現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 北米で没収!「ロシアの巨人機」ウクライナに寄贈まもなく 法的処理スタートへ

ここから本文です

北米で没収!「ロシアの巨人機」ウクライナに寄贈まもなく 法的処理スタートへ

掲載 更新 7
北米で没収!「ロシアの巨人機」ウクライナに寄贈まもなく 法的処理スタートへ

ウクライナの司法トップが明言

 2025年5月6日、ウクライナのオリハ・ステファニシナ副首相兼司法大臣は、カナダのトロント・ピアソン国際空港に2022年より留め置かれたままとなっているロシアのAn-124「ルスラン」大型輸送機について、カナダ政府が没収するための法的処理を開始したことを確認したと発表しました。なお、法的処理が完了次第、同機はウクライナに寄贈されるといいます。

【ルスランよりデカい!!】実用世界最大の「巨人機」です(写真)

 An-124は、量産された飛行機としては世界最大と称されるもので、2022年2月に始まったウクライナ侵攻においてロシア側の攻撃で破壊されたAn-225「ムリヤ」に次ぐ大きさを誇ります(An-225は実用機としては世界最大)。全長約70m、全幅約75m。過去には171.219tの貨物を搭載して高度1万m以上を飛んだこともあり、こういった搭載重量系のギネス記録をいくつも打ち立てています。

 トロント・ピアソン国際空港の機体はロシアのヴォルガ・ドニエプル航空が保有するもので、カナダに飛来した直後にロシアによるウクライナ侵攻が始まったことで出国できなくなり、2023年6月にカナダ当局が押収したとのこと。この手続きはカナダ特別経済措置法に基づいたもので、ロシアの国有資産を差し押さえることを目的としたカナダの制裁パッケージの一環になります。ただ、最終決定は空港が所在するオンタリオ州の上級裁判所で留保されています。

 押収機は、ヴォルガ・ドニエプル航空が運用する12機のAn-124のうちの1機です。製造は1995年で、すでに30年が経過しているものの、とうぜんウクライナ侵攻前までは世界中を飛び回っていた機体です。

 カナダの法律に基づいて押収された後、2023年8月にウクライナの高等汚職防止裁判所(HACC)が制裁対象資産の差し押さえを認める判決を下しており、これを受けてカナダ当局が所有権を移転するための法的手続きを進めています。

 ステファニシナ副首相いわく、ウクライナ司法省はHACCの裁定をカナダ当局に伝えており、カナダ側の司法長官がオンタリオ州の上級裁判所に没収の申し立てを提出するよう促したことで、An-124の移管プロセスが勢いを増しているといいます。

 An-124は、ウクライナのアントノフ航空でも7機が運用されており、2025年に入ってからも貨物輸送などで日本に飛来しています。

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ロシア軍の「巨大爆撃機」が “空中から忍び寄る侵入者”に次々と破壊される 「驚愕の作戦」詳細映像が公開
ロシア軍の「巨大爆撃機」が “空中から忍び寄る侵入者”に次々と破壊される 「驚愕の作戦」詳細映像が公開
乗りものニュース
ロシア空軍の「超貴重な機体」に“刺客”が迫る 攻撃の瞬間を捉えた映像が公開 胴体上部に「巨大な円盤」
ロシア空軍の「超貴重な機体」に“刺客”が迫る 攻撃の瞬間を捉えた映像が公開 胴体上部に「巨大な円盤」
乗りものニュース
トランプ大統領「民間機の地上での超音速飛行を認めよ」規制がすでに時代遅れ!? どのような利点が?
トランプ大統領「民間機の地上での超音速飛行を認めよ」規制がすでに時代遅れ!? どのような利点が?
乗りものニュース
史上初の原子力空母「エンタープライズ」解体へ 除籍から8年…なぜここまで時間を要しちゃったのか!?
史上初の原子力空母「エンタープライズ」解体へ 除籍から8年…なぜここまで時間を要しちゃったのか!?
乗りものニュース
「到着寸前の”旅客機機内あるある”許しません」→日本人も多く訪れる国の「前例のない新ルール」とは? 違反者は罰金
「到着寸前の”旅客機機内あるある”許しません」→日本人も多く訪れる国の「前例のない新ルール」とは? 違反者は罰金
乗りものニュース
ロシア軍が誇る「最強クラスの戦闘機」をウクライナが撃墜か “地上に激突”した機体の映像も公開
ロシア軍が誇る「最強クラスの戦闘機」をウクライナが撃墜か “地上に激突”した機体の映像も公開
乗りものニュース
なぜ?「普通じゃ絶対ありえないエアバス機」出現へ! 「導入されていない航空会社」の塗装をまとった特別機が話題に
なぜ?「普通じゃ絶対ありえないエアバス機」出現へ! 「導入されていない航空会社」の塗装をまとった特別機が話題に
乗りものニュース
「JALから退役したばかりの旅客機」どうなる? 「最後の旅」に出るまでの”送り出し整備”に潜入! 普段と結構様子が違う…?
「JALから退役したばかりの旅客機」どうなる? 「最後の旅」に出るまでの”送り出し整備”に潜入! 普段と結構様子が違う…?
乗りものニュース
東南アジアの「ロシア兵器大好き国」が方針転換? かつての敵国に“最新戦闘機ちょうだい” 一体なぜ?
東南アジアの「ロシア兵器大好き国」が方針転換? かつての敵国に“最新戦闘機ちょうだい” 一体なぜ?
乗りものニュース
世界初! 実戦で「レーザーを使い空中目標を撃墜」もはや創作物の戦い「アイアンビーム」がついに動きだす
世界初! 実戦で「レーザーを使い空中目標を撃墜」もはや創作物の戦い「アイアンビーム」がついに動きだす
乗りものニュース
自衛隊の「顔」車両は“トルコ製いかが!?” コマツ撤退で国内開発× 決まらない後継選定に世界が熱視線
自衛隊の「顔」車両は“トルコ製いかが!?” コマツ撤退で国内開発× 決まらない後継選定に世界が熱視線
乗りものニュース
「デカくてエンジン4発」の概念を破壊! “変な形極めしジャンボ機”「表舞台」に出現へ…なぜこんな設計に?
「デカくてエンジン4発」の概念を破壊! “変な形極めしジャンボ機”「表舞台」に出現へ…なぜこんな設計に?
乗りものニュース
グリペンE/F 新たな採用国が決定! タイでF-16にまた勝つ 採用に至った決め手とは?
グリペンE/F 新たな採用国が決定! タイでF-16にまた勝つ 採用に至った決め手とは?
乗りものニュース
正式名を自衛隊が明らかに!「40年使ったベテラン戦闘車の後継」総火演で見られなかったアングル写真まで
正式名を自衛隊が明らかに!「40年使ったベテラン戦闘車の後継」総火演で見られなかったアングル写真まで
乗りものニュース
F-35ベースで「コスパ良し!!」な戦闘機つくるよ ロッキードMが断言できるワケ 他社が「F-47」勝ち取っても余裕なぜ?
F-35ベースで「コスパ良し!!」な戦闘機つくるよ ロッキードMが断言できるワケ 他社が「F-47」勝ち取っても余裕なぜ?
乗りものニュース
さっさと撃って、さっさと退散! しかも正確 シンガポール産の新型“車載式迫撃砲” 日本も「すぐ使える」
さっさと撃って、さっさと退散! しかも正確 シンガポール産の新型“車載式迫撃砲” 日本も「すぐ使える」
乗りものニュース
トランプ大統領またですか… 米軍が計画してない「老朽機の更新」やると明言! お金ドコから出すつもり?
トランプ大統領またですか… 米軍が計画してない「老朽機の更新」やると明言! お金ドコから出すつもり?
乗りものニュース
トランプ大統領「F-35が気にくわないので新戦闘機つくります!」驚がくの好きじゃない理由とは? 米空軍&メーカーの見方は
トランプ大統領「F-35が気にくわないので新戦闘機つくります!」驚がくの好きじゃない理由とは? 米空軍&メーカーの見方は
乗りものニュース

みんなのコメント

7件
  • きらら、慈英くん
    カナダの毅然とした対応に
    国家としてのチカラ感じます。

    今の日本なら???
    没収?無理
    遺憾砲しか出さず見送るだけだよね(怒)。
  • kan********
    所有権をウクライナに移転させるのはよいとして
    ウクライナに送れば、ロシアはこの機体を何がなんでも破壊しようとするだろう。
    ウクライナ籍にはするが、普段駐機しておくのはウクライナ国外のほうがいいだろう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村