6月14日(土)に決勝レースが始まる『第93回ル・マン24時間レース』を前にした13日(金)、Toyota GAZOO Racingのチーム代表兼7号車GR010ハイブリッドのドライバーである小林可夢偉と、8号車のドライバーである平川亮は、決勝前のオンライン会見にて日本メディア向けに抱負を語った。
■“ウラの課題”は「これまでよりも大きそうな」デグラデーション
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まず小林は、11日(水)~12日(木)にかけて行われた予選について、「かなり苦戦しました。7号車は16番手となってしまって、思ったよりも良いパフォーマンスが出せていない」と振り返る。小林の7号車は、21台中16番手という後方からのスタートと追い上げ必至の状況だが、明日からの決勝については次のような見通しをコメントした。
「今年は、ライバルチームのフリープラクティス(FP)での燃料搭載量があまり把握できていなくて、フェラーリが速そうに見えていたけど予選はそうではなかったりと、状況が一概に読めていない状況です」
「ただ全体的に、タイヤのデグラデーション(性能劣化)はこれまでよりも大きいような気がしています。なので決勝では『タイヤに対してクルマがいかに優しいか』という点が効いてきそうだなと」
「とくに、ミディアムタイヤでの3スティント目であまり落ちがなければ、その分良いところに行けると思います。なので、1スティント目のペースよりも3スティント目の速さをいかに引き出すかが、今年の“ウラ”の課題のような気がします」
また、これまでのテストデーやFPのタイム結果では、小林の7号車がトップ10に入ったのはテストデーに1度のみと、やや苦戦しているように見受けられていたが、小林は「予選よりも決勝の方が良い戦いができそうなテスト結果もある」とし、追い上げる自信を覗かせた。
トヨタは、ハイパーカーおよびLMDhの導入以降参戦メーカーが急増した昨今のWECで、何度も追い上げのレースを展開してきた。2024年のル・マンでも予選クラス最高尾から2位表彰台を獲得。その後のシリーズ戦でも、タイヤに優しいクルマ作りや、荒れた場面でのレース運びを含めた決勝での強さを武器に、粘り強い戦いを見せてきたことで、年間マニュファクチャラータイトルの獲得を成し遂げている。
小林にとってトヨタのドライバーとして挑む10度目のル・マン、そしてトヨタにとってはル・マン参戦40周年の記念となる第93回大会の決勝で、1998年のTS-020をオマージュした特別カラーで戦う7号車が、レースの主役の1台となる活躍に期待したい。
■8号車は「決勝へ向けた練習に多くの時間を使っていた」と平川
一方、10番手からのスタートとなる8号車の平川は、ふたりのチームメイトがアタックを担当したハイパーポールを次のように振り返った。
「ハイパーポール1は、ブレンドン(・ハートレー)がこれ以上ないアタックをしてくれたと思います。ハイパーポール2でのセブ(セバスチャン・ブエミ)も、ミュルサンヌまでは良いタイムで来ていましたが、ロックしてタイヤにダメージが入ったことでパンクしてしまいました」
「ただ実は、セブはこれまで本格的なアタックシミュレーションができていなかったので、予選がぶっつけ本番でした。アタックの後にも、本人もそこは難しかったと言っていました。ただ、レースは長いですし、10番手からのスタートというのは悪くないと思います」
ブエミがアタックシミュレーションを行えていなかったのは、「決勝へ向けた練習に多くの時間を使っていた」からだという。そう語る平川からは予選の話に限っては残念そうな様子が感じられたが、24時間の決勝ではまだまだ何が起きるか分からない。
さらに平川は決勝での注意点として、タイヤのパンクを挙げた。というのも、今年は他クラスも含めてパンクが多く発生している状況だそうで、トヨタもその例外ではないと話す。
「今年は、全部のカテゴリーでパンクが頻発しています。コース上のデブリが多くて、タイヤに穴が空いてしまうパターンがよく見受けられていますし、おそらく決勝レースでも結構起きそうだなと思っています」
「トヨタでもおそらく、3~4回ぐらいは起きていたと思うので、もしかしたら決勝ではそういった面での運も必要なのかなとは思っています」
ここまで8号車は、テストデーや夜間セッションのFP2でトップタイムをマークしており、その他のセッションでもトップ10位内につけていることが多く、ところどころで好調が見えた。とくに夜間のFP2に関しては、「あまりいいタイヤを履いてなかったことを考えると、夜のペースは悪くないのかもしれない」と平川もコメント。もちろん、ライバルのプログラムや実際のペース差が分からないなかではあるが、8号車陣営としても決勝へ向けた調整が着々と進んでいるようだ。
決勝前日時点の天気予報では、レース中の最高気温は25度あたりの予報が多く、8号車がトップタイムをマークしたFP2に近いコンディションとなりそうな第93回ル・マン24時間レース。8つの自動車メーカーのプロトタイプが頂点を目指す決勝で、トヨタは栄光を掴む事ができるだろうか。
[オートスポーツweb 2025年06月13日]
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みんなのコメント
そこを淡々と決勝に備えて準備できていれば、トヨタにもある程度のチャンスはあるかもしれない。
が、一度もアタックの練習をしていないブエミになぜスーパーポールのラップをやらせたのか意味不明な戦略をとるトヨタもこれまた微妙な采配してんな、と疑問を感じる。
八百長まがいの理不尽なBoPやライバルに負けず、ぐだぐだな今の日本にル・マンで喜ぶトヨタチームの姿を見せてください。
全力で応援します‼︎