンを飾るなど輝かしい戦績を残し、ポテンシャルの高さを証明しました。
新車時価格はベースグレードが183万7500円、ハイグレードパックが204万7500円でした。
月産わずか50台という希少モデルであり、現在ではこのような本格競技ベース車両は市販されにくくなったこともあって、ブーン X4は“羊の皮を被った狼”として、その希少性と過激さで語り継がれる存在となっています。(佐藤 亨)
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